なつか式世界

なつかいたるのなつかしいおはなしの世界なんてね=^ω^=

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本の覚え書
作者名や訳者名などは基本的に出しませんが、書名にAmazonへのリンクがついてますので、そこで表紙やあらすじ、読者のレビューなどを見てくださいネ=^ω^=
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タイムトラベラーズ・ワイフ
やっと読み終わりました。

これはタイムトラベラーの男の人が、自分の奥さんの子供の頃に何度もタイムトラベルするというお話です。

このタイムトラベルは、自分の意思ではいっさい決められないてんかんの発作のようなもので、気分が悪くなってくるとパッと衣服を残して消え、したがって行った先では素っ裸で現れるので、まず衣服を見つけに右往左往しなけりゃならないんですが(^^ゞ
で、数分とか数時間とか数日とかして、もとの時間と場所に戻るワケです。

奥さんの子供のころに行くというこの設定が非常にウマいのは、奥さんは子供のころから彼に何度も会って、彼から結婚後のことを聞かされたり彼のことをよく知ってるのに、その後彼女が実際の時間で彼に出会ったときには、彼は彼女のことも、結婚後の自分のことも知らないという逆転現象が起こるところなんです。

その複雑な設定が非常に面白かったんだけど、終わりのほうになるとちょっとキビシかった。
たいていは過去へのトラベルなのが、ときには未来にも行ってしまって、ある日10年後に行って自分が数年前に死んだことを知ってしまうんです。

どうしても回避できないことで、奥さんにもそれがわかってしまい、最後のほうは二人してそのときを待つというのが、ちょっとツラかったなあ(>_<ゞ
内容がというよりも、その絶対避けられないという閉塞感が、切ないというよりツラかった。

訳がちょっとわかりにくい箇所があったせいもあるけど、原文もけっこう読みにくかったので、訳はよくやってた方なのかもしれない。
でも「タイムトラベラーズ・ワイフ」っていう邦題はどーなんだろー?とちょっと思ってしまいました。

ブラピで映画化予定ということでしたが「ベンジャミン・バトン」ていう新しい映画とびみょ〜に話かぶってるような感じもしますよね=^ω^=

女のハードボイルド

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せっかく読んだので書いときましょう。

「天使に見捨てられた夜」は図書館でリサイクル本になってたので貰ってきて読みました。

あんまり期待してなかったんですが、やはりストーリーテリングが上手なんだと思いますが、意外と面白くてサクサク読んじゃいました。

主人公の女性探偵が、フェミニズム系出版社社長の女性の依頼でAVに出演してた女の子を探すという話なんですが、手がかりとなる謎の土玉が何なのか?とか、興味を引っ張るのがとても上手。

それに登場人物も、フェミニズム系社長にしても、AV制作会社の人にしても、こんなヤツぁいねえという感じがなくて、うまく描かれているんで抵抗なく読めました。

ストーリーそのものは、後で考えると、「なんで犯人はこんなことしたんだろー?やぶへびじゃね?」とか、「なんでこのヒトはこんなこと知ってたの?フツーこんなことまで教えないよね。立ち聞き?」とか、不審な点がいっぱいあるんだけど、読んでるときは感じさせないから、ま、ウマいんでしょーね=^ω^=

で、この主人公の女性探偵なんだけど、コレはシリーズもので前作でその経歴が語られてるらしいんですが、父親が探偵でその後を継いだらしいんだけど、数年前にダンナさんが自殺してて、その原因が彼女の不倫とかであるらしい。

この小説の途中でも、ワルモノっぽいAV制作会社の社長がイイ男でイイ体だったから、つい深い仲になっちゃうんですが、後でそれがバレて父親に軽蔑されたりゲイのボーイフレンドとギクシャクしたり、やっぱり利用されてたんじゃないかとガックリしたりするところがカッコワルイけど、それでへろへろにメゲずに追求を続けるところがカッコいいとか解説の松浦リエコさんが書いてたんですが、ワタシはそうは思わなかった。

イイと思った男と、ワナかもしれないけどエッチするっていうのは、例の「ソッチに行っちゃイケナイよー」ってほうにばっか行くというハードボイルドの定石だから、ソレはソレで、ハードボイルドの男の美学女版みたいなもので、カッコいいの範疇であろうと思う。

