麻酔科医から見た世界

現役麻酔科医が見た現場からの意見を!?

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結果だけが問題か?

 医療行為の結果として患者さんが死亡すれば刑事事件として起訴される例が出てきた。すべての死亡例ではないが、通常の医療行為の結果として不可避な出来事での立件に対して医療関係者は驚いている。
医療関係者であれば“ああ、そういうこともあるよね。どう頑張っても結果がよくないこともあるね”と感じるような例での立件である。医療関係者は神ではない。理論として分かっている、定型的に物事を処理している、標準的な行為を行った、などいわゆるミス(間違ったことをする)ではなくても結果が悪いことはありえる。人の体は様々な反応をするし、同じ人に同じ事を行っても結果が違うこともある。そういうあいまいなことを医療関係者は扱っている。医療は単純に1+1=2の世界ではないのだ。そのことが理解できない人たちが多いのか?!間違えたら謝る、そういう倫理的な面は医師であればクリアしていると考えるが世間はそう見ていないということか。嘘をつく医師もいる、だから逮捕して送検し裁判で白黒をつけ謝らせようというのか?そういう考え方は信頼関係があればでないなずだ。信用されていない専門家に何を期待するのか?献身的に医療を行う医療関係者は患者に隷属しているのか?直すのが当たり前で結果が悪かったら訴えて謝らせる。そんな脅迫的な環境で何をしろというのか?一部の医療関係者がそんな社会環境に反応している。危なそうなことには手を出さない。断定的なことは言わない、治せそうでない患者は自分から逃げてもらうようにする。その結果、他の真面目な医療関係者たちが地雷を踏む。萎縮医療の出来上がりだ。前回は悲観するほどでもないと書いたが、予想が外れそうだ。真面目な医師たちも地雷は嫌いなのだ。

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これからの麻酔科診療

 今の医療環境はどうなのだろう?皆さんが安心して医療を受けていただけるだけのものをわれわれは提供しているのだろうか?はっきり言って、手術をする医師のレベルが格段に上がるような工夫はされていない。相変わらず経験にのっとった独りよがりな手術が横行している。麻酔科医から見て安心して麻酔ができるレベルの執刀医がどれだけいるのだろうか?逆に執刀医からみて安心して手術ができる麻酔科医もどれだけいるのだろう?麻酔に関しては破綻しない全身管理、われわれ麻酔科医はしているだろうか?自問しながら毎日が進む。今の日本では相対的に麻酔科医の数が少なく麻酔科医が関与しない麻酔による手術も結構な数行われている。麻酔科専門医が行う麻酔と専門外の医師が行う麻酔とでどれぐらいの違いがあるのか疑問を呈する人もいる。麻酔専門医によるミスも多数報道され、麻酔専門医に対する世間の見方も悪いほうに傾いた。だが、あえて言うならば多忙を極め過酷な勤務を続けてきた常勤麻酔科医がミスをするのはシステムが悪い。麻酔科医にミスをさせないようなシステムつくり、環境を整えていかないと信頼できる手術環境の提供はおぼつかない。最近増えたフリー麻酔科医の中にはお金だけではなくこのような視点をもち、そのような環境づくりを志している人もいる。病院に縛られている常勤麻酔科医であろうと、フリーの麻酔科医であろうと事故を起こさず最適な環境づくりを目指すのは同じだ。皆さんが手術を受けるときは麻酔科医がいる病院(常勤だろうとフリーのバイトであろうと)を選んでいただくほうが後悔しないためにもいいと進言させていただく。医療はそれほど劇的によくなることはない。でも、それほど悲観的でもない。

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現場は大変

 前回の投稿から五ヶ月が過ぎた。この五ヶ月の間にも医療を取り巻く環境は刻々と変わってきています。まじめに働く医師たちは消耗し職場を離れ、現場にかかる負担は増すばかり。大学を卒業し初期の研修を受けている若手の医師たちの間にも条件の悪い診療科は不人気だ。医師の分布不均衡は地域ばかりではなく診療科にも及び、医師の数&診療科数が充足し安心して医療を受けられる場所は日本でも一部に限られてきている。ただ、嘆いてばかりもいられない。こうしている間にも医療を必要としている人たちは居る。臨床の現場では、一人一人の患者さんに最善の努力を惜しまず働くしかない。
 麻酔科に関しては、看護師に麻酔を行わせようとする動きが日本でもあるらしい。麻酔科学会の上の方の人が広報誌に載せているぐらいだから、現実の話なのだろう。六月には麻酔科学会が神戸で開催される。そこで、一般への広報も兼ねたお披露目がされるのだろうか?社会がそれを望むのなら仕方が無いか。

あわただしい

昨今、麻酔科関連の話題が多いような気がする。
異常な社会事件も多い。
どこかで歯車がかみ合わなくなっていてそのしわ寄せが来ているようだ。
医療現場も同じで、もう少しで大きな破綻が来ると思う。
理詰めで物事を処理しようとすると軋轢が生じる。
アバウトにする習慣がついているから修正が効きにくい。
バランスを崩し、バタバタと巨人が倒れると思う。
巨人にぶら下がっている人たちはどうするのだろうか?

遠い地で果てた同輩に、黙祷

リスクのコントロール

麻酔科医としての経験を重ねるに従って全身麻酔に使う薬は限られてくるし、麻酔中に対応しなければならない問題も少なくなってきます。私はこのことを「麻酔の標準化」と表現しています。普通の人に普通の薬を使用するとまず何も起きません。術者がたまにする悪さが原因のトラブル(出血や神経反射など)はありますが、よほどのことがない限り安全に手術は進行し何事もなかったように患者さんは麻酔から覚醒します。“よほどのこと”の最たるものは肺塞栓症でしょう。何も誘引がなくても起きるといわれています。手術前のベッド上長期安静、下肢の骨折、妊娠、高脂血症、高度な動脈硬化などの血管性病変、がん患者などで塞栓症のリスクが高くなるのは想定の範囲内ですが、そういう素因のない元気な患者でも発生するというからやっかいです。手術はさまざまなリスクを抱えながら行われていきます。コントロールできるリスクとコントロールできないリスク、その差を一般の人に説明するのはとても難しいです。コントロールできないリスクはほとんど交通事故と同じように青天の霹靂です。そのときにリカバリーできるかどうかが麻酔科医としての技術力の差だとおもいます。経験の少ない麻酔科医、見よう見まねで麻酔をしている非麻酔科医による麻酔の危険性はここにあります。一部の人たちが作り出そうとしている麻酔看護師ははたしてこのリスクをコントロールできるようになるでしょうか?一般の方々にも考えていただいて選択していただかなくてはなりません。

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