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走路有風〜 作家・坂野徳隆の書斎からの景色
Photos & Texts (C)Narutaka Sakano 転載厳禁 *著者への連絡は上の「メッセージ」にお願いします

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(写真すべて著者撮影)
巨大な鉄門が開き、厳重に警備されたプライベート区画へカートが入ると、そこはまるでベバリーヒルズのような景色。広い通りの左右に椰子の木が立ち並び、それぞれのエステート(プライベートな超高級バンガロー群)の門と壁がつづき、小さな町のよう。今夜の宿へ入ると、そこは二階建てのメインビルディングが母屋として建ち、その前に大きなプライベートプールが。ウイング状に別棟が延びていて、それぞれに部屋がある。
家族で来て、両親は母屋の二階に泊まり、子供たちはウィング、お手伝いさんがいればさらにその隣の部屋へ、という具合の、すべてがリッチなフォーシーズンズリゾート・バリ・アット・ジンバランベイのエステートである。
1泊30万円。プライベートプールエリアだけでも、普通のホテルがひとつできてしまいそうなくらい大きい。

ジンバランベイのフォーシーズンズは、普通のヴィラが集る海辺の丘陵のさらに上に、このような、壁に囲まれた、セレブ用のエステートが9棟用意されている。
泊まった感想は、まるで「監獄」だった。
壁が高く、海が見えない。潮騒はかろうじて聞こえるが、プライベートを完璧にすると、こうならざるをえないらしい。
セレブたちは辛いのね、ほんとうは。
僕は下の、普通のヴィラのほうがすきだ。
このときは、バトラー(一軒に必ず一人か二人、執事がついて、24時間面倒をみてくれる)がロンボク人だった。海外セレブが寝た同じベッドに横たわり(あの超有名俳優……名前は明かせません)、広すぎるスペースでくつろぐと、セレブ気分に浸れる。

もちろん、私は取材でいきました。
写真の朝食テーブルは母屋でのもの。日本食の朝定食(右)もあるが、4000円なり。シャケやら玉子焼きやらあり、けっこうイケル。
(写真はほかに母屋二階のベッドルームからバスルームのほうを見たところと、花浮くバス)

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以前ご紹介したウブドゥの「シュピース画派」美人画家、ガルーの弟を紹介しよう。
アナック・アグン・グデ・ウィラナタ。37歳。
(写真:著者撮影)
メングゥイの近くに住む彼は、姉のガルー同様、シュピースの熱帯幻想絵画(細密風景画)を真似た、あるいはモチーフにした作品を発表し、その作品は一枚数百万円でジャワやシンガポールの収集家に人気だ。アトリエをたずねると、未完成の作品がいくつもならび、すでに製作前から収集家に買われ、予約がたくさんはいっているほどの人気ぶりだ。

16年前、シュピースの絵を印刷物で初めて見た彼は、「三次元的な構成の、光と影の魔術のような絵に驚愕した」という。

「シュピースは完璧な画家で、テクニックは簡単に真似できるものではない」と、彼は自分の絵がシュピースのものと比べられるのを恐縮しながら首を振る。

ウィラナタはさばさばとした、好青年である。自然体の彼と話していると、シュピースの絵に共感しながら成功を得られる画家とは、こんな人に限られるのではないか、と感じてくる。

「僕はまだ勉強中なんです。絵はまだまだ発展途中だから」

ウィラナタはそう言って、また、すでに売り手の決まっている作品となる、真白なキャンバスに筆をつけていく。

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GQ Japan 2007年1月号のP125から始まる
「Pieces of Legend in Bali」というシュピースの特集記事で、
僕は現地ウブドゥの女性画家ガルーさんを紹介させていただいた。
しかそのとき、GQでは背後からの写真しか載せてくれなかったので、
ここでその美しいお顔をご紹介する。

彼女はヴァルター・シュピースの細密風景画(僕はこれを「バリ、夢の景色
ヴァルター・シュピース伝」のなかで、「熱帯幻想絵画」と名づけた)
を真似た手法で描く、代表的な現代画家のひとり。シュピース画派と
僕はなづけさせてもらった。

写真は、ウブドゥの彼女のアトリエ兼自宅。まだ製作中の絵画と
ポーズをとってもらった。(著者撮影)

