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スウィートbonbon(壽光寺の内緒話)

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胃がんでした。それでも高座に上がられました。ほぼ同年代の噺家さん。人間国宝・米朝門下。彼の話を初めて聞いたのは千里セルシー寄席でした。「口合い小町」という珍しい噺。夫婦が地口(しゃれ)でかけあいをする噺です。それが、レコードで聞く米朝さんのものと違うんです。くすぐり(ギャグのことです)が現代風で、斬新でした。

聞き終わった後、声をかけました。「あの展開はなんで?」「うん。ま、冒険ですかねえ」舞台よりも穏やかで端正な口調でした。少しテレ臭そうでもありました。「よかったです。また聞かせてもらいます。」「おおきに。またおこしやす。」

たったこれだけの出会いでした。しかしその後、「地獄八景亡者の戯れ」という長編や「たちきれ線香」という上方屈指の人情噺、そして「子ホメ」などという前座噺にも吉朝流の工夫と展開があり、明らかに師米朝の模倣ではない独自の道を歩まれてていることは、よくわかりました。

享年50歳。早すぎる。誰もがそう思ったことでしょう。私の中では、米朝師の師匠であった四世桂米團治師の姿に重なってきておりました。五世松鶴師とともに上方落語の衰退期に雑誌発行でもって支え、「代書」にみられるオリジナルな感覚をもたれていた先輩の名跡を継ぐべきお人でありました。

もうCDやDVDのなかでしか、彼には会えません。これからも繰り返し繰り返し彼の噺を聞きたくなる瞬間が来るでしょう。未完の名人です!

《興味のある方は、おとしばなし「吉朝庵」1〜5のCD・カセットが販売されています。ぜひ一度聞いてください。》

男は、客席を睥睨する。深い井戸の底を覗き込むような瞳である。テントの外は木枯らしが吹き荒ぶが、中は若者の熱気で溢れている。

新宿、花園神社。京都下鴨神社糺の森。大阪、住之江公園護国神社。〈赤テント〉の芝居に夢中だった70年代。ボクは演劇青年だった。

唐の描く世界は、猥雑でかつ神秘的で、世界の芳醇さと複雑さを教えてくれた。何より役者たちが生身だった。四谷シモン。根津甚八。麿赤児。不破万作。小林薫。芝居が始まるまで、政治を語り表現を語りあるいはオネエチャンをナンパし、時には肩を組んで歌ったこともある。それが、次の瞬間に特攻あがりの海賊になりはたまたネンネコ社の社員になり、縦横無尽に舞台をかけまわる。客演の清川虹子や常田不二男も忘れがたい。

しかしなんといっても状況劇場は、唐と李である。冒頭に述べた役者としての唐十郎は、常に客席の若者が抱いている「虚無=ニヒリズム」を見つめていた気がする。虚無を見つめつつ決して虚無には落ちないという強い意志を、唐流ロマンチシズムへの誘いとして、作劇していたように思う。

この意味で多感な十代から二十代にかけて、唐の影響を受けたことは幸せであった。猥雑で混沌とした無秩序な世界に、ロマンをもって撲りこみをかけろよテメェ等!と、扇動されていたように思う。

芝居のハネるその瞬間に、必ずといっていいほどテントは解体され演劇空間と現実の空間が連結されるのが、お決まりであった。テントの向こうに広がる森に、また繁華街に、役者も観客も投げ出される。それは、閉ざされた空間と時間の物語ではなく、演劇を演じる行為観劇する行為がそのまま日常世界と地続きであることを確認することであり、物語は一人ひとりが紡ぐものだという大人のメッセージであった。

あのときの観客は、今どんな物語を紡いでいるだろうかと、ボクは自身に問いかける。唐のあの深い瞳を心に抱いて。

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3年前、一人芝居の舞台を手伝った。「卑弥呼伝説」という舞台。そのほかにも「身世打鈴(シンセタリョン)」など、多くの一人芝居に取り組む。関西屈指の女優。

関西芸術座という劇団で鍛えられ、道井直次さんという大演出家と切磋琢磨し磨かれた芸は、一見の価値あり。

最近では、近年のマイベストムービー、犬童一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」で池脇千鶴(この女優も達者で好きな女優だ)の祖母役を怪演されていた。現実の中ですりへりながらもめげへん、けど夢見るほど甘くはない。そういった大阪の「おバア」がぴったりはまる。

娘と入ったフランス料理店でばったり出くわしたり、ご縁のある俳優さんである。この度、「私の履歴書」という本も出版された。

でもやっぱ舞台だよ。とっくに足を洗ったはずの、ボク自身の役者としての魂が揺さぶられて、やりたくなってしまう。60過ぎてからお寺で一人芝居を演じてみようか、なんていう煩悩が燃えます。機会があれば、彼女の舞台を一度見てください。

