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前回調査に続き、いわき市内を駆け回って珍しい植物の標本を採集してきました。
最初に向かったのは、前回ミヤマフユイチゴを採集した湯本の山です。蕾がついたのを持ち帰って、花が咲いたら押し花にする計画が、水揚げがわるくて枯れてしまったので、花が咲いたのを探しに再訪しました。
ミヤマフユイチゴ Rubus hakonensis
福島県レッドリスト 絶滅危惧Ⅰ類
林に入ってすぐ、花が2輪ついた株を発見、標本用にチョッキンしました。茎にはトゲがいっぱいで、手に刺さって大変でした。この茎にあるトゲもミヤマフユイチゴの特徴の1つです。フユイチゴとどっちかなぁと思っていましたが、ミヤマのほうで間違い無さそうです。たぶん、日本で北限の自生地でしょう。
周りにシダもいっぱい生えてて、他の植物も観察したかったのですが、やぶ蚊の大群に襲われて数分で退散しました。今度長袖でリベンジです。
次に、田人町にコセリバオウレンを求めて向かいました。その途中、道端に葦が生えた湿地を発見して、道草を食っていくことにしました。ぱっと見ただけで、オモダカ、イボクサ、ヤブツルアズキ、コナギなどの花が咲いていて綺麗です。
ヤナギスブタ Blyxa japonica
はじめてみました、トチカガミ科のヤナギスブタです。アクアリウム業界では、ブリクサ・ヤポニカの名前で珍重されております。ただのスブタは絶滅危惧種ですが、ヤナギのつくほうは普通種だそうです。万が一スブタだったら大発見ですから、念のため2株持ち帰って育ててみることにしました。
コハタケゴケ Riccia huebeneriana
絶滅危惧種のウキゴケ陸上型かと思いましたが、コロニーを作る点、葉の真ん中に筋が入っていることから、普通種のコハタケゴケと判別しました。
田人町の山林です。ここにコセリバオウレンがあります。
ナガミノツルキケマン Corydalis ochotensis var. raddeana
環境省レッドリスト 準絶滅危惧種
福島県レッドリスト 準絶滅危惧種
珍しいのを見つけました。秋に咲くキケマンの、ナガミノツルキケマンです。明日、ばあちゃん家の裏山に生えているのを標本採りに行こうと思っていたところでした。2株しかなかったので、花の咲いている枝先を少しだけチョキン。
コセリバオウレン Coptis japonica var. major
福島県レッドリスト 未評価
目的のコセリバオウレンです。これも2株しかないから、葉っぱ一枚と、種を飛ばし終えた実だけをチョキン。
県のレッドデータブックでは、現状不明となっています。先日、研究会のY先生とお話したところ、福島県浜通り地方でこれまで確認されているセリバオウレンは、コセリバオウレンの誤認ではないか、とのことでした。最初見つけたとき、セリバかコセリバか迷いましたが、コセリバで間違い無さそうです。
いったん帰宅してカップ麺すすった後、下高久の谷津田に向かいました。
ウキゴケ Riccia fluitans
環境省レッドリスト 準絶滅危惧種
福島県レッドリスト 絶滅危惧Ⅰ類
これは正真正銘のウキゴケです。休耕田の泥の上に群生しています。ただ、耕作放棄されてから年数がたっており、このまま乾燥化が進めば絶滅してしまうでしょう。
セフリイノモトソウ Pteris x sefuricola
これはイノモトソウとオオバノイノモトソウの雑種です。レッドデータブックには載っていませんが、福島県植物誌(福島県で確認された植物の目録)に載っておらず、県内未発見種の可能性があるので葉っぱを3枚ほど引き抜いてきました。オオバノイノモトソウ群落のなかに、数株混ざっています。
昔、タコノアシを見た記憶がある夏井川左岸のサイクリング公園へ。
サネカズラ Kadsura japonica
福島県レッドリスト 希少
河川敷の照葉樹林内で見つけました。野性で実がなっているを見るのは初めてです(裏の家の垣根に植えてあるんで、実物は毎年見ておりました)。実のついた1枝だけ採集しましたが、こんな肉厚の実がちゃんと押し花になるのかな?
