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スウィートbonbon(壽光寺の内緒話)

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2015年 1月

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去年 金子みすゞ


舟、みたみた、

お正月、元日、

旗も立てずに黒い帆あげて、

ここの港を出てゆく舟を。


お舟、あの舟、

乘つてるものは、

けふの初日に追ひ立てられた、

ふるい去年か、去年か、さうか。

 

お舟、ゆくゆく、

あのゆく先に、

去年のあがる港があるか、

去年を待つて、たあれか居るか。

 

去年、みたみた、

お正月、元日、

黒い帆かけたお舟に乘つて、

西へ西へと逃げてく影を。


 新春合掌。明けまして南無阿弥陀仏。住職もとうとう還暦を迎えます。小さい頃に想像していた六〇歳と、実感がずいぶん違いますね。思いはずっと三〇代の感じです()が、身体は正直で、いろいろと老いを認めざるを得ない状態になってきています。本年五〇回忌を勤めます、祖父・十五世住職、了諦法師が六十四歳の往生ですから、リアルに「死」を想うようにもなりました。毎日の日暮しの中で、必要なことはやっておく。そういう気持ちの新年です。 みすゞが描いてくれたように、いつもの一日ながら、初日の出とともに昨日は「去年」になる。私たちの関心が新年へと向かっているうちに、その「去年」は人知れずに旅立っていきます。それは捨てられ忘れ去られていくのでしょうか。いえ、嬉しいことに静かに西へ西へとすすみ、帰るべき世界に向かっているというのです。それがアミダさまのおはたらき。「あがる港」でまちきれずに、ここにおこしの名号です。

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