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バリ島中部プナルンガン村では、日本兵の幽霊が何度か目撃された。
道端でタバコを吸っている、陸軍兵姿の男がいて、近づくとすうっと消えるというものだった。
村人は、かつて独立戦争に義勇兵として参加した日本兵の霊ではないか、と騒いだ。
新しく記念碑をたてたところ、幽霊は目撃されなくなった。
プナルンガンのすぐ近くの村でも、同じ日本兵……荒木と松井を讃える記念碑が準備された。
(写真、著者撮影)
敬礼するその姿は、やけにリアルである。
両者は、約半年という短いバリの独立戦争の主戦のうち、はじめから最期まで、指揮官ングラ・ライとともに行軍し、玉砕した。
荒木と松井、この二名の記念碑は2つの村につくられた。
すでに紹介したプナルンガンの記念碑のなかに飾られた松井の写真が間違っていたため、僕は遺族から遺影のコピーを頂戴し、知人(松井とかつてバリで何度か会った老人)を通じて現地で取り替えてもらった。日本人の遺影が飾られた記念碑というのは、バリでもここしかない。
バリの独立戦争には20数名の日本兵が参加し、そのほとんどが戦士、あるいは行方不明となった。
唯一1950年以降も生き残り、バリに残留したのが、平良定三であった。。。
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