エデンの園へ

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エデンの園へ3

ネコミ博士は急いでヤマトを始動させた。
一瞬にしてネコミ君の前から空中に浮かんだ自動車と老人が消えた。
 
「あぁ、そうだったのか・・・」
 
タイムマシン・ヤマトの中で少しの動悸を感じながらネコミ博士は40年前を思い出していた。
 
「あの時、空中に浮かんだ自動車と運転席の老人を見たような気がしたが、あれは40年後の私自身だったのか・・・。
まてよ・・・ということは、40年前の私に会って過去に行ったはずのネコミ博士はどうなったのだろうか?」
 
歴史は変えられなかったのか、それとも変えた世界がこうなのか?
困惑するネコミ博士は胸をおさえながら、それでも笑顔でクウに話しかけた。
 
「なぁクウ、未来はこれからだよ・・・」
 
あと50時間、疲れを感じたネコミ博士は目を閉じて少し眠ることにした。
助手席ではビスケットを食べ終えたゴキブリのクウが静かにネコミ博士を見ている。
 
 
ヤマトのフロントガラスの前を右から左へ回っていた光は速度を増し淡い光の曲線になった。
タイムメーターの表示も速度を増していく。
 
そしてタイムメーターの表示の速度は遅くなり、やがて完全に停止した。
ついにネコミ博士とクウはエデンの園に着いた。
 
 
 
話がまとまるのか心配になってきましたが、続きます。

エデンの園へ2

ここからの続きです。      (追記あり)
 
バタン!
ドアは閉まり、ネコミ博士とゴキブリを乗せてヤマトはエデンの園へと出発した。
 
 
ヤマトは3次元から4次元の時間のトンネルに入り、ゆっくり時間をさかのぼる。
南に向いたヤマトのフロントガラスから見える景色はすごかった。
ただ薄明るい霧の中を光が西から東へものすごい勢いで飛んでいく。
 
「す、すごい・・・」
 
10分前、30分前、1時間前、3時間前、タイムメーターの表示は次第にスピードを増して時間がさかのぼっていくのを示していた。
しかし、ここ日本で時間をさかのぼるだけではエデンの園に行くことはできない。
 
エデンの園は中東にあったはずだ。
ネコミ博士はこれから数万キロの距離と6千年以上の時間をたった一人で移動しなければならない。
ヤマトのエデンまでの予定到着時間は約60時間後となっているが、まず、日本で40年前までさかのぼることにした。
 
ネコミ博士は最後に(最後かどうかわからないが)研究を始めたころの平和だった日本をもう一度みておきたかったのである。
2020年をさかのぼった時点でヤマトは反重力装置で空中20メートルの高さまで浮上した。
しかし、時間を移動している間は次元のちがう外の景色をみることは出来ない。
 
キーーンという小さな音が続き、外の光で明るくなったり暗くなったりするヤマトの運転席に座ったネコミ博士はふと助手席をみて驚いた。
「おおっ・・・」
 
助手席には体長15センチもある大きなゴキブリがいて、触覚だけがピクピク動いている。
黒光りする硬そうで細長い羽根、そしてその身体はゴキブリというよりメスのカブトムシを細長くしたと言った方が分かりやすいかもしれない。
すでに多くの昆虫類が絶滅するなかで、この種類だけはしぶとく生き残っていて進化し、体長も異常に大きくなっていた。
 
いつもみんなの嫌われ者のゴキブリであったが、ネコミ博士にとってはたった一匹の旅の友ということになる。
ダッシュボードからビスケットを出し、半分を助手席のゴキブリに投げながらネコミ博士は話しかけた。
 
「ゴキブリ君というのも何だから、君に名前を付けよう。
 そうだなぁ・・・クウにしよう。
 以前、ウチで飼っていたネコの名前だ。
 良い名前だろ。   はははは」
 
ゴキブリは黒く細長い触覚をピクピク動かした。
 
そして、タイムメーターは40年前(2011年)1月4日、午後3時で停止した。
 
空中に浮かんだヤマトの前に40年前のネコミ博士の家が現れた。
良い天気である。
ネコミ博士がヤマトの運転席から家の中を覗くと、53歳のネコミ君が一人でこたつに入ってソバを食べているところだった。
懐かしさでいっぱいになった。
 
