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これから 榎本栄一
未熟には たのしみがある まだ 日月に照らされ これから 熟するという たのしみがある
昔、お寺の入り口に柿の木があった。今「じゅげむ」のあるところである。渋柿なので、もいでそのままは食べられない。押し入れに米櫃があって、祖父や祖母が、そこへ橙色に染まりかけた柿の実をしまっておくのである。不審げな孫の私に、祖父は「こうしておくと甘うなるんやで」と教えてくれた。幾日かして、米櫃の蓋を外すと、お米の匂いがして、さらさらの米粒に包まれて、真っ赤になって押したらつぶれそうな顔をした柿が、甘い香りをまとって現れるのだ。それから私たち兄弟は、秋になると争うように柿をもぎ、自分で米櫃に柿の実を埋め込むようになった。柿の木に登れるようにもなり、自分で熟柿が作れるようになった。 時が過ぎて祖父は浄土の仏となり、米はレバーを引くと決まった量が出てくる機械に収納されて、米櫃そのものがお寺から消えた。それから五〇年、あちこちで作られる様々な「干し柿」をいただくようになった。ジュクジュクもカチカチも大好物である。 阿弥陀さまのおはたらきを「超熟の光」といただくことである。摂取の心光に目覚めて一念帰命となるよう、導き、諭し、思い知らせて、育てて下さるのである。「まだかなあ」とみつからぬように、米櫃の蓋をこっそりと開けてのぞいていた、あの幼い頃のドキドキを、六〇になっても八〇になっても味わえるのがご当流。南無阿弥陀仏の醍醐味である。11月の予定
〇常例 12日午後2時〜 正信偈 講師:安方哲爾師
〇住職出講 3日 大圓寺(堺市美原区) 午後2時〜 7時〜 報恩講
16日 浄願寺(大阪市旭区) 午後2時〜 寄せ報恩講
22日 旭照寺(堺市東区) 午後2時〜 7時 報恩講
23日 旭照寺(堺市東区) 午後2時〜 報恩講 |

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