エッチの描写も「××した」とか単刀直入(*~.~*)でそっけないのがカッコいいと思った。

また、この主人公、かなりの美人ぽい雰囲気なんだけど、そういうことが一言も書いてないのもカッコよかった。

で、この本に関してはかなり印象がよかったんだけど、その後の展開の小説のレビューを見たら、こういうカッコよさが展開されるっていうよりも、むしろ女の身勝手さ全開になっていくみたいなので、ヒジョーに残念だと思いました。

シリーズ2作目のこの小説の段階では、主人公がこの後さわやかでカッコいい女として活躍していく方向もありえた感じなんだけど、ソッチには行かなかったらしい。

やっぱりさわやかなお話を書くっていうのは、作者本人がさわやかじゃないとムズカシイんだね=^ω^=

虚構と事実

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この前「剣と寒紅」読んだとき、「仮面の告白」を出してきたので、ついでに読み返してみました。

まず、例のセバスチャンの死んでない話ですが、この小説では、あんなに矢ささって死んでないはずないじゃないか、「奇蹟」の要請で生き返ったことにしたにちがいない!との解釈=^ω^=
しかし、フツーに考えれば、あのように矢で射られて美しくそのまま殉教したほうが、後で棒で殴り殺されるより美学的にも宣教効果としてもgoodじゃないのと思うので、むしろ、この時は死んでないという話のほうが事実だから仕方なく伝わってるんじゃないかと考えるほうがまともじゃないかという気がする。
ま、どっちでもいいですが…

で、「剣と寒紅」によると、三島さんはこういう小説とか「禁色」とか書いといて、後でゲイ傾向があることを隠そうとした、というのは、どーゆうことなんでしょーかねー?フシギ(@_@)
時代ということもあるんでしょーが(今ならなんの問題もないんでしょうけど)この小説がフィクションであることを、とくにお父さんがやっきになって強調してたというのは、まあうなずけるのですが、小説なんだからフィクションなのはあたりまえで、実際この小説のなかで起こることは、中学時代に恋したガタイのいい、ちょっと不良っぽい学友と遊動円木で落としっこしたり、女性とつきあわなくちゃという強迫観念から別の学友の妹とイイ感じになったところで結婚を打診されると尻込みして人妻になった後でまた未練がましく会い続けるということぐらいで、事実かフィクションかなんて忖度しなくちゃならないほどのことは何一つ起こってない。
残りを埋め尽くす男の肉体に対する妄想やら想念についてフィクションだと言いたいのだとすると、ソレはつまり、著者お得意の類推によって何か別のものから(何から?)導き出したとでも言いたいんでしょーかね?

ともあれ、この小説を読んでると、無頼あんの粗野な肉体に強烈な憧れを持ってた著者の前に、ガタイのいい熊本の極道の息子が現れて深い仲に発展、という「剣と寒紅」のお話は、やっぱりほぼ全面フィクションだったのかな、という気がしてくる。だって都合よすぎるよねー(^.^)
まあ私信引用で訴えられたってことは私信を持ってたんだから、お付き合いがあったのは事実なんだろうけど…

それはともかく、「仮面の告白」のなかで主人公は幼少のころ「ボク○○よ」みたいな女言葉を使ってるんだけど、なんというか、ある種の育ちのよい人の物哀しさをそのへんに感じるんだよねー。

ワタシが大学のとき代々英語学の超名門出の人が語学の先生だったんだけど、ある日テキストにsunny-side upが出てきたとき「君たちのウチではなんて言うの? ボクのうちではお月見って言うんだよ」とその先生が言ったのね。
で、みんな騒然となって「目玉焼きに決まっておろーが」と猛抗議したら、先生「えーっ、目玉なんて気持ち悪いじゃない。ママー、お月見作ってーって言うほうが全然いいじゃない」とのたまわったんだけど、そのとき生徒全員がキモっと思ったのは、その先生がけっこう筋骨たくましく胸毛モジャ系で頭髪サビシイ系だったせいもあるけど、ある種の育ちのよい人が持ってる独特のKY感というか、自己認識に関する誤りというか、のせいもあったんじゃないかと思うんだよね=^ω^=

それに近いものを「仮面の告白」には感じて、ムラさんが「剣と寒紅」について三島由紀夫をカリカチュアライズしてると書いてたけど、三島由紀夫自身のほうにも自己意識に関してある種戯画的な面があって、そこに物哀しさを感じるんだなー、と思う。

