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引き続き忙しくて、なかなか書けないですが、『エンベディング』読み終わったので、書いておきます。
タイトルの"Embedding"というのは、HTMLで画像とか埋め込むときに使うご存知"EMBED"ってヤツで、要するに「埋め込み」のことです。 この小説は3つのエピソードが絡み合いながら進むんだけど、まず1つ目は、レーモン・ルーセルの『新アフリカの印象』(これについてはコチラの方のページを参照http://www.froggy.co.jp/seiko/55/55-6/55-6-14.html )にとりつかれた言語学者が研究所で、東南アジアかなんかの被災児を数人赤ちゃんのときから閉じ込めて、人工言語を植えつける研究をしてるんです。 彼のとりつかれてる言語は、有名なマザーグースの歌「これはジャックが建てた家に転がっていた大麦を食べた犬を不安がらせたネコが殺したネズミです」(ちょっと原文を変えました)みたいな、入れ子構造の言語で、子供たちは隔離されて、そういうお話ばっかりしゃべるマトリョーシカみたいな人形に囲まれて暮らしてます。言語学者は、そうすることによって他者性を作り出せるのか?みたいに思ってるワケだね。 もう1つのエピソードは、言語学者の旧友で、やはり『新アフリカの印象』にとりつかれている人類学者が、ブラジルの密林でキノコ吸ってラリりながら、こういう入れ子構造の言語をしゃべるインディオの一族を発見、狂喜してフィールドやってるわけです。でも、この場所には巨大湖作るっていうプロジェクトが進んでて、インディオたちは保護施設に避難しないと水没しちゃうよ、とか言われてるんです。 で、そんなこんなしてると3つ目のエピソード、異星人が突然、地球の野球拳のテレビ番組逆向きに送信しながらやってきて、「ワレワレは地球の言語を研究したいから、地球人の脳よこせ。見返りに惑星間航法教えてやる」とか言うんです(もっと紳士的な言い方だけど)。 で、そこに呼び出されて、異星人と話してた言語学者が友達の人類学者からの手紙を思い出して、そーいえば、いい脳がありますぜ、ってんで交渉成立。言語学者はブラジルへ向かうわけです。 この異星人の言語研究の動機が面白くて、各種の生物が自分なりの現実を構築する多種多様な方法のすべてを集めれば、<この現実>を超越できるので、かつて別の現実面からワレワレに接してきた「変話者」をそういう方法で見つけたい、という愛に突き動かされてるんだそうです(^'^)ハハハ けっこう面白いでしょ。 しかし、この本残念なことに訳者のレベルが低すぎで、こういう言語観をサピア=ウォーフ説程度としかとらえられなかったので、全体の印象としては、あんまり…って感じになってしまいました。 そのうえ、面白い部分以外は平板で、登場人物が誰が誰だかようわからんし、訳者は作者のせいにしてたけど、まあ原文もかなり問題あるんだろうけど、上手な訳者だったらそこんとこ読みやすくして、もっと面白い小説になったのに、と残念。この訳者、この本2ケ月で訳したとか威張ってましたが(翻訳専門の人なら十分な期間ですが、この人は違うので)単に手抜きを自慢してるダケとか思えんかった。こういう翻訳者ってときどきいるんだけど、それにあたった原著は気の毒だよね、と思うのでした。 |

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入れ子文ばかりに囲まれて日々育った子どもって、論理階梯が緻密になるかこんぐらがるか、どっちだろう?^^^トラクテイタスにしばしば出てくるような、見かけ単純・含意重層的な非入れ子的重層文と、表裏で重なるかな?^^^異星人にとって地球の入れ子言語は、変話なものとして感じられたのなら、普遍的な正話(?)が、星際的に汎通する言語的大他者が、想定されるのかも。で、その諸々の正話の亀裂の交点(それこそ複素次元?)で、多様な諸言語を超えた<変話>が語るのかな?
2007/3/23(金) 午前 5:13
「変話者」って何なんだろーね。異星人さんたちの説では、「はるか未来か別の現実からやってきた、ワレワレ自身」という説もあるんだって。で、会ってどうするの?って訊かれたら、「ヨクワカリマセン。合図する? 愛する? 彼らはワレワレ自身だけど、自分の意志では脱出不可能な未来にいる彼らを無理矢理ワレワレに暗殺させたいのカモ」なんて言ってマシタ(^_^;)
2007/3/23(金) 午前 5:23
>無理矢理ワレワレに暗殺させたいのカモ___!エキセントリック妄想系の異星人だなぁw^^^なんでそーなるんだろ?^^^これってオヤジ系妄想の一つっぽくない?^^^そもそも、「話が通じる」かどーかもわからんだろうし、せっかく見つけて、どーして「殺す」になるんだろー???___ところで、入れ子言語と変話というのは、どういう関係なんだろ?^^^入れ子も変話の一種(まだ大人しい方の)?^^^
2007/3/23(金) 午前 5:30
いや〜、それは単に、そういう言語の脳はワタシたちから見れば、違う現実の編成のされ方をしてるだろーってことだけで、異星人さんにとっては、ただの地球人の脳と同等のone of samplesにすぎないと思いますヨ。そこんとこが、原作の不備な点でもありますね。
2007/3/23(金) 午前 5:34
参照させていただいたルーセルのページ見てると、こういう文てピリオド来るまで、単語の意味が多重化して収束しないんですよね。(この辺ちょっと量子力学っぽいデスネ)このピリオドが無限に先送りされる言語で育った脳ってのは、膨大な情報量を同時に保持しておかにゃならんという発想なワケですね。で、その結果、現実に関するあらゆる情報を保持できるようになるので、「現実をそのまま」知れるハズって論理みたいデス(^_^;)
2007/3/23(金) 午前 5:56
>「現実をそのまま」知れる__それはスゴイ、けど、そうはならないだろうなぁ(^.^)^^固有名の、記述説に対する反記述説が言うように、記述をいくら重ねても絶対的な個体指定は不可って話思い出す。むろん知識とネットワークの規模は、分節と情報量の増大にはなるけど、そうなるほど<剰余分>も増え、その反作用が生む<現実界>も屈折を増やすから、トチ狂う可能性も増える。^^^もちろん、そこがこの話の面白さだろうなぁ。不確定性も伴って、なつかちゃんの言うように量子力学的だ♪
2007/3/23(金) 午前 9:48
そーなんだよね。ネタバレになっちゃうけど、育てられてた子の一人は結局アタマおかしくなって死んじゃうんダ。でも、この小説、確かにおバカな話ではあるけど、なんか考えるヒントにはなりそーだよね=^ω^=
2007/3/23(金) 午前 9:52