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女の本

「長女の社会学」という副題に惹かれて、「鶴見和子を語る」(藤原書店)を読みました。
上智大学で教鞭をとっておられた頃、いつでも着物を召していらっしゃるお姿に憧憬のまなざしを送っていたものです。
脳梗塞で倒れられてからの10年の間の歌の数々に込められた魂に強く魅力を感じます。もちろん、弟、鶴見俊輔の言うように、倒れる前の1本筋の通った人生、そして倒れた後のますます磨かれた精神に触れることは大きな喜びでした。
   
  老い先の短きことをこの上なき仕合せと思う国のありよう
  ナースコール押せどもならず俊寛の孤島を思う暗夜のベッド
  死ぬ前にも一度食まんと念じたる道喜の粽今日ぞ給いぬ
  このままに意識薄れて死にゆけばうれしからんと思う日もあり


この本の中で鶴見俊輔が語っていた中村きい子の「女と刀」、そして志賀かう子の"「祖母、わたしの明治」"が気になり、中古本でゲット。

「女と刀」は凄まじい生き方をした薩摩の明治の女の話。 強すぎてついていけない、と何度もつぶやきながらも、読み終わった後に深い感動を覚えました。 知識として知っていたはずの明治の日本が一人の女の視点から書かれたものによって、生々しく蘇り、私達が当たり前に人間は平等、男女同権と信じて暮らしていられる現代日本をどんな強い精神をもって先人たちは作ってきたのか、そして、今私達は何を失ってしまったのか、を考えざるを得ない気持ちになりました。

志賀かう子の本は今、読んでいる最中ですが、「女と刀」とはまた違う明治の女性、強さだけではなく、たおやかさを感じています。
そしてやはり、今私達失っているのではないか、と思う事柄がたくさん詰まっています。

例えば「たしなみ」

「たぶん、むかしの人が考えたたしなみとは、ひと様に不快な思いを与えぬために自分を鍛えることだったのだろう。」
「むうかし、たしなみであるとしたものには床しいものがどこかに匂っていた。しかも凛呼とした姿を持っていた。」

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私の好きな作家の一人、堀江敏幸さんの「本の音」の中にはたくさんの素敵な本が紹介されています。その中で紹介されていた本を何冊も読んでみましたがその中の1冊です。
杉本秀太郎さんの文は、とても不思議な魅力を持つ言葉で綴られていて、その書かれている内容とあいまって引き込まれていきます。
「音沙汰」の中の1章「ハイドンの午後」を読んで不思議な偶然を感じました。

とある午後、杉本氏がコンサートに出かけたときの会場が、戦前の美術商、山中商会の建物だったところ。私はつい先日、その山中商会の事を書いた朽木ゆりこさんの「ハウス・オブ・ヤマナカ」を読んだばかり。

その日、旧来の友人が奏でたピアノソナタは杉本氏のもっとも親密になった音楽であり、そこで筆者、杉本氏が思い出すのは小林秀雄の「モオツアルト」。その中で小林秀雄はハイドンとモーツァアルトを聴き比べてハイドンには「何かしら大切なものが書けた人間を感ずる。外的な虚飾を平気で楽しんでいる空虚な人の好さといったものを感ずる」と書いており、杉本氏は逆ではないか、と思うようになる。そして小林秀雄の自惚れ鏡に気付くようになったという。
私はこの本の前に、出口裕弘さんの書いた「辰野隆 日仏の円形劇場」を読んだばかりで、その中でも辰野隆の一番弟子である小林秀雄の事がかかれており、こちらは悪くは言っていませんが、飄々とした大人の辰野隆が、秀才の小林秀雄のランボーについての卒業論文は優れていたが、口頭試問ではフランス語がからきしわからず何も答えられず、最後に「卒業させてください!」と睨んだ小林秀雄の目で及第させてしまった、という逸話を思い出したものです。

そして極めつけは、この文と杉本氏が書いたのは1997年12月21日の日のことで、私がこの文を読んだのが昨日、12月21日なのですよね。

このような偶然は時々あるものですが、何だか不思議な因縁のようなものも感じました。

美しいこと

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相変らず乱読しています。
今朝、読み終わったのは赤木明登さんという塗師の方が書いた、エッセイ集といったらいいのかしら、15人のものつくる人との対話の物語集です。
「美しいこと」 新潮社

その中で心に残った言葉

「人が何かと出会い、心をふるわせたときに、時間が始まり、ものが生まれてくる。確かに出会いは、すべての人に平等に訪れている。だけど、多くの人が、いま大切なものとであっていることにすら気がつかないで通り過ぎてしまうのだ。」

