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走路有風〜 作家・坂野徳隆の書斎からの景色
Photos & Texts (C)Narutaka Sakano 転載厳禁 *著者への連絡は上の「メッセージ」にお願いします

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国民党党首で総統候補の馬英九が先日、台北県新店の原住民に対して言い放ったことが問題となっている。
新店に数十年間不法で住み続け、退去宣告をうけている原住民たちが、馬に救済を直訴した際、
馬は「君たちを人間として扱い、人間のように教育する」という内容の発言をしたものだ。
台湾人は、これを馬が「原住民イコール台湾人(本省人)」の視線で見ていることでもある、
として、反発。問題発言の波紋が広がっている。

馬は香港生まれで、国民党の軍閥の家族に生まれ育ち、台湾語も理解できない、生粋の外省人である。最近米国グリーンカード所持の問題などが湧出しても、自分が支配階級にいるような気分で、自分の(そして支配階級の国民党の)過ちなど(台湾人には)関係ない、という態度をとっていて、台湾では嫌悪感を示すものが増えている。

国民党は日本が敗戦した際、日本の企業、政府財産を奪取し、それを資金に選挙でもお金に弱い南部の台湾人、原住民をとりこみ、勝利してきた。先月の立法議員選挙も同様である。
日本では、李登輝が国民党だったことから、国民党への態度には台湾の本省人のそれとはかなり温度差がある。しかしもっと事実を見つめ、台湾総統候補として目されるこの馬という人物、国民党の実態を
知るべきではないだろうか。

二転三転する馬の言動からは、支配者階級で育った彼の視線と考え方がはっきりと見て取れる。このような人物が国家の舵取りをすることになれば、同じおぼっちゃまの日本の安部元総理がみせた混乱よりさらにひどい事態になりかねない。
馬は自転車で台湾を疾走するパフォーマンスを見せ、台湾のおばちゃんたちに根強い人気を持つが、最近の動向を見ていると、自転車で疾走し都合の悪いことを風に流し、イメージ戦略で(再び台北市長選挙のように)乗り切ろうとするかのようである。
都合の悪い質問を「馬耳東風」で聞き流す彼のスタイルは、しかし、今月末に予定されるテレビでの謝との討論放送などで、剥がされていくように思う。

イメージ 1

(写真: 100元札(340円)を並べ、サイコロゲームに興じる家族、昨夜の情景。親が負けるほど皆が嬉しがる。しかしもらったばかりのお年玉をすべてスリ、べそをかく子供もいる)

台湾の旧正月(新春)は今日から始まった。
昨夜は大晦日。その夜のすごし方は日本のものとはかなり違う。
この夜一番大切なのは、外で遊ぶことでも仕事を収めることでもない。
ただ家へ戻り、家族が集まって、一緒に食事をすることである。

家族を大切にする中国らしい考え方ともいえる。

夫の実家に集まるのが基本で、独身なら自分の実家に集う。
この日は会社も休み。繁華街を除いてほとんどの商店が休みとなり、
祝いの宴会の食材は事前に用意して、ご馳走が料理される。

食事のまえに、服を着替えて新年を迎える心準備をする人も多い。
団園(みんな集まって丸くなる)の席は6時半とか7時にはじまり、
食事が終わると子供たちや独身の若者、子供からは親へ、赤い袋に
入れたお年玉がつぎつぎと手渡される。
「シンニェン クゥワイラ(新年おめでとう)ゴンシーファーツァイ(財産が増えますように)」
の声が交わされ、その後は麻雀やサイコロゲームの時間となる。
一年に一回、子供たちはこのときだけお金をかけて、サイコロをふれるのだから、
子供もそして大人も、大いに盛り上がる。
ちなみに、このゲームは台湾語で「シッパーラ」というが、シーパー(18)が訛った
もので、3個のサイコロを使ったことから(6の目の3倍)名づけられたというが、
現在はサイコロ4個でおこなう。
6の目が2つ出て最高点になると、「シッパーラ」の声があがる。逆に、最低の目(3)
が出ると、「ピーチー」となり、親がこれを出せば全員に掛け金と同額が配られる。

アルコールと音楽とテレビとゲームの歓声でぐるぐるとめまいがして、
気がつくと外で花火が激しく打ち鳴らされている。日付が変わるあたりに
特に打ち上げ花火(個人単位、会社単位、地区単位でやっている)が盛大になる。
ゴンシー、ゴンシーと三々五々帰路につく親族らを見送るも、この夜は
眠らずにおきていたほうが親が長生きするといわれているため、
明け方までゲームに興じる人々が多い。

今日、新年の初日、台北は冷たい雨だ。そのせいか火薬類の破裂音も少ない、
静かな正月になっている。
今日は友人たちが集まり、明日は親戚、あさっては夫人方が実家に帰るという
スケジュールで、新春休みは11日までつづく。

台湾にとって大きな歴史的転換の年となる新しい暦があけようとしている。

国民党優勢なまま、国の将来を決定する台湾総統選挙を来月に控え、
2008年の春節を明日迎えようとする台北に、僕は来ている。

台北はこのところつづく雨で湿気が高く、風の吹き抜ける夜道ではときおり悪寒を覚えるが、
東京の寒さになれた体には春先のような陽気だ。14度から11度のあいだと、
日本の春先のあの生ぬるい、そわそわとさせる空気に似て、
農暦の新春にふさわしい心の新芽が出そうな天気である。