マルセは孤独だった。在日として日本社会で生き、芸人という道を選択したが、大うけしたりスターになる要素はなかった。

ボクは大阪のステージで、二度生で見た。一度目は「サル」芸だった。思案するサル、といったらいいのか、中年ザルの哀愁が漂う動きだった。おそらく彼は、細部にわたってサルを観察しつづけた。動物園に通い、子ども連れの家族の絵に描いたような幸せに囲まれて、一人サルの心を模索し続けたに違いない。

その孤独感に魅かれた。彼のプライベートはそんなに知らない。でも、綿引洸を彷彿とさせる風貌と、とつとつとした語り口に、20代だったボクは大人の哀しみを感じていた。

その後、小栗康平「泥の河」を語りで聞かせるという、映画を語る芸に展開し、その頃二度目の生ステージを見た。

法話なるものをボクはする。「仏徳讃談」といって、ブッダの素晴らしさを説く。それはつまり人間の理想を語ることであり、浄土教はそのようなブッダに到底なれそうもない人間の業の悲しさや切なさを語り、そして必ず救われてブッダとなる命を与えられ生かされていることを通して、「人間存在」を全面肯定していく、人間賛歌でもある。

マルセのステージは、ボクにとって「法話」だった。そこには、一人のブッダを求めて止まぬ「凡夫」がいた。

彼の姿が消えてどれくらいになるのだろうか。映画の語り芸は、お手軽なレンタルビデオにとってかわられた。しかし、ボクの耳には映画で見たシーンよりも鮮やかに彼の「きっちゃーーん」という叫び声が残っている。姿を消した「河舟」と娼婦の子との淡い交流の思い出。大阪の下町に育ったボクの周りにもたくさんいた水商売の親をもつ同年代の子。或いは三井三池炭鉱闘争の敗残者であり、或いは被差別部落出身者であったり、在日朝鮮人であったり。

映画や小説やほかのどんな芸術より、マルセの叫びはボクの胸に突き刺さっている……。

だいぶ暑い日がつづいております。おかしなもんでついちょっと前は、「3月やいうのにさぶいな。」と愚痴ってた口が、「暑い暑い」と文句をいいます。ま、勝手なもんですな、私らは。

ここにいるいつものアホが息をきらして走ってきよって、
「(どんどん)清やン清やン、いてるか。」
「ンもう、誰やねん。人がせっかく眠ったとおもたら」
「清やン(大声)。」同時に戸が開きまして、「わあ」
「お、びっくりした!誰がこんな夜中に大声だすのか思うたら、お前か」
「ああ、びっくりした。急に顔だしないな。あれ、清やン清やン?」
「いや、喜ぃ公、わしやがな。こいつ今の拍子にどこぞデボチンでもうちよったんかいな。」
「なんでや。声はすれども姿は見えず、ほんにお前は屁のような。」
「何抜かしとんねん。とうとう人を屁にしてしまよったで。(間)ははん、こいつ用水桶に頭からつっこんどうがな。ほれ、よっとしょ。」と引き上げる。
「ああ、身体が浮く。えらいこっちゃ。清やン助けてくれ。」
「こら、喜ィ公落ち着け。わしやがな。」
「わし、わしてこうツメの鋭い嘴の尖った、ああやっぱり空飛んでるんや。」
「しゃあない奴やな、これしっかりしなはれ!」とおろす。
「(はっとして)ああ、清やンお前は鳥か?」
「何をあほな事を言うてんねん。落ち着け言うとんねん。ええ、こないな夜中に人の家きてわあわあ言うて、何があったんや。」
「せ、せや。そうやねん。ちんきゅうにお前にたんねたい事がでけた。」
「ちんきゅう?」
「せやない。あの、あの、ちんやのうてそのたまが、そ、これくらいのな。(指で○をつくる)。」
「ああ、ピンポンだまか。ピン球かいな。」
「そうそう、福原愛がサーっちゅう。このサーと。違うがな。それその、タマが一個やのうて二個や。ああ言い難いな。」
「何をテレととんねん。言わんとわからんやないか。」
「ん、ほ、ほたら言うけど。ほれ、チンやのうてその、その下にこうぶら下がった袋に入った。」
「金玉か。」
「しー、はしたない事大声でいいな。」「あほ、お前がいわしとるんやないか。」
「そのタマそのタマ。」
「金玉?ははあん。お前のいいたいのは、きんきゅう、ちゅうことやな。」
「正解、ピンポン。サー」
「あほな事いうてんねやないで。で、何やその緊急の事言うのは」・・・・(続)

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