「美しいものとは、その人の内側にある精神がきちんと現れたものです。」

「弟子とは、何かを教わる者ではない、小さな自己を捨てる者なのだ。」

「いい形には、それをいい形にしている具体的な何かが必ずある。何かをいい形だと感じたら、その必然性を具体的に見つけ出すのがプロの仕事だ。(中略)細部のすべてとそれらを統一する全体において、徹底的な追求が無いと、どうしてもあまい形になってしまうから。そして、さらに難しいのは、意識しようがしまいが、計算と作為と技術に満ちながら、それを見る人、使う人に微塵も感じさせてはならない。」


そして、その前に読んでいたのが、好きな作家の一人、堀江敏幸さんの「本の音」

相変らず、多読の毎日です。
3.11以降、落ち着かない心を抱いて、仕事の方もなかなか思うように行かずにいる今、本を読むことは狭い自分を広くし、また深くしてくれます。

今朝、電車の中で読み始めた幸田 文さんの「季節のかたみ」
ページをめくるたびに心に残る言葉がありました。

「みずばち」 昔の田舎は、水はとても貴重なものだった。水を粗末にすると今に「水罰」が当たって水に不自由するよ、と言われたそうです。 東京に出てきて節水を怠る自分を思い、しんみりしながら文さんは思います。 『言葉が消えたとき心も消え、言葉と心が消えたあと、じわじわと水罰が当たるかなあ』と。    私は思うのです。3.11のことも忘れてはいけない。言葉にしていなければならない。

「雫」    二月の裸の百日紅に光る雫に気持ちを休める病床の若い女性を見て、文さんは『二月はものがしいんと、打ち静まる月』と言います。そして『一年は十二月のあつまり・・・各月各様の特徴がある。一年に一度しかまわってこないその特徴。六十年の人生ならたった六十回しか経験できないその一ヶ月一ヶ月、おろそかに行き過ぎないで』と書きます。
2011年の5月が、私がこの先何年生きるかわからないけれど、ほんの数十回しかこない5月の一つだなんて、今までこんなふうに考えた事がなかった。 5月の爽やかさを大切に過ごそう。

「たたみ」  例えば九月。事が多くて慌しく、引きずり回されてしまう月。と文さんは言います。
そんな月だからこそ九月を上手に暮せばいい。  『ものにまどわされないでいるとき、人は素直でやさしくて、たのしいし、情緒も心も養われる。』

まだ半分も読んでいないのに、一言一言が心にしみて・・・

3.11以降、1日の3分の一が仕事。3分の一がこの大災害において私に何が出来るかを考え実行すること。そして3分の一が家族のこと。みたいな生活を送っています。

この時期に偶然読んだ本が三浦綾子著「泥流地帯」「続泥流地帯」他彼女の著作。そしてお友達に借りた上智大学元学長のヨゼフ・ピタウ神父様の「愛ある生き方」

未曾有の大災害を経験して、国民の多くの人たちが、この本に書かれていることを自然に考え、実行しているように思いました。

例えば神父の仰る「捧げる心、思いやる心、微笑む心」の大切さ。

今回のような大きな大きな試練を前にすると、私は今何をすべきなのかという事を考えてしまいます。
神父は「自分は何者なのか。何のために生まれてきて、何を目標に生きるのか。その目標のためにどう行動すべきなのか。」という事を考えよ、と仰います。

自分の出来る事を、今苦しんでいる人たちの事を思いながら行動に移す、という事を多くの心ある人たちが今実際にしていると思います。

日本の多くの人が、いえ、世界中の多くの人たちが心から被災された方たちの事を思い、物心両面で支援していることは、神父の言う『全人類が一つの家族である』ことにほかなりません。

「人間一人ひとりの尊厳を大切にすることで、これができて初めて、心が寄り添い合い、助け合う人間関係になるのです」
この言葉を忘れずに、行動していけば、きっと私達はこの試練を乗り越え、新たな社会を作り出すことが出来るでしょう。
そうしなければならないと思います。
それができれば、核の問題をはらむ原発の問題も将来的にはよりよい解決に向かうことでしょう。
人間を大切にする平和な社会に向かうことが出来ると思います。

今、私は何を見ても、何を読んでも、この震災のことに関連付けてしまいます。
そのくらい、このことは人間の本質を、あるいは社会のあり方を根底から考えさせる大きなことなのだと思うのです。

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