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走路有風〜 作家・坂野徳隆の書斎からの景色
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長門市の図書館がどうの、という気楽なメモを書いたが、直後何気なくその長門市出身の人物を調べていたところ、磯部浅一という226事件の首謀者で銃殺刑になった陸軍将校の名前を見つけ、驚いた。
ちょうどその人物のことを考えていたところだった。
 
明日が226事件のその日だが、そのために考えていたわけではない。
 
一ヶ月ほど前、関東大震災朝鮮人虐殺や笹川良一伝で知られるノンフィクション作家、工藤美代子の「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら」というエッセイを読んだ。そこでは、霊感のある女史が、鎌倉の川端康成邸に未亡人を訪ねたとき、未亡人から「三島由紀夫の霊が非常に哀れな姿で訪問してきた」という逸話が所蔵されていた。その三島の霊のあまりに不憫な姿(詳しくは書かれていない。首でもなかったのか?)に憐れんだ未亡人は、知り合いの僧侶に三島の供養を頼んだ。だが、僧侶は三島の霊に恐ろしいものが憑いているため、成仏させることはできなかったという。
 
川端は三島を発掘した恩人であり、死してもその家を慕って訪れる三島のことを想像するだけで、何やら眠れなくなるような、気味の悪い逸話だった。
 
死して三島にまとわりつくものとは何か……脳裏に浮かぶのは、美和明宏が自決前に三島とりついていたという226事件の磯部である。磯部は7月に処刑されるまで、獄中で手記をつづり、それが三島に大きく影響を与えた。三島は「英霊の声」を実際にとりつかれた状態で書いていたという。この獄中記で、磯部は自分が死んだら悪霊になってやる、と凄まじい決意を綴っている(これはネットで検索すれば全文が読める)。だから彼が悪霊になり、三島にとりつき、三島を死後も成仏させていないのだ、と単純に考えたら、人間は恨みを持って死ねば悪霊になれるのか、と考えてしまう。いや、そもそも悪霊とはなにか、なぜ三島は突然自殺したのかという、答えの見つからない迷宮にはまってしまうだろう。
 
三島が自決した1970年は、70年安保、日本の核不拡散国際条約締結などがあり、日本が戦勝国にしめつけられ、高度経済成長で国民が目先の豊かさに骨抜きにされていくことに三島は憤ったともいわれる。それを自衛隊を強くし(軍事的強化)昭和維新で打開したいと訴えた三島には、天皇を中心とした国の理想像があったとされるが、私もよくわからない。しかし皇道派の軍上部に騙されるようにクーデターをめざし、いいように使われて処刑されてしまった226の磯部らの理想に共感した三島は、日本をよくしようという考えにおいては、その理想の根底が磯部らと同じだったのかもしれない。
 
もしや、この三島や磯部の考えは、現在大阪あたりから盛んに聞こえてくる、平成の維新の声に似ているのではないだろうか。
 
悪霊とは、個人を呪うのではなく、大きな社会的変革、天変地異を起こすものらしい。その呪いは、地の底から轟音のように伝わり、社会を動かすのか。
 
「サムライ、バリ」を取材していたとき、終戦間際蘭印などを統括した南方軍総司令の寺内寿一は無謀なやつだな、と思ったことがある。彼は、磯部が獄中でのろっていた軍上部のひとりである。226事件で皇道派将兵を処罰する先頭に立った張本人だった。226事件の際、後に「マレーの虎」となる山下奉文は情報局トップだったが、クーデター加担を疑われて寺内らに左遷させられ、終戦間際にはフィリピンにいた。戦局はそろそろフィリピンがアメリカにやられそうな、日本敗戦が決定的だった頃である。そんなとき、海軍は台湾沖海戦勝利という虚偽の報告で、国民ばかりか同じ軍部(陸軍)をも騙していた。ルソン島にいてその虚偽の報告を疑った山下大将だが、芸者遊びに呆け海軍の虚偽報告を鵜呑みにしていた寺内元帥は、山下にレイテ移動決戦を強いるという、226事件からのダメ押しおまけつきの因縁で、最後は山下を死の崖へ突き落とした。寺内は磯部の怨念がなくても、A級戦犯で処刑されただろうが、マレーで獄中死(病死)している。226の磯部の怨念は、軍閥の自滅、天皇制の温存という結果で、達成されたことになるのだろうか。
 