(ちなみに、GQのこの特集の扉の写真で、シルエットとして
イッサーのシュピースのアトリエにたたずむのは、僕です)
詳しくは、GQのバックナンバーを見てください。

ウブドゥでは彼女くらい売れる画家になると、簡単に家一軒建つほどの
年収を得られる。彼女の弟ウィラナタも同様で、シュピースの
残した遺産は、こうしていまだにバリの人々に
受け継がれ、彼らにインスピレーションと富を与えている。

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バリ島のケチャダンスをご存知だろうか?
1930年代、バリ島に住んだドイツ人芸術家、ヴァルター・シュピースが、自宅のあった島の中央部、ウブドゥから近い、ブドゥルというところで、地元のダンサーたちと共同でつくりあげたのが、いまバリ島で見られる観光用のケチャダンスだ。
(詳しくは、僕の本「バリ、夢の景色 ヴァルター・シュピース伝」を見てね)

ということで、ブドゥルはケチャの発祥地でもある。
シュピースが村人たちとコラボしてつくったのは、このサムアンティガという寺院の庭だった。
サムアンティガ寺院は、まさにケチャダンスの発祥現場である。
2005年2月、雨季のバリ島。セブンシーズという雑誌を連れて僕はこの現場に行き、交渉の末、とんでもない企画を動かしてしまった。

奇妙なことだが、そもそも、ケチャ発祥の地であるはずのブドゥルでは、ケチャのグループもなければ、その歴史的な寺院でケチャがおこなわれることもなかった。
しかし、ちょうどこの取材の一年前、村で、七〇年ぶりにケチャグループを復活させた、という驚くような知らせを聞いたのである。
ウブドゥで僕がよく泊まるバンガロー(テガルサリ)で、以前そこで働いていた男の子との再会が、きっかけだった。
彼の兄が、そのグループの世話役をしているという。その兄さんは、以前、自著のためにブドゥルを取材していたとき、一度お世話になったことのある人でもあった。

ということで訪ねてみると、長老たちの参加により、かつてのオリジナルのケチャが再生されていた。
シュピースとケチャをつくったリンバックという老人はすでに他界してしまったが(僕も何度も彼に取材)、そのリンバックさんの「おらが村にも、ケチャを」という遺言も働いていたらしい。

ブドゥルの「オリジナルケチャ」は、衣装も合唱も当時のものに近く、シンプルだという。しかしなかなか公演には至っていないということった。ならば、日本のこの雑誌で宣伝して、定期公演に結びつけたら、という僕の提案に、リーダーが頷いた。

こうして、100人を越える村人が、雑誌の撮影のためだけに集まってくれた。
一度アルマで公演しただけの、オリジナルケチャを、カメラマンと僕、そして雑誌編集長の3人の前で、やってくれることになったのだ!

その夜のことは、一生忘れない。歴史的かつ神秘的な雰囲気のなか、数名の観衆のために、大人数のケチャが演じられた情景。空気は沸騰し、寺院の庭のあちこちから、霊的な存在の視線さえ感じた。

撮影のためなので、導入部以降は、こちらの指図でポーズをとめたり、再開したり、と、カメラマン氏と僕がオーケストラの指揮者のようになり、ディレクションを送る。そのたびに、半裸のメンバーたちが全員僕やカメラマンを見て、いまやったパフォーマンスの出来がどうか、とこちらの顔色をうかがい、指示を求める。まるで、シュピースがケチャをつくったときの時代とシチュエーションを追体験しているかのような、感動的な状況だった。
それはもう撮影とか取材とかではなく、ひとつの神秘的な体験となったのである。

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いきなり古いところから紹介して失礼。
企画からアポとり、取材、ホテル予約、記事構成、執筆まで担当した、「セブンシーズ」2005年5月号の50ページ大特集、バリ島とシュピース。ウィラナタという若手画家のお宅で、彼と彼の作品を撮影したときのヒトコマ。
このときは、住んでいた香港から直接バリへ飛んでの仕事だった。
右で反射板を持つ白シャツの男性は、助手とドライバーをつとめた通称「すけべアグン」。以後、優秀な助手へ育っていく。これがそのスタートラインだったんだな。(以後、GQ、駱駝などでも活躍していくことに)(このアグン、顔を見たら、ウブドゥ通の人なら、誰かすぐにわかるはず)
調整をする、カメラマン菅氏の颯爽とした短パン姿が、やけに若々しく、メングゥイ近くのこの庭の緑に煌き溶けているのも、印象ぶかい。
バリの写真集を日本で初めてだされたという菅氏。プロ技の数々、その爽やかなお人柄とともに、このときの旅で非常に印象に残っています。

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坂野 徳隆
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