結局、地形が昔と変わっていてタコノアシは見つかりませんでした。でも、ツルウメモドキ、エビヅル、ミソハギなど様々な植物が観察できました。他の人がサイクリングや釣りを楽しんでいる中、またもや挙動不審人物になってしまうのでした・・・。
ゼニバアオイ Malva neglecta
公園内のあぜ道に見たことが無い草を発見。1本持ち帰ってネットで調べたら、帰化植物のゼニバアオイでした。花壇に植えるゼニアオイの仲間だそうです。
ここ数年の間にも、新しい帰化植物がどんどん増えてきています。早いうちに撤去しないと、日本の植生がおかしくなってしまうのでは、と心配しております。子供手当てはただ配るんじゃなくて、外来種駆除のボランティアの対価として支払うようにすれば、環境教育にもなって一石二鳥なのに、などと一人考える今日この頃です。
撮影: 2010年9月19日
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今回もいろいろな植物を紹介してくださってありがとうございます。
それにしても いわきにもいろいろな絶滅危惧種があるんですね。
それを丁寧に周って観察されることに感心します・・。
2010/9/20(月) 午前 0:25
難しくて話にはついていけませんが、絶滅寸前の植物がたくさんあるってことを強く感じるねもしゅうさんの記事です。
すばらしい標本制作頑張ってください♪
2010/9/20(月) 午前 5:09 [ 常磐百景 ]
やまめさん
H元首相じゃないですが、学べば学ぶほど奥の深い世界で、僕も目を回しております。せめて、山に行くたびに2、3種類の植物の名前を覚えるのを目標にしています。
2010/9/20(月) 午後 5:52 [ ねもしゅう ]
しゅうさん
最近は生物多様性の重要性にも注目が集まってきており良い傾向だと思います。僕も微力ながら啓蒙活動をしてまいります。
2010/9/20(月) 午後 5:59 [ ねもしゅう ]
こんばんは
いわき市の絶滅危惧種、南限北限の植物、帰化植物など教えていただき感動しています。
初めて観るものも多く、覚えるのに苦戦しています。
植物を知ることで、自然保護や生物多様性への感心、注視したいです。そして自然保護活動へと、行動に移して行きたいものです。
啓蒙活動頑張ってください。
私も応援します。
・ナガミノツルキケンマを戸渡の山小屋前で見ました(H21-09-23
スケッチ済み)
・ミヤマフユイチゴはいわき市が北限だそうです。(湯澤陽一先生の 福島の自然より)
・セフリイノモトソウを昨年から探していましたが見つかりませんで した。内緒で生育しているところ教えてもらえませんか。
定かではありませんが、以前、福島県植物研究誌で堀先生の記事を 読んだ気がします。
福島県植物研究会会員の、堀先生にお聞きになられたらいかがなものでしょうか。
追記
昨日 9月19日(日)「きぼっこの森」散策に行ってきました。
後日、ブログに載せます。
2010/9/20(月) 午後 11:45 [ ghb*n*53 ]
ghb*n*53さん
ナガミノツルキケマン情報ありがとうございます。小川のばあちゃんちの裏山にも有るので、市内では広く分布しているのかもしれないですね。
セフリイノモトソウについては、今度の機会に先生に聞いてみたいと思います。
きぼっこの森は、土湯道路を通るたびに行ってみようかなぁ、と思いつつ果たせずにいます。ブログ楽しみにしてます。
2010/9/21(火) 午前 8:17 [ ねもしゅう ]
この植物は食べられるのですか?根は、ゴボウのような感じですが・・・・・・・?
2019/6/30(日) 午後 4:34 [ サヌキジロー ]
この植物は食べられるのですか?根は、ゴボウのような感じですが・・・・・・・?
2019/6/30(日) 午後 4:35 [ サヌキジロー ]