しかもマジでマジだったことが後々判明するしね。

まさにイタイG式だよね(@_@)
う〜ん せつない…

剣と寒紅

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「三島由紀夫 剣と寒紅」は、三島由紀夫と交遊のあった著者の書いた評伝かと思ったのですが、終わりのほうに、この小説は云々とあるので、いちおう小説なんでしょーかね。

著者は自分が異性に関心がないことを自覚していて、「禁色」に出てきたお店の実名を訊ねに三島邸を訪れたことから、三島由紀夫と昵懇な関係になったというのですが、最初のほう読んだときには、曲がりなりにも一時お付き合いしてた人に対して、ずいぶんと冷淡な書き方をするんだなとなんかイヤな感じがしたんだけれども、読み進んでいくうちに、文字通り性癖の違いなんだから仕方ないか、という気がしてきました。
著者はぽっちゃり系の少年好きで、三島さんみたいなタイプは苦手だったんですね(^.^)

三島さんは若い頃は自分の貧弱な肉体にコンプレックスを抱いてたのが、ボディビルで鍛えて自信ができるとやたらと誇示しだしたという経緯が、三島由紀夫を知る人にはとても説得力がありそうだなと思えました。

著者はその自意識を裸線にたとえていましたが、リゾートホテルのプールで、そろいのレスリング用レオタード型の白い水着を着て筋肉を誇示しながら、盾の会のメンバー2人を後ろに従え隊列組んで、これ見よがしに抜き手を切っていた姿から発せられていた異様な空気には、確かにそういったものが感じられました。

著者とのそうした経験が、当時連載していた「禁色」にどのように反映されたか、といったことや、著者の送った自作小説に対する三島由紀夫の指導(月並みな表現は排除し、できる限り簡潔に書け、とかね)は、小説書いてる人にはけっこう参考になると思いますよ。

この本は、三島由紀夫の私信を引用したということで、遺族によって出版差止め請求され、今は新版では手に入らないようですが、古書では売ってますし、図書館でも借りられますので、興味があったら読んでみてください。


ちなみに、この表紙の聖セバスチャンはグィド・レーニ作なんですが、「仮面の告白」に登場するのはコレだったんですね。

他にもソドマやマンテーニャの作品は三島さんのお気に入りだったみたいですが、ダヌンツィオの「聖セバスチャンの殉教」の翻訳には他の作品もいっぱい載ってるようです。

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 ペルジーノ           ティツアーノ      マンテーニャ       ソドマ
    イメージ 6
     ジョルジェッティ

三島さんは、ご自分で聖セバスチャンに扮した写真も撮られてますが、聖セバスチャンこんなに矢ささって「殉教」とか言われてますけど、このときは別に死んでない、というのは皆さんご存知なんでしょーかね=^ω^=

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「ヘルマフロディテの体温」は、ホントもう良かったです。
山本タカトさんの表紙もいいし、絶対オススメ!
ぜひぜひ買って読んでください!

ワタシは図書館で借りたんだけど、一読したとたん再読したくなったので、やっぱり買って何度も読もうと思いました♡

お話は、ある日仕事でナポリに行ったまま行方不明になった母親が男になって帰り再び失踪して以来、女装趣味がやめられなくなったナポリに住む医学生の男の子が主人公。
母の性転換手術をした真性半陰陽の胎生学の教授の助手にいやいやながらならされて、ナポリにたくさんいるトランスセクシャルの起源を探りながら、彼らが女になったり女装したりする理由やそれにまつわる伝承などについて物語を書くという課題を課され、それを果たすうちに女装する自らの心を理解する、というものです。

アリプロの宝野アリカさん絶賛ということだし、なにしろヘルマフロディテに関するお話ですから、さぞかしお耽美であろうと期待していたのですが、耽美なことはもちろんなんですが、女性が書いた小説にありがちな単に興味本位で半陰陽を扱うような無神経さがまったくなく、どんな性の人にとっても、自分が自分らしくあることが一番大切なんだと思わせる、とっても前向きで健全なお話に仕上がってました。
スバラシイ(^o^)//""" パチパチパチ!

文体も、ヨーロッパの小説を思わせる淡白で洗練された構成で、ぜひイタリアで美しい俳優さんをいっぱい使って映画化してほしい、もう絶対してして♡と思いました。

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