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スウィートbonbon(壽光寺の内緒話)

書庫お寺のくらし

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会館「じゅげむ」全景。鐘楼が併設されている

2008年、親鸞聖人750回大遠忌を記念して、お寺に門信徒会館かつ「ライブハウス」を建築することとした。私が住職としてできる最大の事業となると覚悟して。

お寺の本堂を使っての「落語会」「コンサート」はできていたが、本来本堂は宗教儀式の場であり、真宗法義の聴聞の場である。これは崩したくない。


また、現在の本堂は天保時代、「大塩平八郎の乱」で、焼けたあと、12世住職諦聴がその生涯を縮めてまで、再建した本堂。大阪空襲をくぐり阪神大震災を経験し、痛みやゆがみも現れている。

しかし、地縁がなく商都大阪の旦那衆に支えられてきた、江戸から明治の壽光寺ならともかく、地域を離れ都市流入してきた門徒さんの「葬儀依頼」をつないで、月忌参り収入として行く現状のお寺である。「私のお寺」と「お寺の護持をすることが義務」という門徒さんは、0である。老舗の総代さんでも、地震後にお寺が大丈夫かどうか見に来られることは、残念ながらなかった。

父の代でのお寺づくりが十分でなかったからだが、それを批判していても始まらない。そういう現実を踏まえて生き残るお寺をデザインし実践するしかない。

また、ウチの娘たちを観察するに、父や私のように年収500万以上を他所で稼いで生活費を自前で供給できるほどではない。すると、今後、木造の伝統的な本堂を新築することはます無理である。

だから、新築する会館は本堂代わりになる機能が必要である。

こうして、お寺のコンセプトを明らかにして、初めて「寄付を下さい」と頭を下げて募金した。その際に出した文書を上げておく。

生硬で固く今ならもっと焦点をしぼって、わかりやすく書くだろうが、基本姿勢は変わっていないので。長文だから、いくつかに分けて掲載する。

「壽光寺とは−新しいお寺を求めて」―親鸞門徒へのあゆみ―
20084.1 住職 釋慶典

0.20054月、壽光寺は「檀家制度」から脱却して、お寺のメンバーを「会員」とする会員制のお寺になりました。

 

1.檀家制度とは、江戸期にできた制度で、①民衆の間にキリスト教が広がることを禁止したい、②寺社勢力が政治に関与しないように制限を加えたい、③町や村の治安を維持し秩序を守るために、居住地・職業・社会的役割(身分)の3点をセットとして把握したい、という役割を担いました。村でも町でも、家に仏壇をもち葬儀などの際にはその宗派の儀式をきちんとやること、またお寺と交際し、お寺に貢献することが義務付けられました。地域で共同墓地に墓を所持し葬儀に際しては隣組で協力して執り行うことで、相互の宗旨を管理しあうことが慣習となりました。

 お寺もまた、「本山−末寺」という上下関係で組織され命令系統のもと、逸脱を許さない制度にありました(本末制度)。結果、全ての民衆が必ずどこかのお寺の檀家となり、仏教への関心があろうがなかろうか、はたまた個人として信心があろうがなかろうが関係なく、「○○宗の信徒」として教団に組み込まれました。結果、布教努力をしなくとも一定数の檀家が確保できるようになりました。宗派の違いはあれど、お坊さんは民衆を管理し地位も向上しました。

 真宗は、それでも蓮如上人以来の信心を絆とした講や門徒集団・僧侶はあって、あくまでも「仏法聴聞」の道場としてお寺をとらえ、また「信心決定」を第一義として江戸時代も活動を続けました。決して、儀式に傾斜して「念佛のみ教え」を形骸化し「宗教的実践」をおろそかにしたわけではありません。

 

2.明治維新になってこれらの制度は廃止されましたが、明治政府は「仏教に代わって神道、それも国家神道」に同じ役割をさせようと考えました。「総氏子制「祭の復活」「神官の配置」等々の神道優遇策がそれです。

 全ての寺院活動を停止させ、僧侶の還俗(一般人への復帰、肉食妻帯の公認)を指示し、院の地位は低下し神社がクローズアップされました。

 しかし、西洋社会との接触により「信教の自由」を認めてキリスト教の布教を解禁せざるを得なくなったこと、さらに仏教やキリスト教とは違って神道には「文字化された共通の教義」がないこと、また「穢れ」意識により死亡から埋葬までの葬祭に神官がかかわれないことなどから、寺院や僧侶を政策的には排除できませんでした。

