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ついさっきラストシーンだけ観てみたので、
久しぶりにクレしん映画の感想&考察なんぞを書いてみることにします。

水島努の最期のクレヨンしんちゃん映画、カスカベボーイズ。
水野晴男っぽいキャラクターやお約束的な展開は、
完全に皮肉としか思えませんでした。
西部劇を舞台に使うのもそうですね。

虐げられ虐げれられて、最後に一発逆転的な展開は、もはや使うことすら躊躇われるお約束。
何度とないご都合主義の前に、彼我の形成は逆転に次ぐ逆転。
最後に敵の親玉をフルボッコにして、爽快感とともにエンディングへ、
と言うのが主な流れ。


どうにもこの映画で着目されているのがしんのすけの『初恋』です。
そして、どうにもしんのすけの心情変化が腑に落ちにくいラストシーンに、
いろいろな解釈があるようです。

ここで、確認しておきたいのは、
しんのすけは映画の世界に取り込まれ、主人公というポジションに就くわけですが、
もともとはただのひとりの観客に過ぎなかったと言うことが重要かと思います。
要するに、この作品におけるしんのすけは『映画の主人公』と『観客』という
2つの意味を持っているのです。
そして、それは紛れもなく、映画の主人公に感情移入することで追体験を得る
『観客そのもの』ではないかと思います。
そして、シロのポジションを確認しておくと、シロは野原家の飼い犬ではなく、
あくまでシロはしんのすけの犬なのです。(たしか、みさえがどこかでそう言っていました)
幼児のしんのすけなのですが、しんのすけには『シロの飼い主』という社会的役割が存在しているのです。
シロの世話はしんのすけの責任であり、シロそのものがしんのすけの日常・現実なのです。
『観客』としてのしんのすけ、『現実』としてのシロ。
それをふまえると、しんのすけが失意の底からあっさり元気を取り戻した理由がはっきりします。

物語の最後、取り込まれた映画のエンディングを迎え、脱出できたしんのすけが、
ツバキちゃんという思い人が映画の中にしかいないことに気付き、映画の世界に帰りたいと願いますが
もう映画の世界に帰れないことに気付いて心底落胆します。
[映画の余韻に浸っている状態]
そのとき帰りの遅いしんのすけを迎えに来たシロが映画館の外で鳴いています。
[映画の後に待っている現実]
そして扉を開けると飛び込んできたシロに、帰りが遅くなったことへの気遣いの言葉を掛けて、元気に走り去るしんのすけ。
[映画館を出て、現実に立ち返った]

ツバキの存在は、あくまで鑑賞している映画のヒロインでしょう。
映画を観ているときや見終わった直後は、そのキャラクターへの執着が残っていても、
シロという現実に再び向き合えば、すぐに忘れてしまう程度の存在なのです。

失意していたしんのすけが、シロの登場で急に元気を取り戻したことに
ずいぶんと違和感を感じた視聴者が多いようですが、
このように解釈すると、ずいぶんすっきりする気がします。

それに伴って、序盤を振り返ってみると、
当初は映画の世界観に違和感を感じながらも、それを次第に受け入れ
やがて元の現実の世界の感覚を失っていく野原家の面々――。
もちろん、この作品のストーリー上の都合ということもあるでしょうが、
それはきっと、映画を観ていくにつれて、どっぷりとその世界観にハマり、
文字通り、現実を忘れて見入っている状況を比喩しているとしか思えません。
風間君のような単純君は、あっさり映画のキャラクターになってしまい、
ボーちゃんのような冷静で達観したキャラクターは、なかなか世界に浸からない、
そんな個人差もそのあたりを考慮してのモノではないかなと思います。


ツバキ=シロ説、とかもあるようですが、どうにも違和感を拭えない。
あの映画の世界では映画オリジナルキャラクターと観客の自己認識がごっちゃになっていますから、
自分が現実に属する存在だと、勘違いしていても、たいして不思議はない。
(現に、取り込まれた観客の中には春日部の存在を忘れている人たちも多数いましたし)
あるいは『一緒に春日部に帰ろう』と言ったしんのすけに椿がうなずいてみせたのは、
物語を収束に導く力を持ったしんのすけのやる気をそがないための配慮かも知れない。
とにかく、ラストカットの降りている席の数にしても、いくらでも解釈のしようはある気がします。
蛇足というか、こじつけですが、「ツバキ」という日本人のような名前の少女が、
西部劇を舞台の映画に登場人物としては不自然ではないか?
と考える人もいるのかも知れませんが、
「荒野の七人」のパロディと思われるキャラクターが出てきた事実が
あの世界観のごちゃ混ぜ感を象徴していますwww
深く考えたら負けですwwwww
というか、そもそも「荒野の七人」の映画のルーツを考えれば、
今更論じるようなレベルの話ではないですし。



まあ、私が素直に感じた、水島監督の皮肉混じりの映画観が、
この映画の主題ではないかと私は思っていますw








しかし、NoPLANうざい。
内Pは好きでしたが、こういうところに出てきて欲しくなかった。
正直、タダの異物…。
歌もOPで、往年の名曲『オラは人気者』を使用してじつに気分良かったのに、
EDがあれでは萎え萎えです。

映画のEDは余韻に浸ったり、解釈をまとめるためのモラトリアムなのですから、
その邪魔をしないで欲しい。
本編終了すると早々に席を立つ観客と同じレベルでの邪魔です。ある意味w

そういや、最近、映画館に行っていません。
実際、邪魔されることなく観ることが出来る環境のほうがはるかに楽しめるので、
映画館で観るよりも自分の家で観た方が良いとも思えるのが現実です。

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