童話/ペルガリッサ市奇談

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第1章 新国

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遠い過去からやってきたある老人の回想録。
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回想/丸もの文化

ペルガリッサ市奇談503

新国の特徴のひとつに「丸もの文化」があります。
丸く収めるためとか、丸くなるとか、とかく丸が好きなんです。
日本の座布団は角型ですが新国は丸型。
豆腐も日本は角型ですが新国はまげわっぱに入れて売ってるんで丸。
国の木が竹だからとかもいいます。
新国人は竹馬好き。
だから足跡も丸。
お膳も丸、皿も丸、ちゃぶ台も丸。
水筒は竹筒、弁当箱も竹筒。
新国では昔から水車を動力に使ったろくろによる円盤加工が行われていました。
木の板を丸く削るのです。
これを車輪に使ったりギヤやカムに使ったり。
荷車も発達してました。

新国では家も丸型。
雨が多く笠文化が発達したためだとも言われています。
一般の傘からより大きな大傘へ。
さらに直径が10mもあるような大笠へ。
大きな傘は支えられませんから地面に支柱を建てそこに大きな木製の笠を乗せたのです。
周りを囲えばそれが家になったのです。
昔は組み立て式が一般的でしたが、定住するようになると丸い家として作ったのです。
雨の多い新国では日本式の和傘、紙製の傘は役に立たず、竹製木製の笠が基本。
直径70cmくらいの笠をかぶったのです。
これも大笠と呼ぶ。
晴の日は小型の笠をかぶったりします。
それでもいつ降るかわからないので背中に大笠を背負っているんです。
濡れるのを嫌う新国では笠のしずくも嫌い、傘、笠には折り返しが付いていてパイプを接続して
足元に流すようになっています。
歩いている人を後ろから見ると丸。
亀の国、亀の人々とも言われます。

回想3

ペルガリッサ市奇談502

新国の特徴その2
新国は行姫が作った国です。
行姫が作った仮想空間にあります。
よく言われている話で17Gの話があります。
この新国が17Gにあると言うのです。
あるマンションの17階Gフロアという意味です。

新国には太陽がありません。
月も星も。昼も夜も。時間も。
毎日が曇天で雨降り。昼も夜も無い。時間がないのです。
一日が永遠に続いているのです。

しかし日本からやって来た人々にはそんな生活できません。
気が狂ってしまったのです。

やがて照明空調を整備して人工的に昼、夜、時間を作ったのです。
気象も。
それで日本の時間や暦を使っているのです。
日本の時間や暦に合わせたのです。
気候も。天気も。

回想2

ペルガリッサ市奇談501

新国の大きな特徴。
日本との最大の違いはやはり行姫現神と言う事でしょう。
行姫(ゆきひめ)という神が現れているという意味です。
日本、世界にはたくさんの宗教がありそれぞれの神がいます。
でも神が現れているということは無いでしょう。

この仮想空間も仮想の国も行姫が作った物です。
わたしたちはそこで生活しているということです。
行姫が何者なのかはわかりません。
おそらく人間では無いでしょう。
何千年と生きているわけですから。

行姫自体には実態は無いとも言われます。
何千年と生きているわけですから。
だから人間の代官を置いています。
わたしたちが行姫と言う場合、一般的にこの代官を指します。
いわゆるお代官様ですね。
代官は若い女性から選ばれます。
いわゆるミス新国ですね。
当然任期があります。
最長で10年。

新国の首都は長浜です。
行姫はその長浜の琵琶湖に浮かぶ円形城に住んでいます。
円形の島に中心に沿って円形の城が建っています。
城まで桟橋で渡ります。
行姫が城から出ることはありません。

新国自体が日本そっくりに作られています。
勿論ここで言うのはその地図上の形です。
意図的に日本に合わせてあります。
地名も日本のものをそのまま使用しています。
元々日本人を住まわせるために企画されているのです。
人間が鳥の為に巣箱を作るように。
ですからまんまと日本人たちがやって来て住み始めたのです。

後から強引に作った国です。
何千何百年も大雨を降らせて日本風に仕上げたのです。
勿論同じになるはずはありません。
新しく作った国なので新国と呼ばれているのです。

大雨がやんで人間が住めるようになったのは最近のことなのです。
昔は一年中雨ばかりで死ぬ人が続出。
死の国、悪魔の国と呼ばれていました。
人々は大変なところに迷い込んでしまったと嘆いたのです。
でももう帰れません。

