去年 金子みすゞお舟、みたみた、お正月、元日、旗も立てずに黒い帆あげて、ここの港を出てゆく舟を。お舟、あの舟、乘つてるものは、けふの初日に追ひ立てられた、ふるい去年か、去年か、さうか。お舟、ゆくゆく、あのゆく先に、去年のあがる港があるか、去年を待つて、たあれか居るか。去年、みたみた、お正月、元日、黒い帆かけたお舟に乘つて、西へ西へと逃げてく影を。新春合掌。明けまして南無阿弥陀仏。住職もとうとう還暦を迎えます。小さい頃に想像していた六〇歳と、実感がずいぶん違いますね。思いはずっと三〇代の感じです(笑)が、身体は正直で、いろいろと老いを認めざるを得ない状態になってきています。本年五〇回忌を勤めます、祖父・十五世住職、了諦法師が六十四歳の往生ですから、リアルに「死」を想うようにもなりました。毎日の日暮しの中で、必要なことはやっておく。そういう気持ちの新年です。 みすゞが描いてくれたように、いつもの一日ながら、初日の出とともに昨日は「去年」になる。私たちの関心が新年へと向かっているうちに、その「去年」は人知れずに旅立っていきます。それは捨てられ忘れ去られていくのでしょうか。いえ、嬉しいことに静かに西へ西へとすすみ、帰るべき世界に向かっているというのです。それがアミダさまのおはたらき。「あがる港」でまちきれずに、ここにおこしの名号です。 |

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