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7月〜12月のミステリーです。下半期は短編集、それも連作形のものに秀逸なものが多く、収穫でした。連作短編は、大好きな形態です。
新潮社 1680円
*キャリアではない警官が組織の中で、生き残りかつ出世を目指すには、多くの屈託を抱えつつも、隠忍自重しなければならない。そのような、「洗面器の中に顔つけて息をとめている」ような読書感と、カタルシスによって何とも言えない人間ドラマとなっている作品。評判の「随監」もいい。トータルの作品として、新しい警察小説であると思う。
光文社 1470円
*巻き込まれ型の設定でありながら、主人公自身の物語であるところに、組織と個人、会社と人間を描く企業小説の醍醐味がると思う。
紛れ込んだ一枚の事故報告書。そこから、人事と権力の闇に、挑んでいく主人公像に、未知なる領域に踏み込ませていく展開を得意とする、石持浅海の真骨頂を見る。nazunaは、好きな筆致でした。
小学館 1575円
*なんといっても、執事の影山がイイ!!!
連作短編それぞれの、設定もさることながら、会話のテンポと切れ味で次ぎ次ぎ読ませるのである。疲れた時や気分転換の読書という意味では、これは1位かもしれません。純粋に娯楽としての推理小説の、スタンダードとなりうる作品です。ぜひ、第二作を!
*ハルチカシリーズの第三弾。これももっと知られていい連作短編。ブラスバンド部の青春?ではなく、性同一性障害のハルタとそれを知るチカが外からは男女だが恋のライバルであるという関係。三冊の中でその他いろいろな「現代」という問題を抱えたキャラクターが登場するが、それをライトに扱うという筆者の決断を見るのである。
講談社 1575円
*最新パターンの設定であろう。ペット探偵、しかも鳥類というところに、面白さがある。ミステリーの楽しみに、ヴァンダイン以来、ペダンティックなものや雑学の薀蓄を聞かされるというものがある。
たとえば、クイーンの「X・Y・Zの悲劇」を中3で読んで、医学や毒薬・薬学の面白さに目覚めたことも、その1つである楽しみつつ「へえー」っとね。
以上である。上下合わせて10冊となった。ここ入れておきたいものとして、最後まで残したのは以下である。
・「マリアビートル」伊坂幸太郎 ・「特異家出人」笹本稜平
・「アルバトロスは羽ばたかない」 七河迦南
であった。
冬休みの読書の糧に、いかが?
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2010年12月30日
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