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豆知識:高座 高い台に座布団を引いたもの。上方では「落語」と「説教芸」は戦前までは、ここで行われた。 インドに「共命鳥(ぐみょうちょう)」という鳥がおりましてな。体が一つで頭が二つという奇妙な姿ですが、二つの頭がそれぞれ妙なる調べで歌いますので、多くの人々に大変愛されていたのです。
あるとき、王がそのことを知ります。そして、宮殿に連れて帰り、美味しいえさをたくさん与えて、毎日よい声を聞こうとえ付けをいたしました。まあ、買占めですな。「わしがめんどうをみたら、商品価値がもっとあがる」ってなもんで、M&Aを繰り返す某国のIT企業のH代表のような人ですな。 共命鳥、はじめはよかった。けっこけっこう、ニワトリやない、ちゅうねん。ごちそうをいただくと、えらいもんで、緊張感がなくなる。あんまり、ええ声で鳴かんようになった。そこで、王はニンジン作戦にでた。何でも東京という国では、これが当たるそうですな。ニンジンぶら下げられた方が、うまくとれたら「勝ち組」とれんかった奴は「負け組」て差別しあうそうで。無残なことですが、本人は気ィ付きません。 一方の頭が今日はええ声やった、というとそっちにえさをどっさり。もう一方の頭は、むかつきますな。よっしゃ、わたいの方がええ声やいうこと見せたろ、てなことで、次の日はがんばる。すると、もう一方が負けじと張り切る。きりがおまへんが、二つの頭はこうなると他の事が見えません。 しかし、何事にも限界があるものでして、「あかん。もう無理や。これ以上ええ声はでえへん。」とお思った一つの頭に、むくむくと知恵?がわいてきた。「だいたいあいつ(もう一つの頭)がおるから、苦しまんならん。そうや、あいつを…。」と、欲が愚痴を生み、愚痴がやがて怒りになった。 「おい、今日はちょっとでかけて久しぶりに森でえさをとろうや」と言葉巧みに誘い出し、森へ飛ぶ。 「おお、あれこそ珍味中の珍味。」などといいながら、毒の木の実をついばもうとする。あおられたもう一方の頭が「こらお前だけずっこいぞ!」と食べかかる。しめた!がつがつと食べる姿を見ながら、ほくそえむ。「わ、わ、苦しい。」とかの頭。やった、ざまあみろと思った瞬間、その苦しみは自分にも。 そりゃそうです。体は一つなんやから。 さてさて、どこかで私らの姿と重なりませんかな。ちなみに、こんな愚かな存在だからこそ、私の願いによって、往生成仏させると誓われた、阿弥陀さまの浄土に、共命鳥は現在では生まれええ声で「仏法を讃嘆(ほめたたえる)」していると「仏説阿弥陀経」に説かれております。 いえ、鳥の話ですから、ほんとかうそか責任はトリません。 お後がよろしいようで。 |
お寺のくらし




