NASH Staff Blog

ドラムのエキスパート「NASH」のスタッフ・ブログ

CUSTOMIZE

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]

すっかり更新が滞ってしまいましたが、ここのところメインテナンス作業に忙殺されていました。
昨年監修させていただいた「チューニング&メインテナンスブック」の影響もあるのでしょうか、フルメインテナンス希望の機材が大量に持ち込まれています。

イメージ 1

基本的なメインテナンスの流れは、分解〜クリーンアップ〜ワックスコーティング〜グリスアップ〜組み立てといったところですが、不具合や故障箇所がある場合は併せて修復します。

メインテナンス自体は地味な作業ではありますが、ビンテージ含め、様々なメーカー、年代、モデルの楽器に触れることで日々発見があります。

そんな中、状態の悪い楽器を修復し、磨き上げた後の組み立て作業は何とも言えぬ喜びがあります。

#123.Ludwig 70's Recovering

イメージ 1

泣く子も黙るボンゾキットのカバーリングを張替えました。

実はこのキット、26"BDと14"TTは同一のキットですが、16" , 18"FTはそれぞれ別のもの。
(同じ70年代ではありますが・・・)
当然、張替え前はバラバラのフィニッシュでした。

グリーンスパークルにリカバーリングすることで生まれ変わりました。

手間のかかる作業ではありますが、その分完成時の気分には格別なものがあります。


[ NASH / I ]

#117.Resize Cymbal

イメージ 1

一見、普通のハイハット・シンバルのようですが、実はひび割れた部分をカットしたリサイズ・シンバルです。
画像のとおり表示は、PAISTE 2002/Sound Edge Hi-Hat Top 15"となっていますが、エッジ部分に2cm程度のひび割れが生じていたため、1"削り取り14"としました。
リサイズ加工したシンバルのほとんどがそうなるように、このシンバルも通常の14"のシンバルに比べるとややローピッチになっています。
これはエッジ部分が通常より厚くなることが原因だと思いますが、ハイハット・シンバルとして充分に使える音色です。

イメージ 2

こちらは、PAISTE 2002/CHINA 20"を同様にリサイズしたもの。
ひび割れがレイジングに沿ってボウの真ん中付近に生じてしまったため、CHINA特有の反り返り部分も全く残せませんでした。
しかし、このモデル特有の円柱形のカップから面白い音になるのでは?と思い、13 3/4"にカットしました。
予想は的中し、反り返り部分が失われているにもかかわらず、チャイニーズサウンドを感じさせる他にはないイフェクトシンバルになりました。

イメージ 3

ふとした思いつきでこの2枚をハイハット・シンバルとして組み合わせてみました。
同じ日に加工し、たまたま同じ位のサイズだったので思いついただけだったのですが、これが絶妙のマッチングだったのです。

14"とは思えないローピッチでファンキーなオープンサウンドです。
また、ボトムシンバルが直径にして約6mm小さいため、クローズドサウンドも極めてタイトです。

試奏していたところ、隣の部屋にいたスタッフが「そのハイハットは何ですか?」と覗きに来たほどです。


お気に入りのシンバルが割れてしまうとかなりショックですが、エッジ部分であればひび割れが進む前にリサイズすることで音色の変化を最少限に留めて再び使用可能になります。
また、今回のチャイナシンバルのように大幅にダウンサイジングしても面白いサウンドになる場合があります。
もちろん、結果が思わしくない場合もありますが・・・。

この一か八かの賭けこそがカスタマイズの醍醐味とも言えます。


[ NASH / I ]

#115.バケツ?ドラム?

今回のカスタマイズ・オーダーは、なんと「バケツでドラムが作れないか?」というもの。
コンサートの中で小道具としての使用とのことですが、一応叩いて音も拾いたいということで「楽器」としてもある程度の完成度を求められました。

まずは素材となるバケツの調達ですが、既存のドラムヘッドを使用(12" or 13")するためジャストサイズでなくてはなりません。
雑貨店、ガーデニング用品店などを巡りつつ、ネットで探し当てたのがこのバケツ。

イメージ 1

よくあるブリキのバケツですが、口径が30cmということで12"のヘッドがジャストフィットし、底部にかけての絞りも少ないためラグの取付けにも好都合です。

イメージ 2

このままではヘッド及びフープが装着できないため、持ち手の接合部分を取り外します。

イメージ 3

ラグ取付け用に穴あけ。

イメージ 4

ラグを取付け。
何分シェルが薄く歪みやすいため、小さめのTAMA Star Classic用ラグをチョイスしました。
底部にかけての絞りのため、テンションボルトがななめに入ることから、ガスケットを数枚挟みラグの高さと向きを調整しました。