新しい芽はこの島国でも出現の寸前にある。
テレビをつけると、総統候補の謝と馬が街角でパフォーマンスを繰り広げるシーンが多い。
馬有利でここまで来たものの、どう展開するか誰にも予想のつかない展開になりそう
なのが今回の総統選挙。新春は両陣営ともに休んでいる暇もない。

新春が自己PRの機会になる人はほかにもいて、盛大な忘年会歌合戦を開いたのは、鴻海精密工業
の郭台銘氏で、去年スター発掘番組でデビューした青年歌手二人の歌う姿がどこのニュース
チャンネルでも放映されている。
世界最大のOEM電子製品製造企業が気炎を吐くのも、今年から台湾経済の上昇機運が
予想されているからだという噂と無縁ではない。ここまで下落気味だった台湾株が、総統選挙後
にバウンスバックするとの噂に、わざわざ株を買うために帰国する海外在住者もいるほどだ。

政治の方向性は、経済の芽にどれだけ滋養を与えられるかで決められるので、
新春のあいだ、経済にかかわる人は皆この島国が乗るべき潮流から関心を離せない。

ニュース専門TVチャンネルだけでも片手で数えられないほど多い台湾では、テレビからでも
社会の空気が伝わってくる。これから団園を囲み、僕もテレビでも見ながら、大晦日の
雰囲気を味わうつもりだ。

イメージ 1

(写真は著者であり、殺人犯ではありません)

以前住んでいた台北県汐止市(台北と基隆の中間)
の裏山は、美しいものと恐ろしいものが混在する、ミステリーゾーンだった。

汐平路という道が、濃緑の峠を越えて平渓という観光地へ抜ける快適な
ワインディングとなり、つづいている。ここでは
台湾の国鳥である青い尾羽の珍しい鳥、台灣藍鵲(英名Formosan Blue Magpie)
を見かけることもあるし、渓谷や見晴らしのいいところには、お茶を飲むための
石造りのテーブルと椅子が設置され、市民の憩いの場所となっている。
また、よく整備された峠道には小さな公園もある。そうした見晴らしのいい
ところには、脱サラで移動コーヒーショップをはじめた人たちが、臨時スタバのような
サービスをおこなっている。
こうした整備されたところは、汐止市の前市長(今回、立法議員選挙で落選)が
市民サービスに熱心だったことから可能になった、すばらしい成果なのだそうだ。

東京あたりでいえば、汐止は川崎あたりの位置関係なので、川崎のすぐ裏に山脈があって、
気軽にそこへ入っていくという感じか? 大自然に囲まれたエリアだ。

風光明媚で、市民もよく足を伸ばす、自然豊かなこの裏山。
しかしそこでは、物騒な事件やはなしをよく聞くのである。
タクシー運転手による焼身自殺、他殺体を車でここにつれてきて遺棄した
というはなしもある。僕も、焼死体が一日前まであった焼け焦げた車を見たこともある。
たしかに交通量の少ない山で、野良犬もたくさん歩いている。夜の交通量はほとんどない。
「トラブルでもあって停車したら、きっと悪い人に襲われる」と、怖がる人もいる。
しかし昼間なら、と出かけてしまうのは台湾人だけではない(自分)。

戒厳令後も台湾社会がそうであるように、緊迫と安寧の共存は、
市民にとってそれほど珍しいことではないようだ。
快適にこの裏山をドライブし、平渓へ行って、炭鉱跡に入ったり、
天燈のときは小さな熱気球に願いをこめて飛ばしたりする。
また、その途中、大型バイク野郎たちが集るカフェでコーヒーを飲んだり、
足を伸ばして十分、基隆まで行き、高速で帰ったりもできる。

季節によっては、山一帯が白い雪花(油桐花− 大樹に咲く大型の花。六月雪と
呼ばれる)に染まったり、血色の山桜(原住民の恨みの血の色。。。)に埋まったりする
のを見ることができる。(写真は雪花のとき)

こんな台湾もあるんですよ。。。

台湾が2月1日から、日本人の無料観光ビザ滞在期間を、現在の1ヶ月から3ヶ月に延長すると
いう発表があった。
理由はふたつあるらしく、最近台湾への日本人観光客が頭打ちのためと、すでに二年ほど前から
日本に来る台湾人のビザなし滞在期間が3ヶ月になっていたことで、相互調整するため。

日本は北海道を中心に台湾人観光客の誘致に熱心だし、台湾もその流れにあるということだろうが、
普通の観光客にとって、3ヶ月ビザなど必要ない。

では、このビザ延長で、どんな波及効果が考えられるのだろうか。

すぐに思ったのは、台湾政府が着目している日本の引退者のことだ。
台湾政府は、これを彼らの誘致準備期間とすることを考えているのではないか。
引退者用ロングスティビザをとる前に、実際に住んでみて、こんなところかと実感する
には、今の一ヵ月よりも便利だし、三ヶ月住んで、香港とか日本とか(船で近隣島へも出られる)
フィリピンなどに出て、また戻ってくればロングスティの体験ができる。
半年、一年くらいはすぐに経つだろう。
その後、ロングスティビザをとる、というプロセスが踏めるのである。

さらに若者の長期滞在が増える可能性がある。
これまで、彼らのほとんどは語学学校に入り、学生ビザを
取得したり、いかさま語学学校に金を払って在籍するだけで、
ビザをとって、アルバイトをしていた。そんな状態の若者を同時に増やしながら(弊害助長)、
若者の長期滞在を狙った格安宿などのビジネスが生まれてくるかもしれない。

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坂野 徳隆
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