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地震を考えるために:大陸棚と海溝
Pさんは、在日朝鮮人一世。渡日した父をたよりに母親よ関釜連絡船で11歳で日本へ来られた。
生徒会長を務めるTさんとは、夜間中学で知り合った仲間。このお二人がこの三月で卒業である。
夜間にご縁をいただいて以来、丸八年間、「学び」を共にした生徒さんである。
そのPさんとは数学の授業をおよそ6年ごいっしょした。
「ほかの先生の数学はかんたんやのに、先生のはできない。いやんなる。」と愚痴られことがしばしば。何も難しいことをしているのではないのだが。
内容的には小学校5年生までのことであるけれど、実は数学的思考と現実社会の数学をあつかうために、橋下氏のいう学力、陰山氏のすすめる「百マス計算」などの、「できる数学」ではない。
そこで、達成感がなかなか得られないという意味であろう。この真摯な批評答える形で、実は夜間中学の学力像が育てられた。Pさんのおかげである。
さて、そのPさんが今年、「どんな学びをしていきましょうか」と問うた時に、「あの地震のことや原子力発電所のニュースを見るたびに、わからないこと疑問なこと、知りたいことが増えてるので、そういうことをやってほしい」と言われた。
そこで、それをコンテンツとした上で、必要な学力を求めてこの一年授業を組んできたのである。詳細は次に譲るが、地図を見る見方からはいって、縮尺の学習から入ったのである。以下、「グラフと表の見方」=データをリアルに感じるために、を大単元として、四則計算と棒グラフ折れ線グラフ円グラフ帯グラフ柱状グラフの読み書き計算を習熟していった一年であった。
先日、昼の学生と交流があり、その席で「卒業したら何がしたいですか?」という14歳の質問に、Pさんは「私はここで学んだことで、夜間中学のことをみんなに知ってもらい守っていけるような活動がしたいです」と、はっきりと言い切られた。
生きる力となる学び。まざまざとそのことを教えていただいたことであった。(続)
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