ひとびとが三島の死のミステリーを思い出した頃、日本は未曾有の天変地異に襲われた。怨霊はまさか、この秋に慎太郎総理を産み、なにか我々にまったく予想のできないショウを用意しているのだろうか……。
 
ちなみに、盾の会と三島を扱った映画が今年夏に封切られる予定だという。
 
ジェロニモという19世紀後半にアメリカ先住民のアイコンだった人物の名前をつけたオペレーションに、やはり先住民から「人種差別だ!」と反発が起こった。
 
アパッチ族のリーダー、ジェフ・ハウザー氏が米国防総省に「大勢のイノセントなアメリカ人を殺したテロリストと一緒にするな」と噛みついたもので、私もオペレーション名を聞いた途端、「やはり人種差別の好きなアメリカ人らしいネーミング」と思ったほどだ。ビンラディン殺害作戦の後味の悪さは、こんな部分にもあったのだ。
 
国防総省ではなぜ符牒をジェロニモにしたのか「特に理由はない」としているらしいが、詭弁だろう。
アメリカ先住民=アメリカに抵抗した民族=アルカイダという図式に人種差別が含まれないのなら、顔をジャイケル・マクソンのように白くして、オバマはテレビの前に出てこい。「白も黒も関係ない」と歌いながら。。。
 
あるいは、現場のステルスヘリを盗んでいったという中国に、「オペレーション・パンダ」と名付けたヘリ奪回作戦を実行し、そのときはオバマ自身が白く塗った顔 (目の周りは黒いだろうから、パンダ) で行ってくれ。
 
どうであれ、ビンラディンを「闇から闇へ」葬ったオバマ・アメリカは、自ら作ったデビルマンを片づけたサタンといわれても仕方ない。
 
「外を見ればマスクもせず、子供は遊び、人々は普通に動き働き歩き、猫は寝ている(死んでいるかもしれない)」
先週16日、心配するアメリカ人知人のメールに、そう返信をして、一応横浜付近では放射能に対する恐怖は深刻ではないことを伝えた。
そして、もし自分がこの国のビジターなら、すぐに出国していただろう、とも。
すぐ近くの横須賀では米軍空母Gワシントンが逃げ出し、ネット上でも「原子力空母を日本から追い出すには、原発事故が必要だったのか」などというジョークが流れていた。原発事故はまだ津波被害に遭ったエリアの凄惨さに人々の意識が向いていたことや、情報不足もあって、深刻さは横浜まで伝わっていなかった。
 
しかしこの情報の少なさは、人為的なものであることが、今(27日)になってわかってきた。
 
Gワシントンの離港も、首都圏からのアメリカやフランス人たちの自国政府による避難も、ジョークで済ませるものではなかったのだ。笑いながら被ばくしていたのは自分たち日本人だったのだ。
 
問題は「SPEEDI(スピーディ)」である。
この冗談のような名前の放射能拡散予報システムは、名前とは逆にこの週末までひた隠しにされていた。原子力安全委員会は「風が陸向きになったから計測できるようになり発表しはじめた」というが、ではなぜ海側の拡散まで図にあるのか? 
 
 
学者たちからはすでに事故直後からSPEEDIの開示を求める声があがっていて、開示は13日ごろから可能だったといわれる。
しかし後の祭である。
 
首都圏を不気味にうごめきながら覆う放射能の「触手」は、15日から16日にかけて覆うのが、TVで放映されたSPEEDIの広域予報らしき画面に映し出された。
下は、横浜市が発表しているそのころのガンマ線の放射線濃度である。(常時の平均値は20前後)
 
         1時  2  3  4   5   朝6時 7   8    9 

 3月15日 21 21 22 22 22 103 129 46 35 47 102 125 71 - - - 48 50 50 48 48 50 46 45
 3月16日 46 42 42 56 120 150 144 141 104 87 - - - 46 41 39 39 39 39 39 39 38 38 39

 
「すばらしい」SPEEDIのアニメ画像はどこを探しても出てこない。(尖閣諸島の漁船激突ビデオのようにそのうち出てくるだろう……センゴク当時クソ長官がまた台閣復帰したことだし)
で、代わりに外国人オタの作った予報アニメをみつけた。
見にくいが、凝視すると、これでも、16日は首都圏が「触手」におおわれているのがわかる。
 
 
彼のアニメで「黄色」の部分が首都圏を覆うのは、充分にショッキングな映像だ。
15〜16日の放射線急増時、政府がSPEEDIで予報を出していたら、首都圏でも皆マスクで予防する、外出を控えるなどの対策ができたはずである。
この責任を政府はどうとるのか?
 