新国の歴史はぶつ切りなのです。
その時代時代で人間が絶えたと言う事です。
人間がいなくなった大地にはまた日本人がやって来たのです。
その繰り返しです。
だから人口が増えすぎると言う事が無いのです。
新国の人口は37万人と言われています。
日本と同じ大地に37万人しかいないんだからがら空きです。

回想1

ペルガリッサ市奇談500

昭和20年暮れ。
わたしは日本から夢の国、新国にやって来ました。
5歳でした。
わたしの言葉に関西弁があると言う事で、関西出身だと思われます。
大阪だか神戸だか。
戦争で被災し親家族を失い、孤児となり町を彷徨い、住むところも無く食べる物も無く。
終戦直後もどうやって生きてきたのか。
全く記憶がないのです。
気がついたら新国にいました。

このときに1000人の友人たちが一緒に新国にやって来たわけです。
わたしは最年少でしたから記憶に無いんですが。
わたしよりも年上の人達は断片的にでも憶えていました。
やはり関西弁の友人などは、新国の調査員(年配の男性だったと)に連れられて電車に乗り。
いくつも乗り継いで京都だかに集合。
さらに敦賀までいったと。
どこかの大きな駅で専用列車に乗ったと言う事でした。
その列車には子供ばかりが乗っていて、西日本各地で集められた日本人孤児1000人が乗っていた
ということです。

列車は真っ暗な夜の闇の中を北上して行きました。
孤児たちは疲れと列車の揺れでぐっすりと眠りについて。
気がつくと真っ暗な駅に停車していたということです。
駅名票を確認すると「佐渡」と。
そこは佐渡だったのです。
また列車は走り出し、朝を向かえ、晦日の早朝。
わたしたちは新国の首都「長浜」に到着したのです。
朝の長浜駅で新国の人々に迎えられました。
当時の新国人たちは着物姿にちょんまげで、わたしたちは驚き、
”江戸時代に来てしまった。”と騒いだものです。

迎えてくれた新国の人々はやさしく、
”衣食住を保障する。日本が落ち着くまでここにいろ。”と言ってくれました。
わたしたちは集団で学校に住むことになりました。
そこで先着していた4000人と合流しました。
専用列車は計5回、5000人を昭和20年度中に新国に運びました。

当初予定では50000人を受け入れるということでしたが。
初めて見る大量の日本人の子供に新国人たちに動揺が広がり、結局これで中止。
後にわたしたちの間に日本に残った孤児の人達に対する申し訳ない気持ちが生まれました。
でもわたしたちにもどうすることもできません。

新国では衣食住、教育が保障されていて何不自由なく暮らすことが出来ました。
一度も戦争したことない国、新国では平和そのもの。
この国には悲しみも悲惨もありませんでした。
資本主義社会ではないので金がなくても平気に暮らせます。

新国が実際に存在するのか、それはわかりません。
今だに確認されない以上、存在しないんでしょう。
こちらでも未確認国と呼ばれています。
仮想空間に存在する仮想の国。
それが新国です。

第12話 闘争/終了

ペルガリッサ市奇談72

わたしたちの闘争。終了。
わたしたちは毎回、行姫に謁見し直訴した。
昭和38年、正式に新国籍が認められた。
全員が新国人として認められ、残ることができた。
闘争は終了した。

当時の新国の状況変化が大きくものをいった。
行姫が新国家体制への移行を提案した。
数年のちに新しい新国家体制を確立する必要が出来た。
10年くらいを目途にした。

闘争している場合ではない。
新しい人材、優秀な人材を必要としていた。
わたしたちを追放してしまう訳にはいかなくなった。
そういうつもりもなかったが。

当時、新国政府はほとんど機能していなかった。
初めから必要としていなかった。
弊害が目立つようになっていた。
だからもう少し機能的な都市国家体制に移行しようと研究していた。

ps/これで第1章 新国編は終了です。
長い間ありがとうございました。
次回から第2章ペルガリッサ市編が始まります。

同時進行で第3章 想い-警告編も開始します。
こちらはページ番号、200から開始します。
お楽しみにお待ちください。

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