イメージ 5

ヘッドとフープを仮に装着してみます。
かなり楽器らしくなってきました。

イメージ 6

最初に取り外した持ち手の接合金具をフープのアールに合わせて叩き曲げます。

イメージ 7

フープに穴あけし、持ち手を取付けます。
やはりこれがないとバケツに見えません。

イメージ 8

ひとまず完成!
問題は「音色」です。

イメージ 9

現状打面はドラムヘッドですが、ボトムに相当するのはブリキの底部です。
ローピッチに張ったヘッドの「ボン!」というアタックに続いて残るサスティーンはブリキの「バョ〜ン」という音。
なかなか面白い音です。
逆にブリキの底部をマレットで叩くとよりブリキらしいアタックに対しヘッドが共鳴し、これも捨て難い音色です。

しかし、クライアントの希望はある程度ドラム的なもののため、底部に穴を空けシングルヘッドにすることにします。

ところが、底部をすべて抜いてしまうと素材が薄いことから、強度が保てなくなる恐れがあります。
エッジ周辺を残し円形にくり抜くと折り返しを作るのが難しい(折り返さないと切り口の強度が低く、また手などを切ってしまう危険もあるため)こともあり、思案した結果・・・。

イメージ 10

六角形にカットしてみました。
折り返し部分も完全に折り返すと折れてしまうため、浅い角度で曲げ、切り口をヤスリで丸く仕上げました。

シェル自体がブリキでなおかつ底部のエッジ周辺部を残したため、ブリキ的な音色は多少残るものの、ドラムの音にかなり近づきました。


なかなかの難題でしたが、楽しいカスタマイズでした。


[ NASH / I ]

#108.26"BD 浅胴加工

イメージ 1

上の画像は、90年代と思われるLudwig / 26"x16" Bass Drum

今回の依頼は、シェルの深さ16"を14"に浅胴加工して欲しいというもの。
早速、採寸してみたところ14"ジャストにカットした場合、カットラインが現在のラグ取付け穴と近接することが判明。
シェル及びエッジの強度を考慮すると、穴埋めするとはいえ最低でも10mm程度の余裕が必要のため、サイズを再考していただき、深さ14.5"に決定

イメージ 2

まずはパーツをすべて取り外します。
ここで新たな問題発生!
レッドスパークルのカバリングが予想以上に歪んでいたのです。
カバリングの継ぎ目から10数mm収縮していることは確認済みでしたが、ラグを外したところ取付け穴周辺がそれにより引っ張られて歪み盛り上がっていました。
これでは作業以前に正確な採寸にも支障をきたすため、まずはカバリングの補修を行うことにしました。
めくれ上がっている部分をラグに隠れる範囲内で切除し、継ぎ目の歪みと剥がれは接着し直しました。

イメージ 3

改めて採寸し、まずはカバリングをカット
シェルカット分にエッジ加工時に必要になる10数mmを加えてカットしています。

イメージ 4

シェルを1.5"カット
この段階でフロント側より加工する打面側のカバリング切り取り幅が大きくなっていることがわかりますが、これは上記のとおりエッジ加工時に使用するルーターの刃のガイドローラーが当たる位置を計算に入れているためです。

イメージ 5

ラグを移動するにあたり不要になった既存のラグ取付け穴をパテ埋めします。
上の穴を見るとわかるとおり、強くボルトを締めていたせいかワッシャーの形にシェルが凹んでいます。
ここもガイドローラーが当たる位置のため、出来るだけ平たく凹凸が無いように成型します。
ここに凹凸があると、エッジ加工にも歪みが生じてしまうため慎重に作業を進めます。

イメージ 6

シェルを浅くすると同時に、「アタックが丸くふくよかで胴鳴り感の豊かな音色に」という要望があったので、外側ラウンド/内側30°のハーフラウンドに加工し、エッジトップを手作業で丸く仕上げました。
その結果、フルラウンドに近い仕上がりになりました。


パーツ/ヘッドを取付け完成!

イメージ 7 イメージ 8

Before ⇔ After

ご覧のとおりシェルが浅くなったことがおわかりいただけることと思います。

肝心のサウンドも以前より太く丸くなったように感じます。


以下、依頼者から感想をいただきましたので紹介します。(抜粋)

「生音の印象としてはやはり深さが減った分、以前より音にまとまりが出たと思います。
 音の暴れが少なくなり、ラウンドエッジ化の効果か太さは以前より出ている印象です。
 あとはやはり浅くなった分、ドアや階段での持ち運びが楽になりました。
 浅胴化したかった理由の半分はそれですので(笑)。」


今回は、浅胴加工エッジの再加工が相互に作用し、好結果が得られたようです。


[ NASH / I ]

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事