この一週間ほど、NHKなどは福島原発周辺の風向きをよく伝えるようになった。アホか?意味がない。日本は高度な予報技術を持ちながら、いざというときに国民に教えず、意図的に隠したとしか思えない対応をしている。SPEEDI管轄機関は「枝野長官に(情報を)上げている」という。内閣はもうつぶれていいだろう。しかし同時に確実につぶれるのは、首都圏の人々の健康である。
 
最悪の政府のときに最悪の天災に襲われた日本は、Gワシントンが黒煙をあげて横須賀から逃げていくそのケツをポカンと口を開けて見ているうちに、無能為政者と無責任国策企業によって見殺しにされてしまうのか。
 
 
 
 
 
 
 

噂では新庄さんがウブドゥにはまっているらしいが、シュピースの映画制作に名乗りをあげてもらいたい。
アグン・ライは賛成している。問題はお金です。
「夢の景色」を出すときにいろいろダウンアンダーから難癖をつけてきた方がすすめていたプロジェクトはすっかり消えたようなので、今がチャンスでしょう。
さっそく、バパッのところへ話を持っていかなければ。

バリからぐっと北へ、今、そのダウンアンダーよりも異常な国では、尖閣ビデオの問題で沸騰している。
「サムライ、バリ」がS大賞の最終候補になったとき、櫻井よしこさんは一押しで僕を推してくれたらしい。以来、彼女の本は隅々まで拝読しているが、こんなときこそ彼女の言葉が思い出される。いわく、「ハトヤマは戦後日本の教育の失敗例」。
櫻井さん、おっしゃるとおりです。ハトどころかカンも、もっと上の年のセンゴクもそうです。

時代はきびしいときの方が教育がうまくいくのでしょうか。きっと今小学生、中学生くらいの日本人は、もっと歴史認識がしっかりしていくんじゃないでしょうかね。そこらへんの地べたに座っている中学のガキどもも、しっかり地に足ならぬ尻がついているんだから、おそらく大丈夫です。カンやセンゴクよりはマシでしょう。

それに神奈川県の松沢知事、あなたも「失敗例」ではありませんね。日本にミサイルを撃ってくるヤクザ国の学校を税金で無料化しよう、なんてことを黙ってみているこの国の人々はなんなのでしょうか? ここがもしアメリカなら、デモが起こっているでしょう。

以前、忠さんのことを書いたときに「三宅島でロードレースをやるなら出たい」と言っていたと書いたが、先日会った元四輪レーサーの長谷見昌弘氏(元モトクロスワークスライダー)も同じことを言っていたので、びっくりした。しかもより熱のこもった目をして。偶然にも、両氏は同い年である。

長谷見さんといえばロードよりモトクロスだが、還暦を過ぎた今でも現役でアマチュアのエンデューロ大会へ年数回出場しているというツワモノでもある。しかもスーパーGTの監督業をしながら、である。

ロードレースの話になったのは、やはり好きな二輪レース界の低迷が気になっているからだろう。それに長谷見氏は星野同様、ギャラも高く、二輪とは違ったプロフェッショナルの世界の四輪に転向して成功し、二輪界への視線を保ち続けていたわけだから、興行面、業界のもたつき感に意見があって当然である。
熟年になって熱海に温泉ツーリングに行くことがあってから、たとえば熱海の公道をつかったレースをしてはどうか、と考えるようになったという氏。スタッフや客の宿泊で経済効果もあり、僕も同感に思ったのだが、あの熱海の景色は百歩譲ってモンテカルロを連想させるところがある(懐かしの香港レパルスベイにも似ている)。公道レースが定着すれば、まさに日本のモンテカルロ、あるいはモナコだ。

長谷見氏は二輪レースの危険性を十分承知してもいる。それを認識したうえでファンも楽しむのが本来のモータースポーツである。
以前三宅島で公道レースが実現しそうになった際、メーカーばかりかプロライダーで反対した者がいたことに、長谷見氏も苦言を呈していた。レースが包括的な意味で100%安全などありえず、もしそうしたいのなら、最初からやらないほうがいい、と僕も思う。

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