さむらい行政書士 庭山行政書士事務所

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造り続けよ!世界に誇る日本の掃海艇

世界遺産級の技術を絶やしてはいけない

2010.10.22(Fri)  桜林 美佐
 
 この10月、海上自衛隊で2隻の艦艇が進水・命名式を迎えることになった。
 
 1隻は2007年度計画・護衛艦「あきづき」(造船所は三菱重工業 長崎造船所)。もう1隻は2008年度計画・中型掃海艇(造船所はユニバーサル造船 京浜事業所、名称は10月25日に公開)である。
 進水したこれらの艦艇は、この後1〜2年ほどかけて艤装をし、就役することになる。

ペルシャ湾で成果を挙げた木造の掃海艇

 私は、かつて自著『海をひらく 知られざる掃海部隊』の取材のため掃海艇建造の過程を追い、最後の木造掃海艇の進水式に立ち会ったことがある。
 
 居並ぶ海上自衛官が敬礼する中、わが子の第一歩を見送る造船関係者の視線を浴びて、行進曲「軍艦」のメロディーとともに船台を滑り、波打つ海上に放たれる姿は初々しく、非常に感動的であった。
 
 「掃海艇が木造?」と驚く方もあるかもしれないが、機雷の除去をするためには磁気がご法度だ。そのため、わが国の掃海艇はずっと木で造られていた。
 
 木造船を使用していたのは日本のみであり、まさに船大工の技が生かされていた。そこには熟練のカンや経験が不可欠の、極めて高度な技術が用いられていたのだ。
 
 日本で初めての海外派遣先であったペルシャ湾には、この500トン前後の小さな木造の掃海艇4隻(補給艦、掃海母艦を加えて計6隻)で赴いた。
 
 建造時には想定されていなかった長い航海を経て、過酷な気候条件下にもかかわらず無事に役目を果たしたことは、日本の掃海部隊の練度の高さのみならず、掃海艇建造技術の高さも世界に知らしめることになった。
 
 海上自衛隊幹部は、「この小さな木造の掃海艇で、片道1万3000キロもの航海をしてペルシャ湾まで行き、成果を挙げたのは誇らしいことです」と胸を張っていた。
 
 グレーに色を塗ってしまうと他の護衛艦と見分けがつかないが、中に入ると木の良い香りが満ちていて、「ここは木造艇の中なんだ」と実感する。
 
 特に、横須賀基地に配備されている1000トンの「やえやま」型掃海艦は世界最大の木造船であり、関係者から「世界遺産にも匹敵する。もっと日本の技術の素晴らしさをPRしてもいいのではないか」という声も出ていた。

FRP艇は2010年度計画の予算が付かず

 だが、その木造掃海艇も、材料である米マツのコストが上がったことから、2006年度計画の「たかしま」を最後に建造終了となり、2008年度計画艇から、強度の高いグラスファイバー強化プラスティック製(FRP)になった。
 FRPにすると建造費は1割高となるが、寿命は木造艇(16年)に比べて2倍長持ちだという。
 
 FRPに移行したと言っても、高い技術が要求されることは変わりない。関係者は「木造艇のノウハウも身につけている専門の職人が必要」と言う。
 
 しかし、FRP艇は2008年度計画、2009年度計画で発注されたものの、2010年度計画の予算が付かず、1年の空白ができてしまっている。
 
 関連企業では、専門性が高いことから技術者の他部門への流動もできず、同部門の存続が困難な状況に陥っているという。世界が目を見張った日本の掃海艇建造技術が、このままでは失われるかもしれない。

年々減っていく護衛艦の予算

 イージス艦など護衛艦の製造も、商船などで代替できない設備や技術が多く、企業は受注が減り続ける状況に悲鳴をあげている。
 
 汎用護衛艦(DD型)の造船所受注契約額(艦載砲などを除く)は、2007年度が約349億円、2008年度が313億円、2009年度が297億円と、年々、減少している。
 
 護衛艦は自衛隊の装備品の中でも、製造に関わる企業が飛びぬけて多い。その数は護衛艦1隻につき約2500社。中には、叩いても割れにくい電球など、他社には真似できず、かつ防衛装備品以外の需要が見込めないような特殊技術を持つ「オンリーワン企業」も数多い。
 
 それらの町工場などにこれ以上のコスト削減を迫ることは「もはやできない」と大手プライム企業関係者は漏らす。しかし、大手企業も、利益の見込めない部門の存続が許される状況にはなく、「板挟み」となる悩みは絶えない。
 
 町工場の経営者は、「一流のものを造るためには、設備投資も研究開発もしなければなりません。しかし、受注がなければ・・・」と表情を曇らせる。

やればやるほど損をする中小企業

 1999年から導入された競争入札制度も製造企業を圧迫しており、「赤字受注に陥っている」と訴える企業も多い。最新技術習得のために海外で研修するなど努力を重ねても、将来の建造計画は不透明で、目に見えぬ経費は回収できるのかどうか分からなくなっている。
 
 新造艦に対応できるようにドックを新たに建造し、最新の設備を整えて艦艇受注に備えた企業も、防衛省から「民需でも使用可能では」と判断され、結局、予算が認められない場合が多いという。言うなれば「やればやるほど損をする」という構図だ。
 
 先行投資した企業ほど、防衛予算削減の波を受けることになる。これが、果たして国益に適うことなのだろうか。
 
 日本の造船業そのものが世界の価格競争に飲み込まれてしまった感があり、体力が弱くなっている中で、防衛部門での受注減がトドメを刺すようなことになりかねない。
 
 昨今の尖閣諸島を巡る問題では、これまで、必要な法整備をはじめとする施策をサボってきたツケが回ってきている。
 
 領土を守る気概が希薄だったことを大いに反省し、今後の(徹底した)取り組み次第では、今ならまだリカバーすることができよう。しかし、防衛技術の基盤維持は対策を怠れば、確実に将来はない。後で悔やんでも手遅れなのである。
 
 

転載元転載元: 本願成就と如来回向

閉じる コメント(3)

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久しぶりにコメントいたします。
本願成就と如来回向さんからの転載です。
技術の中断は大変な損害なのです。
日本の伝統文化は中断しないで継承されてきたために現在にあるのです。
ですから、国宝級の神社仏閣城郭が維持できているのです。
防衛軍事技術もそうなのです。
江戸時代鉄砲他火砲の研究を怠ったため、幕末に西洋諸国から大量の武器を買わざるを得なかったのです。
明治時代西洋諸国の植民地にならないで済んだことは奇跡でした。

2010/12/3(金) 午後 6:26 庭山行政書士事務所

ビバ!日本テクノロジー!!!
安物なんかに負けないで欲しいですねΣd^^*

2010/12/3(金) 午後 8:59 紅のシラサギ

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紅のシラサギさんこんにちは。
軍事技術はとても大切なものです。
兵器をすべて外国に依存してしまうとその依存した国の実質的な植民地になってしまうのです。
武器と食料だけは自前でもたなければならないのです。
スエーデン・イスラエル・スイスなどがんばって国産兵器を開発しているのはそのためです。
だからこそ中立を保てるのですね。

2010/12/4(土) 午後 1:46 庭山行政書士事務所


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