テキサス馬鹿日記
「馬鹿☆テキサス」――テキサスに来る方には必読書?!今日はちょっと趣をかえて、本のレビューなど。 で、選んだ本が 「馬鹿☆テキサス」 …………。 タイトルからして、なんて人を喰った題名。 まあ、こんな名前の本が日本で出版されたからには、 テキサスに住んでいるバカの一人としては、 絶対一度は読んで見なくては(!!)、と思っていました。 (↑意味ない気合。でも、実は結構なミステリマニアだったりします) んで、一時帰国の時に新宿紀伊国屋にてわざわざ購入〜。 じゃじゃ〜〜ん☆ タイトルも凄いけれど、表紙はさらに凄い。 …………。 う〜ん、まさしく「馬鹿☆テキサス」 題名はアマゾンによると、古典映画の「パリ・テキサス」をもじったそうです。 この「パリ・テキサス」も、 てっきりフランスは文化の都パリに関係あるのかと思いきや、 全編テキサスの田舎町パリを目指す広大な荒野が舞台で、 フランスのパリは欠片も出てこない、ある意味サプライズな名画。 あ、でも内容は孤独な男が失われた家族の絆を取り戻していく姿を 切ない音楽に乗せて情緒豊かに描いた名画なんで、見る価値ありまくりです。 ご安心を。 脱線はさておき、 テキサスに関係するとどれもこれも「おバカ☆サプライズ」路線に変ってしまうんでは と思ったりもするのですが、 「馬鹿☆テキサス」はサプライズには走りません。 題名から想像できるとおり、期待を裏切らないファースな路線のお馬鹿ミステリ。 うーん、これ。 テキサスに住んでいるから、ご当地としては結構ニヤニヤしまくれるけれど、 日本の人にはどうなんでしょうか。 まあ、勢いがあるし、登場人物もわかりやすい。 主人公はアメリカでは最も人気あるであろう、 人情を解し悪を憎む、ウィットにとんだイケ面マッチョ。 狩猟監督官という、現代の保安官(保安官に当たる人は別にいるのですが) ともいえる立場にあって、正義を体現しちゃいます。 ヒロインはこれまたヒストリカルハーレクインロマンスの定番ヒロイン サザンベル(=南部美人、健康で美しい容姿と清らかでたくましい魂を持つ) の系譜を引く、ジュリア・ロバーツ似の美人看護婦ときたもんだ。 対する悪役は、おばかなチンピラ二人組と、 それを手先に使う、元凄腕ロビイストの卑劣な手段を使う大金持ちの牧場主。 その裏では、アメリカにとって悪の輸出国の1つであるコロンビアから来た ヘンな英語を話すラテン系マフィアが暗躍する。 う〜ん、判りやすい。 ベタだ、ベタだ、ベタ過ぎる。 アメリカ的感覚だと、もっと判りやすいかも。 この人間配置は、水戸黄門とかそんな感じの、定番な配置です。 主筋となる事件は、主人公の親友が手塩にかけて育てたが、 現在は元ロビイストの卑劣な牧場主に奪われてしまった "立派な角を持つ可愛い鹿が普段にはない大暴れ"をしている、というもの。 (以下、ネタばれあり) そこからうっかりハチベエのようなキャラのたった学者が、 鹿の暴れっぷりに関連して大怪我したり、 主人公の友人は殴られて大怪我したり、 主人公も殴られて大怪我したり、 チンピラの一人も蛇にかまれて大怪我したり。 って、殺人おこらないじゃん!! やっぱり馬鹿ミスだね! と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、 サブでは身元不明の遺体が川からあがるという事件が起こり、 騒動に巻き込まれた人たちも……、ということがあるので 事件としては、結構深刻なものがあったりします。 (ネタばれ、終り) でも、文体も軽く、 なにより登場人物がテキサスサイズ(=超BIG)にファンキーな人たちなので 悲壮感もなく、読み口の良い、さらりと読了できる作品に仕上がっているのが とても大きな長所だと思います。 割と常識的に、利をもって判断する牧場主ややり手のコロンビア人マフィアが きちんと練った作戦が、おバカな人たちや鹿の思わぬ行動で どんどん錐もみ状態で斜め上に行ってしまう過程を、 「んなことあるか〜?」 って、笑いながら読むのが、本書の正しい読み方だといえるんじゃないでしょうか。 ちなみに、この本に書かれているテキサス人達は、 すごくリアルです。 本当です。 日本での発売時に、アオリでエルモア・レナードやカール・ハイアセン路線で 売ろうとして、それを期待して買った方たちが人物像の「薄さ」にがっかり、 というようなことを書かれていましたが、 テキサスの人たちって、 本当に本書に描かれているような人たちが多いと思います。 レナード/ハイアセンに出てくるような、 二重底の人たちばかり、って訳じゃないんじゃないかな、人間って。 まあ、確かにハイアセンのような「悪かと思えば善・善かと思えば悪」で うならされる醍醐味はないんですけれどね。 とはいえ、個人的にはこれもまたリアリティだと考える次第です。 尚、大変申し訳ないのですが、巻末の杉江松恋さんの解説には サザンアメリカンカルチャーに関する、猛烈に基本的な間違いが二つあったり。 あの解説に載っている用語をそのままアメリカに来て使うと、 とっても恥ずかしいことになってしまうので、お勧めできません。 増刷されることがあったら、直したほうがいいような。。 でも、増刷ってありえないか。 とにかく、テキサスに興味のある方、おバカなものを広い心で許せる方、
にはお薦めの一冊なのです。 |
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