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〜春過ぎて 夏来るらし 白妙の 衣干したり 天香具山〜

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一目女/辻仁成/2007

親戚の結婚式に出席するためドレス一式を買い揃えて、気分高揚☆
そのお直しの合間に、、、、
とうとう読み終わりました!!!!
『竜馬がゆく』、、長かったけど、相当面白かったぁ!!!!!
このレヴューは長くなりそうなので日をあらためて。

今日は、登場人物繋がりで、陸奥宗光の孫イアン・陸奥陽之助と、母芳枝との不倫現場を少女の頃目撃し、男女のことを学んだ飯野晴子のこと。(強引すぎ)

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買った当初は読んでいなかった、去年のヴァンサンカン6月号のエッセー。
ぱらぱらめくっていい出会い☆
『一目女』辻仁成で飯野さんのことを知りました。


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彼女は伝説の広告マン。
ビッグママという愛称!から人柄がしのばれます。
経歴が信じられない。
華族の血をひく学習院育ち、世間知らずで遊びまくっていた超お嬢様なんですが、、
離婚をし、子供をひきとって育てるために働き始めます。
でも35になるまで、働いた経験はゼロ。
そんな彼女が広告業界に飛び込み大きな仕事を不思議に次々と成功させてしまう。
本人は気にされていないのですが、左手に重篤なポリオの後遺症を抱えています。。。
10歳年下の男性と結婚し、また離婚。。。

むしろお嬢様だからなのか?!
彼女の意外なドスの効いたしたたかさ、アタマの良さ、働かせ方、運の呼び込み方!!!、
明るく大きく、常に徹底的に前向きな人です!

彼女の言葉 ながーいです。

「プレゼンでは必ず勝っていた。プレゼンの準備をしていると、その情報を持った人間が不意に現れたり、自分の会社にライバル会社で同じプレゼンをしていた人間が転職してきたり、とか、とにかく、勝つためのあらゆる風が吹きまくった」

「確かに私は運がいい。でもあるとき、運がよくなるための生き方というものが、分かってきたの」

「一日を精一杯生きるのよ」

「昨日のことはもうくよくよ考えない。明日のことだってまだ起こっていないのだから考えない。今日を、今という瞬間だけを、とにかく一生懸命生きるとき、運というものはやってくる」

「あ、それから、今日一日のこと、寝る前に必ず神様に感謝しなさいね。感謝することが大事。どんな日であっても感謝するともっとよい。」

「苦労するのも、まあ為にはなるんでしょうが、私はそのとき、三十九歳だった。スタートが普通の人よりも十五、六年は遅いわけでしょ。今さら苦労から始めるわけにはいかないもの。経験不足をカヴァーするためには、自分よりもずっと年下の男の子たちから学ぶほうが手っ取り早いと思ったの。」

「それは、簡単だった。ママと呼ばせたのよ。四十歳の私に向かって、三十歳くらいの子たちが、飯野ママと言うの。お母さんていう存在は誰もが知るとおり全人類にとって尊いもの、尊敬の対象で、神々しいものでしょ。彼らにわたしのことをママと呼ばせることで、わたしは自然、彼らの上になった。分かる?この原理。」

「ママと親しみを込めて呼んでくれた。同時に私は十歳年下の子たちから、仕事の仕方を盗むことになるのよ。」

「大事な戦略があった。それはね、絶対に色気で仕事はしない、ということ。化粧もばっちり。髪の毛だって毎日カールして出かけたけど、外見は女でも中身は完全百パーセント男として働くことを心がけた。鉄則よ。男のように考え、男のようにクライアントと向き合った。泣いたり、いじけたり、もぞもぞして見せたことは一度もない。電話も短かった。判断は瞬時でしたものよ」

女性ばかりの現場に引き抜かれてから
「みんなママになる資格のある人たちだからさ、ママ作戦があまり効力を発揮しないのよ。本当に仕事の出来る女達のプロ集団なんだもの。わたしの気持ちがぴしっとなったわ。いい?電通アイにはわたしよりもずっと若いのに、すでに男の思考で仕事の出来る女の子たちがごまんといたのよ。しかもほとんどが独身だった。出来る連中だから、そんじょそこらの男たちとはばかばかしくてやってられないのね。女の身体で男の心を持つ女たちのプロ集団。わたしはちょっと興奮したわね。凄いところだなって。だってわたしのようなのがごろごろいるんだもの。半端なことで太刀打ちできない。でもね、私はママ作戦を続けることにした。男であろうが、女であろうが、ママはママでしょ?人間であればみんなママのことは尊敬できる。どんなに超プロ集団であろうと、母親に甘えたい気持ちは誰もが持っている。」

何年か前、初めて障害者手帳のことを知る。すべてを見抜いているはずの神様なのだから、神様が私をポリオにしたのだという。。
「私がばんばん稼いでいたときには容赦なく徴税された。働けるのだから、払いなさい、ということでしょうね。でも、私が年をとって離婚して一人になったとたん、今度は、君はもういいって障害者手帳を与えてくれたのよ。もしも最初から障害者手帳なんてものを持っていたら、私は障害者であることを自覚しすぎて、今のような思考では生きられなかったかも。私全然自分がハンデキャップを背負ってるだなんて思わなかったから、テニスも日本舞踊も運転も恋愛も出産も仕事も何でもこなすことができた。つまり、ポリオが私にいろいろなことを教えてくれて、与えてくれて、花開かせてくれたって事よね?いったいあなた、こんなすごい芸当、神様以外に誰ができると言うの?」

逆転の発想。
人のせいにしないこと。
昨日読んだ茨木さんの詩と通じてる!

生きることって、これほど豊かで、これほど逞しいことで、これほどさり気ないことなのだ、と知ることができた。労苦など、むしろ人生を楽しむための道具に過ぎないように思えてくる。辻仁成

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