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例年メモとして記事にしています。大会で少々遅れました。
PHP研究所 1995円
殺人事件をコアとしないミステリのジャンルとして。
過去の『思い出探偵』の続編ですが、シリーズ化を期待しての選出。
探偵役のキャラが立つかどうかも大事だけれど、なぜ探偵は「探偵」するのかというモチベーションから、探偵を考えるのも、一興です。
それはたとえば、「なぜあなたは歴史学をやっていいるのですか」という問いにも連鎖するもので。
また、二時間ドラマに材を提供する意味でもシリーズ連作はミステリとして大事なのです。その意味もこめて1位。
②誉田哲也『感染遊戯』
光文社 1680円
『ジウ』が豪華キャストでドラマ化されて、注目されている誉田哲也。
武士道シリーズなど、多様な世界を描けるストーリーテラーとしての実力は文句なし。
探偵役が複数になるのが警察小説というものですが、それを個々の刑事の懸案とばらけさせて、ミステリの断片をつないで大きなストーリーにしていくという手法。
今野敏さんがお得意のジャンルですね。ただ、誉田小説特有の湿り気というか闇の香りというか、そういう+αで2位に。
宝島社 1470円
『さよならドビュッシー』と『おやすみラフマニノフ』の音楽界シリーズで注目された作家。実はキャリアは長い。この作品も過去の応募作品に手を加えて出版された。
3.11以後のミステリである。内容は読んでのお楽しみですが、ある種予言的な要素もあり。
私たち自身が作り出す闇をきちんとふまえている点、大人だなあと思います。
ペンネームから女性と間違われますがnazunaよりちょっと年下のれっきとしたおっさんです。
④三浦昭博『黄金幻魚』
講談社 1680円
これまた、3.11以後のミステリ。
三陸海岸が舞台の冒険小説である。
宝探しの冒険小説というジャンルに久々に現れた快作。
総花的に要素をぶちこんでいるのでいささか消化不良で焦点がぼけたかもしれないが。
三陸の海と山の魅力がいっぱい語られて、現実の東北を想うとき切ない。
フィクションの中で人を支える自然に会うのも震災への一つの向き合い方ではなかろうかと。
新潮社 1575円
デビュー4年でパニック小説のジャンルを盛り上げている福田和代。
その作品生産ぶりに1票を。『ウィズ・ゼロ』から『怪物』まで既に、9冊の出版。
今回はビル・ジャックのお話。
パニック小説というのは、システム化されて完璧に見える近代社会そのものの「技術信仰」や「人間性への信頼」を根本から揺さぶることで、文明批評も含めて様々な問題提起を行う。
これも一つの3.11以後ではないかと。
人間を疑う→自己を疑う。社会を疑う→情報を探偵する。ということだなあ。
今回は、大沢さんや東野さん、評判のジェノサイドもはずしました。そして、大きな評価を得ていないが得がたき書き手になっていくであろう方々をベスト5にしました。
選外になったけど、吉沢南央さんと大崎梢さんには相変わらず注目。また、『探偵はバーにいる』が映画になった東直巳さんとカルテットがTVになって久しぶりの『新宿鮫』を書いた大沢在昌御大も、はずしました。
もた下半期で触れたいと思います。
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2011年09月19日
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