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スウィートbonbon(壽光寺の内緒話)

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2012年に読んだマンガ。ベスト1。
 
吉田秋生は『吉祥天女』からの読者であるから、およそ30年になるのか。
 
同世代の少女漫画家(この言い方が古い!)。
 
というのは、そもそも人前でモノ言う仕事は、忘れもしない西区子どもセンターで開催された催しで、『少女マンガの表現』について、語ったことがデビュー。
 
学生時代に定まった『物語=フィクション=テキストとパロル』という関心事から、演劇台本と身体表現をフィールドにしつつ、マンガ評論や児童演劇批評、そして上方演芸批評などを勝手きままに書いていた。
 
今日では一定の見解を持ててはいるが、19歳で僧侶となって、「経を読む」という行為や「称名」という行為について、不可解かつ魅惑的であるという矛盾をずっと抱えていた。
 
テキスト(文字記録)に支配されているような感覚もあり、しかし現実に今それを声にしている自分がいて。それをどう聞くのか、いや聞きながら発話は構成されるのか、などなど。
 
一方で小学生以来の「音楽」や「スポーツ」からももなかなか離れられず。なにせファッションや食事に全く関心がなく、与えられたものを着て食べるだけ。
 
学校の勉強は、大学の自分の課題、専攻以外は全くやらないし。
 
時間のすべてを「スポーツ」と「音楽」と「自由読書」にあててきたので、なんかすごく「タマッテいる」感覚があり、それが出口を求めてうずうずしているという青春でした。
 

 
たぶん山岸涼子や萩尾望都から流れ着いて、神話ファンタジイSF感覚で吉田秋生を読んだと思う。
 
 
しかし、その作品群は、『カリフォルニア物語』や『河よりも長くゆるやかに』などから、実は成長期の奔流するエネルギーのもたらす「向日性」と、ダークでリアルな現実との激しい衝突と矛盾を生きる主人公群にあると気づかされた。
 
『BANANA FISH』は、その集大成であって、いったん吉田秋生読者から、離れた。
 
再会したのは『夜叉』で、これはもう父の影響でコミック読みになっていた長女・次女からのフィードバックであった。
 
そしてこの作品。
 
風土とヒト。そして三姉妹。という近親から手にとったのだが(同じ動機で遊知やよみの『福屋堂本舗』も愛読したシュミレーションだ!?)、吉田自身が齢を重ねて、主人公すずの年代を俯瞰できるからであろうか、激しさから静けさ、葛藤をいらだちではなく悲しみやいたわりへと転じられていくストーリーが紡がれている。
 
鎌倉の香田家という世界に、浸らせていただいて、静かにモノ思うのであるな。
 
さてさて。一昔前なら、これは紛れもなく『小説世界』として現前したであろうにと、感慨深いものもある。
 
このたび2013年のマンガ大賞にノミネートされたとのことである。
 
 
 
 

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