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見なくていいもの
聞かなくていいもの
知らなくていいもの
見てしまう
意識の端っこで
聞いてしまう
微振動を手繰って
知ってしまう
意にそぐわぬ経路で
そこには
悪意も他意もないだろう
けど
何かしらあるんだろうと
思ってしまう あたしは
着飾っても 素っ裸でも
穢れて汚い
襟首つかまれて
締め上げられて
殺される寸前のあたしが
一番素直で キレイだった
逃げ口上の巧い肉の塊が飲む
真っ黒なアイスコーヒーが
毒物にしか見えなくなった夏
あたしは
血がにじむほど 体を洗う
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30分ほどの距離なのに
ひとつ隣の街なのに
どこに居るのか
なにしてるのか
知られてはならぬとばかり
平静と平安を装って
どうだ
私は こんなにも大人なのだよ
なんて
対照に映る女に向かって
ポーズしたり
ちょっと遠くに置いたケータイが
どこまでも気にはなるが
あんな小道具に頼ってる人間はちっせぇ
なんて
鼻先で 三度笑ったり
彼のことで 頭がいっぱい
彼女のことで 頭がいっぱい
それでいいさ
そりゃあ そうさ
それがいいさ
毎日逢って
毎日キスして
毎日抱いて
毎日抱かれて
仕返しに
いっこ命令してみた
海に向かって叫んでみろ
私のことが大好きだって
大声で叫んでみろ
って
『 他の人に 変な目で見られた 』
3時間の距離なのに
4つも隣の街なのに
彼は ここに居る
彼女を 愛してる
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大層なタイトルを掲げてはいるが
その実 病に臥しただけであって
ただ それが
思いの外 長く
思いの外 重いだけであって
いや それが
寝起きを妨げ 起立を乱し
日常生活を狂わせているだけであって
それほど どうってことはない
仕事は出来ていない
会社には行けていない
どうってことはない
ひにちぐすりの効果は
今のところ まだ無い
ようだが
負けず嫌いなカラダは
10日間寝たきりでも まだ眠りを欲しがる肉体に
見切りを付け
ぐるぐる回る景色の中へ
均衡と陽光を求めて
ぬるりと這い出でた
水分の抜けた指を折って
過去の過ちなんぞを数えてみる
あれか
これか
もしかしたら
この沼が 深ければ
いっそ
底など無ければ
と 手を合わす
代わりの花芽が
どこぞで芽吹く
そう 乞いて
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落ちそうになった。
線引きの出来ない あやふやなゾーンへ
転げ落ちそうになった。
皆の衆が バカ騒ぎしてる最中
そこまでアガれない自分を どこか諦観しながらも
はしゃげるヤツらを 一段高いところで見下ろし
「 純粋無垢 」 という括りに 集約することで
大方 満足したのだろう、
年に一度しか訪れない お祭り的更新行事を
振り返って 時計を見ることさえ億劫になっていた私は
睡魔 という ブラックホール に拠って
またも 黒く塗り潰してしまうところだった。
素肌に触れた 生成り色の毛布が
妙に温かく
妙に切なかった。
心臓じゃない場所で 脈が打つ。
そして 脈は
ふたつになる。
730日前にも感じた
それは
痛いくらいの脈搏。
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久しぶりに ファインダーを覗いた
友人から譲り受けたコンデジに
いつの間にか飼い馴らされていたようで
使い込んで使い込んで
自分の「視神経」と 違 (たが) わぬとまで思っていた
LUMIXを 今夜は持て余してしまった
月光に照らされながら 小さく失笑
ベランダで 長月に遊ばれながら
だが程無く 肢体を脅かすほどの冷気に痺れ
部屋へ逃げ込んだ
暖かさと冷たさの 丁度真ん中辺りに座り
利便という 一番嫌いな分野に浸かり込んでいた自分を
哀れに思い また
少なからず 同情した
デカくて 重くて 嵩(かさ)張って
プロでもないのに んなもん持って
なんなんだ
どうなんだ
ああ だけど
思い出してしまったよ
初パートの初任給1ヶ月分を 丸々はたいて買った
こいつは 素敵滅法 大事なカメラ
大切な相棒なのだ
そう それを
地球唯一の衛星が 今夜
中秋の名月となって
ファインダーの遥か 38万キロ向こうから
やんわりと 気付かせてくれた
うん
やっぱ こいつだ
こいつが いい
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