 檀家制度のもたらした「葬式は寺で」「我が家の菩提寺」という意識、さらにその奥にある「人生観・社会観」としての佛教の根の力は以外に強靭でありました。各仏教教団は、この困難な新時代に、佛教復興の教学を準備しましたが、「僧侶」たちの中には、世襲化・特権化した地位を失うまいと、汲々とするばかりのものもありました。。

 急激な近代化西洋化が進む中で、教団も国家主義へと傾斜し、東西本願寺はもまた、個人の救済よりも国家目的に貢献する方向へと教団運営を行いました。結果、佛教界は「国家神道」と習合し、明治憲法国家に対して迎合・服従していく方向を辿ります。それは、個々の人生を支え導く「仏教」本来の有様から目を離し、教えを必要とし支えを求める大衆から遊離していく路線でした。

 そのような有様は、1945年の日本の敗戦まで継続し、十五年戦争時には経典の記述や祖師・上人の言説を封印削除し、「聖戦の完遂」「敵を倒す」ことを奨励する教義を説きました。

 

3.戦後、占領下で「キリスト教文化」や「アメリカのプラグマティズム」が様々な言論と生活文化の中でもたらされ、新憲法では「信教の自由」が保障されました。理屈の上では、個人が自由に信仰できる社会となりました。

 檀家制度はとらえ方によっては、より深く民衆の生活とかかわり共に学び共に喜び悲しみ生きる教団やお寺になりうるものでした。おかげで、浄土真宗はむしろ江戸期に飛躍的にお寺を増やし門徒を拡大し、教学や教育機関も発展し、決して宗教的な停滞期ではありませんでした。しかし、制度にのみ寄りかかり既得権を振り回すようであれば、「人生を如何に生きるか」「何を支えとして生き、どのような社会観世界観を持って共生社会を発想できるか」を学び考え語り支えあう教団お寺は生まれません。

 バブル期を頂点とする高度経済成長社会、共同体社会から利益誘導社会への変換は、家族を細分化し職住分離を促し、冠婚葬祭を日常から遠ざけました。仏壇や神棚を置く家そのものが減少しつつある昨今です。そういった状況の中で一般門信徒と僧侶の間の乖離が深まっています。

 「檀家」といいつつ全く宗教的知識や教義への理解、仏さまの信心に、関心のない人、つまり葬儀や法事のみのかかわりを求める檀家。そのような習俗上のニーズで生活費を稼ぎながらも、意識だけは高邁な教義の世界に生きる僧侶。21世紀を迎えて、世界全体が情報ネットワークで緊密化していく中で、以上のような歴史的矛盾が意識されるようになってきました。

 
 

4.現代における、教団・寺院への不満

 

 それをもう少し具体的に上げますと、以下のような不満が、多くの「檀家」が、お寺や教団、僧侶に対して持っていると思われます。

 

①お寺に関する様々な費用・会計明細が不明瞭でやたらと高額に思える(葬儀費用や法要費、戒名代など)。

②「檀家」ということで、お寺の修理代や寄附が機械的に割り当てられて払わねばならないこと。

③場合によっては、それが地域の慣習となっていて個人の意思で拒否できないこと。できたとしても地域生活が実質気まずくなること。

④お経は読むが説法をしない僧侶。一方通行の布教。わからない方が悪いというような態度。

⑤衣食住に一般水準以上の『暮らしぶり』をする僧侶(日曜ゴルフでベンツ乗り放題)。

⑥お寺の門はいつも閉まっていて、お寺で何かをすることがない。また開いていても敷居が高いこと。

⑦お寺と仲良くしても、寄附をつのられる不安は増えてもどんなメリットがあるのかわからないこと。

⑧今の生活の中で、お寺やお坊さんと交際する必要を感じないこと。

 

等等。皆さんにも思い当たる節はありませんか?

 

 浄土真宗は在家教団で昔からお寺は街中にあり、僧侶も家族をもっていましたから、宗教的な自立度は高いお寺や教団でした。それでも、都会では、家族は細分化し既に教団のメンバーであるという自覚は薄れています。

 メンバーシップが育成されないままに、外からの目でお寺や教団を皆が見るようになっている。いいかえれば、教義や信心が継承されず「檀家であるが信心信仰はない」という状況、あるいはその正反対で「葬式や法事さえ引き受けてくれればそのお寺である必然性(檀家である)がない」という状況が、お寺をとりまく現代であると私たち分析しています。そしてその責任の大部分は、お寺や僧侶にある以上、お寺の側がアクションを起こさないと何も変わらないと考えるのですがいかがでしょうか?

nazuna
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