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アントワーヌとコレット(1962年) 原題:ANTOINE ET COLETTE 時間:短編 / モノクロ 脚本:フランソワ・トリュフォー 撮影:ラウール・クタール 音楽:ジョルジュ・ドリュー 出演:ジャン=ピエール・レオー、マリー=フランス・ピジェ 『大人は判ってくれない』から三年後、少年鑑別所を抜け出したアントワーヌは17歳になっていた。問題児の面影は薄れ、今はレコード工場で働き、いちおう社会復帰を果たしているようだ。そんなある日、アントワーヌは青年音楽連盟のコンサートでコレットという美少女に出会い、彼女に恋をする。しかし彼女の両親とは仲良くなったものの、コレットはつれない態度ばかり。 ☆ ☆ ☆ これは『大人は判ってくれない』の主人公アントワーヌ・ドワネルのその後の成長を追いかけた、俗に言う「ドワネルもの」の第二部にあたる作品。『二十歳の恋』っていうフランス、イタリアをはじめとする五カ国によるオムニバス映画の一遍として出品されたものなんだけど、クレジットタイトルをながめていたら、かの東京都知事、石原慎太郎の名前があるじゃないの。気になって調べてみると、なぜか日本版だけ行方不明らしいんだよね。私はトリュフォーの作品しか観ていないけどね。ほかの国の作品も観てみたいわ。とくに日本、ね。石原慎太郎っていうと、やっぱり太陽族っぽい雰囲気なのかしら。でもさ、フィルムってそう簡単に行方不明になるもんなのかねえ。しかも一カ国だけって。まあ、何十年後かには「これがかの石原都知事が監督した!」みたいなノリでひょっこり出てきそうな感じもするんだけど。 物語のほうはというと、『大人は判ってくれない』から三年後の設定。アントワーヌの初恋を描いているの。少年鑑別所から逃走して海にたどりついたあのアントワーヌがさ、まあ一応、レコード工場でマジメ(?)に働いているのね。彼の複雑な少年時代を知っている、いち鑑賞者としてはアントワーヌの自立した姿がほんとうに微笑ましい。 それでアントーワヌ君、クラシックコンサートでコレットという名の美少女と知り合って彼女に恋しちゃうんだけど、残念ながらコレットのほうはあまり気があるようには見えないんだよね。そんなコレットの気持ちに全く気づかないアントワーヌは当のコレットよりも彼女の両親と仲良くなって、それもすっかり気に入られちゃって食事にお呼ばれされたりする。しかしコレット嬢をデートに誘っても大学の勉強が忙しいとか色々と理由をつけて断られる。何度も断られている時点で少しはおかしいな、って気づくだろって思うんだけど、アントワーヌはひるまない。 いや、この人、ひるまないっていうか本気でコレットの気持ちに気づいてないみたい。かなりの鈍感ちゃん。決して最近でいう肉食男子っていうタイプではないのよね。というか、なぜだか性格がド天然になってるんだよね!三年前はもっとナイーヴで感受性が強そうな子だったはずなんだけど、何を考えてるんだか、コレットのアパートの前の部屋に引っ越しまでしちゃうわけ(かなりストーカー体質なドワネル)しかもこのエピソードはすべてトリュフォー自身の経験だというから驚きである。そしてトリュフォーはアントワーヌもびっくり、好きな子に相手にされなかったことで自殺未遂までしちゃったらしい。もうこの人、完全にアホだな(笑)けれどこうして映画のネタにしてしまうんだからね、しかも面白いんだよね。これに限らず、トリュフォーの映画ってそのほとんどが自身の体験ネタネタネタなの。どの作品でも赤裸々な告白をしてみせるわけ。トリュフォー映画の魅力ってやっぱりそこなんだと思うな。映画監督トリュフォーではなく、フランソワ・トリュフォーっていうひとりの人間、人間性込みでの感情で観てしまうんだよね。 とりあえずこの『アントワーヌとコレット』でアントワーヌのキャラクターに若干の軌道修正があって、『夜霧の恋人たち』『家庭』『逃げ去る恋』といった感じでドワネルの冒険は続いていく。『大人は判ってくれない』のようなちょっと重苦しいテーマを扱ったお話ではなくて、恋愛コメディになっていくのだけど、アントワーヌが徐々にダメ男になっていく様にもね、注目して欲しいわ。
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ふむふむ。すっかり映画ブログですね。
いいんじゃないでしょうか。飽きるまでとりあえず突っ走って下さい(=^エ^=)v
それにしても,続編があるとは聞いてましたけど,こんな風に続いているのかぁ。アントワーヌのその後,気になるなぁ。
2009/10/7(水) 午後 11:03
のなぢゅんさんも、気になるならぜひ〜!でもジャン=ピエール・レオーってアントワーヌのイメージが強過ぎて、他の監督の作品に出ていても、ドワネルにしか見えないんですよね。でも代名詞になるキャラクターがあるってお得だよなあ。
2009/10/8(木) 午後 10:52