「そうだ、あの日は一人でソバを食べていた・・・」
 
しかし、家の中からソバを食べながらふと外を見たネコミ君は青空の中、空中に浮かんだ自動車と運転席に座ってこちらを見ている白髪の老人に気がついた。
 
「な、なんだ〜〜?」
 
「まずい!」
 
ネコミ博士は急いでヤマトを始動させた。
一瞬にしてネコミ君の前から空中に浮かんだ自動車と老人が消えた。
 
 
 
 
長くなってきちゃいましたが続きます。

エデンの園へ

西暦2050年。
 
世界の人口は100億人を超え、あちこちで争いや食糧不足が起き、それによる多くの死者が出ていた。
20世紀後半から各国で行われた数々の政策はことごとく失敗に終わっていた。
生態系は変化し、わけの分からない伝染病も広がり、いまや地球上の生物は絶滅に向かって進んでいるようであった。
 
 
そんな中、日本の超ド田舎の傾いた研究所で歩くのもおぼつかない一人の老人がつぶやいた。
「完成した。やっとタイムマシンが完成した・・・」
 
心臓も患っているその老人93歳は自称ネコミ博士という。
 
多くの世界の学者がそうであったように、ネコミ博士は世界がこうなることを予測し対策を考えていた。
「世界を救うにはどうすれば良いか?」
 
ネコミ博士は他の学者とは違った道を選んだ。
聖書を若いときにかじった事があるネコミ博士は創世記3章がすべての問題の始まりであることを知っていた。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
創世記3章 (新世界訳より)
  3 でも,園の真ん中にある木の実を[食べること]について,神は,『あなた方はそれから食べてはならない。いや,それに触れてもならない。あなた方が死ぬことのないためだ』と言われました」。
  4 それに対して蛇は女に言った,「あなた方は決して死ぬようなことはありません。
  5 その[木]から食べる日には,あなた方の目が必ず開け,あなた方が必ず神のようになって善悪を知るようになることを,神は知っているのです」。
  6 そこで女は見て,その木が食物として良く,目に慕わしいものであるのを知った。たしかに,その木は眺めて好ましいものであった。それで彼女はその実を取って食べはじめた。その後,共にいたときに夫にも与え,彼もそれを食べはじめた。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
すべては神が食べてはならないと言った木の実を女(エバ)が食べてしまったことによって起きているのである。
そうであればエバが木の実を食べるのを阻止すれば、根本から世界を救う事ができるはずだ。
つまり、タイムマシンを作って時間をさかのぼり、エデンの園に行き、木の実を食べないようにエバを説得すればよい。
 
ネコミ博士はさっそくタイムマシンの制作に取り掛かった。
ネコミ博士53歳の時であった。
しかし、タイムマシンの制作は困難を極め、始めにいた協力者も病気や事故、高齢の為に次々と亡くなっていった。
時は流れ、40年の月日が流れた。
ネコミ博士は、いまや世間からは変人扱いされ、たった一人になっていた。
それでも、心は燃えていた。
「私はあきらめないぞ・・・」
 
そして今、タイムマシンは完成した。
形は70年前に見た映画「バックトゥ・ザ・フューチャー」の自動車をモデルにした。
 
 
「ううっ・・・」
急に胸に痛みを感じたネコミ博士は心臓のクスリ(ニトロ)を飲んだ。
だんだんクスリが効かなくなっていた。
 
「もう、時間がない、地球の時間も私に残された時間も・・・」
 
ネコミ博士はタイムマシンに名前を付けた。
「ヤマト」
それは70年以上前に奥さんと見に行ったアニメ映画の宇宙戦艦の名前であったが、奥さんが亡くなって20年近い時間がたっていた。
 
ネコミ博士はよろよろとヤマト(タイムマシン)に乗り込み、場所を「エデンの園」、時間はエバが木の実を食べる1日前に設定し、ヤマトのスイッチをオンにした。
 
パパパパッと計器類のランプが点き、キーーーンと音がし始めた。
その時、一匹のゴキブリがヤマトの中に飛び込んで助手席に落ちた。
ネコミ博士は気がつかない。
 
バタン!
ドアは閉まり、ネコミ博士とゴキブリを乗せてヤマトはエデンの園へと出発した。
 
つづく

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