ここから本文です

スウィートbonbon(壽光寺の内緒話)

書庫学びの家

理科の授業をする。ひらがなを今、必死で覚えておられる三人が生徒さん。

難聴で、聞こえる音と文字が中々一致しない方。このクラスのベテランで、ありとあらゆる仕事をして子どもさんを育てられた肝っ玉かあさん。離島出身で、幼い頃から貧しい暮らしを支えるために働いてこられた。船の作業員をしているときに、疲労で眠りこけてしまい、当時外国であった神戸に、気がついたらついていたというグレートな逸話の持ち主。

夜間では教科書を使わない。全部毎回手作りの教材である。学校へ行けなかった痛みと悔しさを胸にたどりついた夜間だから、教科書への憧れは強い。しかし、僕たち夜間の教員は、学校へ行けなくて苦労した経までの人生をマイナスにしてはいけない、と考える。いや、教えられるのである。
 
この日は、コップを下向きにして水につけると、コップの中はどうなるか、という問題。空気と水の関係を通して、「自然は真空をきらう」という認識を育てる教材である。
 
上から押すんやから半分くらい水が入るやろ、という二人に対して「いや、入らん」という生徒さん。彼は、山で木材の切り出しをしていたときの体験から、そう考えた。「木材を川流しするときに、船ごとひっくり返るることもあるねん。そのとき、ひっくり返った船の中に首つっこんだらな、ちゃんと息ができるんや。」へえー×100!。

ここから、木材の切り出しの話が盛り上がる。耳フックのはずれた丸太が、普通ブレーキをかけたら止まるのに、滑車が止まらずロープを滑り落ちて怪我をしたとのこと。黒板に山やロープの絵を書いて、説明してくださる。「先生、その木をどうやって下まで下ろすかしってるか。」「知りません。」「あかんなあ。教えちゃる…。」活き活きと語られる仕事の話に圧倒される。

人生を生き抜いてきた技や知恵が、ちゃんと彼の中に積み上げられている。ただ、それを書き言葉で表現し、より多くの人に伝えたり自分の中にあるものを確認したり、その結果、人としての生きる自信をもたれていないだけなのである。そうしてきたのは、僕たちの社会である。文字を知らないこと=愚、と決め付ける「ものさし」が問題だと気づかされる。そういう「モノサシ」で人を量り、自己満足してきた僕たちこそ、学びなおさなければならない。
 
彼、彼女らと共に、人生を考えられて彼らの生き方にプライドをもたらす授業が必要だ。なんて、感動していたら、Nさんの瞼がふさがりそう。60を越えた方の、夜9時になろうとする授業はきつい。これも現実。おーい、起きて!!!

nazuna
nazuna
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新のコメント最新のコメント

すべて表示

ブログバナー

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン

みんなの更新記事