YouTubeをブラブラしてたら
知り合いに頼まれとかで 番組で紹介したところ リスナーに好評で
メジャーデビューの きっかけだったのかな? 結構話題になったようだが |
若い人たち
-
詳細
|
数年前のことであるが── 若者向け深夜ラジオの番組に 俳優の三浦友和がゲスト出演していたので、 珍しいなとダイヤルを止めた。 パーソナリティである男性局アナは 三浦友和のこれまでの活躍や お約束通りに妻の山口百恵のこと。 それに、 高校時代の同級生で 当時病気療養中だった忌野清志郎との エピソードを聞き出していた。 そして、 インタビューの最後に ラジオを聴いている若者達に メッセージがほしい 若者達に希望を持ってもらうために 夢は必ず叶うということを言ってくれ と無神経なことを言いだしたのである。 ラジオだから見えはしないが── それまで 上機嫌だった三浦の顔色が その言葉で明らかに変わったのが分かる。 正確な文言は覚えていないが そんなことは言えない と三浦は苦笑交じりに言った。 すると、 それまでご機嫌を伺いをしながら インタビューをしていた 男性局アナが豹変して なんてことを言うんだ そんなことを言って貰っては困る とばかりに声を荒げたのである。 だが、 すぐに相手が相手だと 思いなおしたようで なんとか 若者に夢を希望を持って貰う為に 何かメッセージを と懇願するのであった。 調子の良い言葉を期待する 男性局アナに対し 三浦友和の渋い顔が 目に浮かぶようである。 そして 自分は俳優だから 役者の世界しか分からないが と断ったうえで おおよそ次のようなことを話し始めた。 もし、 ラジオを聴いている人の中で 俳優になりたい人がいるなら 最初から諦めて あとで後悔するくらいだったら 夢に挑戦するのも手だ。 どのくらいかかるかは わからないが── 頑張っていれば 大概はやがて、 それなりに役者として やっていけるようになるのではないか。 だが、 トップスターとなるとハナシは別だ。 トップスターは、 本人がどうのと言うより 時代が生み出すところがある。 時代的な背景とか タイミングというのもあるし 時代の要請や 大衆がもとめるもの 関係者や周りの人間の思惑など 本人の努力や資質だけでは どうにも出来ないことが沢山ある。 それでもいいとか そういうのが分かるというなら 俳優になる 夢を追ってみるのも 悪くないのではないか───。 おそらく、 三浦友和の言葉は 若いリスナーより 番組のパーソナリティである 三十過ぎの男性局アナが 一番納得したのではないか。 だが、 インタビューをしめる 男性局アナは なんとも体裁が悪そうであった。 それにしても どうして最近は、 調子のいいことばかりを 競い合うように言って 三浦友和のような 至極当たり前のことを ネガティブ扱い どころか 悪魔の囁きのように 口封じしようとするのだろう。 もろさが モロばれではないか。 *写真はフォト満タン(デザインエクスチェンジ株式会社)
|
|
「権力のための権力だったね?」 少し時間に余裕があった私は 青年と権力について話すことにした。 「ええ、そうなんです。 その権力のためにも 権力があるという感じで…」 とはいっても 私は権力に縁などなく 考えたこともない。 「それで、権力のための権力が そのまた権力が… とループするんだったね」 もう随分と昔のことだから、 なにを話したかは覚えていないが、 ただ彼の言葉をなぞって繰り返したり、 私の言葉に変えて意味を確認したり こうは考えられないかと話をした。 たまに彼を否定しない範囲で わざと違うことを言ってみたかもしれない。 ただそれだけの事だったが、 十分ほどのやり取りで 青年に光明がさす何かが起きたようだ。 「わかった。 そうか、わかりましたよ」 青年が突然叫んだ。 青年の権力論は あいにく覚えていない。 東大志望と言っても 高校生なのだなという稚拙さと そう正しいとも思えない 代物だったように思う。 だが、そんなことより 青年が青年の考え方で なんらかの結論が出せたことが 大事なのだ。 というようなことを言ったと思うが、 青年は随分とはしゃいでいたから おそらく聞いてはいなかっただろう。 青年は挨拶もそこそこに 公衆電話に向かったのだった。 「かあさん。 わかったよ ぼくわかったんだよ。 うん、わかったんだ…」 後日、 青年の主治医だという 若い女性医師が現れ 私は礼を言われた。 「お話をして頂けたんですって?」 青年の話しぶりから 主治医はベテラン医師だと思っていたが、 その大学病院では入院患者は、 若い医師が担当するようだ。 女性医師によると、 私と話したあと 青年は明るくなり 病状も良化して 退院の目処がたったという。 医師の話を聞きながら あのくらいで元気になるんだったら、 誰かもっと早くから話をしてあげれば 良かたっんじゃないのかと思ったものだ。 だが… そう世の中は甘くないようだ。 私と話をした一週間後、 青年は無事退院したが、 半年ほど家族の愛に包まれた 生活をすごしたのち 再び大学病院に戻ったそうだ。 あれから、 十年以上の時が流れた。 青年には、 弟と同じ学年になりそうだという プレッシャーもあったようだが、 無事東大進学をはたし 外交官の道を歩んだろうか 知る由もない <<東大志望青年の話 了>>
|
|
<<権力のつづき>> 「別に変じゃないと思うよ」 私は医者ではないから、 病気のことまでは分からないけど と断った上でそう言った。 「誰でも通る道だし」 もちろん誰も彼もが、 権力について考えるわけではない。 私が中学生のころは、 思春期には、 妙に観念的になる時期があることを、 教師が教えてくれたものだ。 「人によって 遅い早いはあるけど 思春期によくあることだよ」 私が通った中学校では 教師がPTAの会合でも 思春期にかかる ハシカみたいなものだと 言っていたらしい。 「私にもそういう時期はあったし 兄弟も似たようなことがあったんじゃないかな」 私の恩師は 大人からすれば、 なんでそんなことを というようなことを 考えたりすることがあるが、 ハシカのように人間の成長の上では 大切なことだと言っていた。 だから、変に心配する親もいなかった。 「女の子のほうが成長が早いから 中学校の頃はその手の話は 女子としたかな」 遠巻きに あいつは変だという同級生もいたが、 変だけど面白いじゃないという 同級生も結構いて 楽しかったと話したが 青年にはそのような経験はないという。 そういえば、 青年に出会う少し前に 入社四・五年の女子社員が 最近、 言葉の不思議さについて 考えこむようになって、 なんで、なんでってなっちゃって… 今までこんな風に 頭を使ったことがないから なんだか不思議なような 不安な感じがして 戸惑っているんです と言っていたのを思い出した。 聞けば、 その女子社員は 中高生時代から今まで 観念的になったり 深く悩んだことがなく 素直にそのまま社会人になったのだそうだ。 「社会人になってからだと 大変みたいだよ」 私は女子社員のことに少しふれた。 君は学生のうちに そういう時期が来たんだから ラッキーだと思えばいい。 権力でもいいし なんでもいい、 ものごとをどういう道筋で 考えるかが大事だ。 それが 君の人間形成にもつながる…と、 誰かの受け売りも交えて話した。 「将来、 君がどういう 外交官になるかにつながる 大事なことを 今君はやっているんだと思うよ」 青年の顔に血の気がさしたような気がした。 <<つづく>>
|



