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スウィートbonbon(壽光寺の内緒話)

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「だってさあ、ペピちんが泣くんだもん」
ポニーテールの中でイイダコのように唇がとんがる。
「お前さあ、だからといって街に出しちゃダメだろうが。」
ああ、息が切れる。5分間の全力疾走でなけりゃ、オレも年か?なんて自分を疑うところやねえ

「出したんじゃないもん。ペピちんがうまくフケたんやもん。」視線を左右に注意深く配りながら、いっそうとんがる唇に、風船の結び口を連想してしまったぞ、このヤロウ。せめて少しはいろっぺえカッコしてこい。視線をねっとりとゴミちゃんの身体にからめてエネルギー補充しようとした時、
「バニさん、こっちやわ。」
ペピの痕跡を発見する。ペピは「並べ屋」なのである。ゴミちゃんが指差したのは、最近マスコミで有名になった串カツ屋の前に、二列にきちんと並べてあったAビールの王冠。とすると…。
「パターンC」やね、とゴミちゃんがトランシーバーを早速オンにして別班に連絡する。そのあいだにオレは、50m先の将棋道場と雑誌屋に目配りし、雑誌屋のスタンドがすべて平行で等間隔である事を確認する。
「こっちだ」

ジャンジャン横丁を抜けて動物園の入り口にやっと辿り着く。厚作りのダンボールアートの中の蓮ちゃんが「おう」と声をかけてくる。蓮ちゃんはワンカップの入れ物に水を入れていた。どうしようと迷うが背に腹は代えられん。ペピを早く捕まえるのが第一命題、うん。
「パクさん、元気か。」と話かけると、蓮ちゃんはにやりとしてカップを嬉しげに掲げた。
「まあ見てみい。今日は機嫌がええそ。水替えしたるとくるんくるん宙返りしよる。」
じっと、ガラスの向こうを覗き込み「ほんまや、回っとる」と言うと、止めるよりも先にゴミちゃんが口だしした。ワオ。
「蓮ちゃんすごいなあ。ぐるんぐるん回っとるなあ。井村のシンクロより凄いなあ」とつっこみを入れたつもり。藪蛇よ、あんた。

「姉ちゃん。」と緊張感が走った声。だがゴミは気がつかない。
「なに?」と天真爛漫に水を見ている。
「あんた頭おかしいと違うか?この中に水以外のモンが見えるんか」
「え、あの。いや、だって、バニさんが」
とあせってオレの顔と蓮ちゃんの顔を見るが無視。因果応報。自己責任。
「金魚かなんか入ってるんかなあと、」
おそるおそるのゴミに全部言わさず蓮ちゃん噴火。
「このどアホウ。見たらわかるやろ、見たら。ワンカップの中に金魚がおるんか。おったら網貸したるさかいにすくうてみい。」いいながらちゃんと〈ポイ〉がポケットから出てくるところが蓮ちゃんのすばらしさ。あっけにとられてるゴミの右手に握らせて、カップの水を頭からかけた。
「はい、水もしたたるいいオンナ!!!」

無理やり〈ポイ〉を持たされたポニーテールの巨乳の女。戸惑っているゴミに蓮ちゃんご満悦である。
動物園の入り口に相応しいアートである。やっと「はまった」事に気がついたゴミが、「もうなんやのん。」とポイを投げる前に、バチバチバチと満足げなシャッター音がした。

これで、蓮ちゃんたちは一ヶ月は食える。
「で、ペピは?」と聞くと蓮ちゃんは黙って中を指差した。「まいったなあ」とゴミの手を引っ張って入園する。白クマがホースで水をかけてもらっていてご機嫌だ。二人でゆっくり歩いてペピを探す。

「さっきのあれ、何ですか」「お前知らんかったんけ。女はあかんねん。」「どういうことっすかサル山では、みんなお昼寝である。母ザルにぶらさがったこの春生まれの子がちらっとゴミを見る。こいつ自分の肉体的価値に気付いてないのかね。サルさえもわかってるのにね。

「蓮ちゃんにとってコミュニケーション相手は男だけ。女は商品。カップの水を替えていたでしょ。あれはきっかけ待ってますていう合図。」アシカの方へ行くかバードゲージへ行くかちょっと迷う。で、売店前で一服する。そのうち別班も入園してくるし、ま、あわてることはないでしょ。

「じゃあ、パクさんて金魚のことじゃないんだ。」
「そう。金主のこと。」
「じゃあ、ぐるんぐるんが…」
「10人単位で20人ぐらいいますって事やネエ。」
「誰が?」
おっぱいの大きいオンナは鈍いというがと思って、セクハラやんけとつっこんで黙る。
「あ、他に誰かいたんだ。」
「ジャスト。君が商品になるあの瞬間を待っていた商売人がね。」
「え、あたし商品になったんですか。」ソフトクリームをほおばりながら満更でもなさそうなゴミ。
「そういうこと。もうすぐアンタの写真が二三流の写真投降誌に掲載されるの。ま、被写体提供料で一人3000円かけるあのシャッター音からいくと14,5人。五万くらいにはなってるでしょ。」
タバコが尽きたぜ。もう一本出そうとしたら、乳母車のママににらまれた。はいはい。

さて、どうするかなあと思ったとき、「エガちゃん、こっち」とゴミが別班を見つけて呼んだ。よし、これで万全だ。ペピ探しのエンディングは近いね。

マンガLife1 夏休み向け

わーい。夏休み。というみなさんに。nazunaのマンガライフからオススメを。打順にたとえて。

一番 「動物のお医者さん」佐々木倫子 獣医大生ライフを満喫。チョビが可愛い。

二番 「ピアノの森」一色まこと 絵が大好き。タッチがいい。花田少年史が実写映画に!

三番 「バガボンド」井上雄彦 金字塔。堂々の四番。「リアル」も捨て難いが。 

四番 「鉄腕アトム」手塚治虫 王道です。ここに今の全てがある。手塚マンガは私のライフそのもの

五番 「龍」村上もとか どこに向かっていくのか大河ドラマ。龍視線、田鶴視線でジェンダーも問える

六番 「Monster] 浦沢直樹 大友以後のスター。「21century」「Yawara!」も。

七番 「地球へ!」竹宮恵子 未来ものから。いぶし銀の出世作でした。

八番 「綿の国星」大島弓子 ネコ視点の世界が新鮮。今でも貴重。これで仏教に目覚めた。

九番 「暗黒神話」他諸星大二郎 最後はマニアックに。星野之宣「宗像教授」シリーズの原点。

日本マンガをなめてはいけません。世界は広いです。

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