ここから本文です

スウィートbonbon(壽光寺の内緒話)

書庫無題

読書の記録でありますボールド
記事検索
検索

このブログの歴史篇で展開している、宗教についての新たな見方を、補強してくれる本。

おもしろいですよ。入門者のために、わかり易くといてくれている。第一章の「怨霊の神々」での、将門伝説と首塚の話も、一昔前に「帝都大戦」シリーズ取り上げられたもの。

「天神」さまの話でも、そうなのだが、人事までにいたる高等テクノロジーだということが、納得できます。「祟る」というのは、宣言すると、それを打ち消さなくてはならんわけです。

ま、京極堂の「巷説百物語」シリーズも、併せて読んでいただくと、もっとぴんとくるかも。

そこに生きた誰かの記憶を加工していくテクノロジー。京極夏彦流にいえば「見えるはずのものが見えない」それは、自分自身でワクを作って見えなくしているから。

文化的・記号的に人を殺し、かつ人を活かすことができる。物理的な行為には主体が対応するけど、神仏のはたらきは人智を超えているから、責任の取り様がない。

第三章は、地政学そのもので、祭祀の本質は天文地勢にあることが明確になります。

こういう簡単な解説書にして、的をはずさん、というのが書き手としては大変困難な仕事なんですね。

宮元健次恐るべし。きっちり予想どおり、「工学部」の教授さんでした。

『神社の系譜 なぜそこにあるのか』光文社新書 宮元健次 735円。

開くトラックバック(1)

米澤穂信の文庫版新作。といっても、「春期限定イチゴタルト事件」の続作でもある。

きっと、ほとんどの人がつまらないと見過ごすであろう作品。

「10代向きのジュヴナイル?」「何か、子ども子どもした文章でついていけない。」
それは正しい。

がしかし。無理しても読んでほしいんです。なぜなら、最後にいたってある種の戦慄があるからです。人と人との関係、家族とは? 友とは? ありとあらゆる既知の関係の想定外の事に、出会えるのです。

そして、これが現代社会の若者たちの実態を、少なからず写しだす鏡であるならば、おじさんたちもまたもう少し若者にコミットして、謙虚に学んだりぶつかったりしなければならないと思います。

ミステリーとして楽しむべき部分もありつつ、小説世界がミステリーです。ニ三日考えてしまいまいたぞ、僧侶は。

むしろ40歳以上の人に、読んで欲しいと思います。創元推理文庫 600円です。

 快作ですね。「靖国参拝」が天皇否定であることを明確に述べる明石に脱帽。神道とは何かという理解の深さから説かれる論である。

国家祭祀ができるのは天皇のみ→天皇は東条らをそれぞれ一神一柱として祭る予定であった(東郷神社・乃木神社)→靖国神社の宮司風情が!(という怒りを感じた)勝手に、A級戦犯を合祀した。国民護持というリクツで。

これが全て、天皇制否定、神国日本否定の論理になっていると明石は指摘し、篠田が同意する。まあ一度、博学な明石の論に耳を傾けるといい。

実は、仏教徒として、今の靖国神社の動きやそれを護持する人々の論は拙い、つまり仏教側からはおいしいと、感じていたのである。憲法だの何だのという後からのせこい位置づけではなく、神の磐座(いわくら)が国であるというのが、宗教者天皇の根拠なのである。神国日本とは天皇祭祀のことである。

(だから、私はずっと「仏教」は個人を支えても、国家を形成する論理にはならないとこのブログで言い続けてるんよ。)

まあ、刺激的でオモシロイッス。賛否どちらにしても一言いいたくなる、そんな書物は「閉じてない」ですね。オススメです。

 「お茶をついでもらう私がいっぱいになる」

こんな暖かい句を作る人が顕信である。その人が、節分の豆まきの声に自分のうちに住む「鬼」を聞く。
人間ってすごいなあと思わされます・

みなさんは、どんな人だと思われますか?

何歳くらい?どういう暮らしをした人?

1961年生まれです。岡山県のとある市役所の職員でした。

 「あけっぱなした窓が青空」「立ち上がればよろめく星空」「陽にあたれば歩けそうな脚なでてみる」

どうですか?そうです。彼は病人ですね。歩けない。実は、入院しているのです。骨髄性白血病、これが彼の病名でした。

 『「一人死亡」というデジタルの冷たい表示』 「病んでいる耳に友の死を告げられた」

発病は、23歳。新婚4ヶ月でした。そして彼は1986年2月6日往生します。

「黒衣一枚凡夫の私が歩いている」「合掌する手が蚊をたたく」

顕信は法名。1983年西本願寺にて得度。浄土真宗の僧侶でした。

 住宅(すみたく)春美。中学卒業後、調理師学校から市役所職員へ。思う所あって手次の住職の斡旋で中央仏教学院で学び得度。新婚4ヶ月の発病が原因で離婚。妻は妊娠していた。生まれた長男、春樹を引き取り病床で父親を。

香山さんは、中原中也や尾崎豊、さらに山田かまち等を念頭に置きながら、顕信の人生を追い句を負う。顕信の句はすべて、発病後であった。
「バイバイは幼い掌の裏表」息子の春樹氏は父の思い出として、病院から帰るときの風景を鮮烈なものとしてあげられ、この句が最も好きだとおっしゃる。

顕信との約束で死後、句集「未完成」を編まれた池畑秀一氏は、父の葬儀の時に三歳前の春樹氏が火葬場で、、
「お父さんを焼いてくれてありがとう」と言ったことを記録しておられる。

もっともっと知られていい人であると思う。

開くトラックバック(1)

宗教や宗派を時代の中において、ある意味客観的に考察しようと対話された傑作。わが宗派の精鋭、釋撤宗氏と、思想学者・内田樹氏が、インターネットで公開対話された記録。

こういう本は、我が宗派の僧侶は、読まんだろうねえ。一般にも売れない。よく出版したぞ、本願寺出版社!えらい。

なんば歩きの、古武道家の甲野さんについては、NHK教育TVでも興味をもって観た記憶があるが、その彼をきちんと評価したのは、内田さんが最初ではないだろうか。

日本人の伝統的歩行である「なんば」が、国民皆兵の方針で徴兵が施行されたときから、否定される不合理なものに貶められた。近代国民国家は身体知を否定し、人間を心と体に分離して、体の動きの合理性だけを追求するのである。

西洋近代の呪縛を解く方向としての、身体知の復権と宗教の復権をめざす二人の対話はスリリングで知的な興奮を覚えた。

でも、「制度化された宗教なぞ、儀礼中心のたしなみ程度で十分」という賢者の立場に立ち、制度の中で充足している伝統教団やその僧侶には、全く関心のない話題です。

そのことが、悲しい。

安い本なので、思想関係や宗教に興味がおありの方は、中沢新一VS河合隼雄の「仏教がスキ!」と並んで☆5つのおススメです。740円です。書店で注文するか、本願寺東京別院(築地本願寺)にて購入可能です。

nazuna
nazuna
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新のコメント最新のコメント

すべて表示

ブログバナー

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン

みんなの更新記事