Kathmandu Journal

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“ダハル首相”の誕生

 先ほど、制憲議会でプラチャンダこと、プシュパ・カマル・ダハルが共和制ネパールの最初の首相に選出された。紆余曲折はあったものの、577議席中464議席の賛同を得て、首相に選ばれた。今日の首相選では、ネパール会議派のシェル・バハドゥル・デウバも立候補したが、こちらは自党の113議席の賛同を得たにとどまった。興味深かったのは、共産系政党でありながら強烈な「反マオイスト」であるチットラ・バハドゥル・KC率いるラシュトリヤ・ジャナ・モルチャ党と、スールヤ・ナハドゥル・タパ率いるラシュトリヤ・ジャナ・シャクティ党の2党が、両候補に「NO」の投票をしたのに対して、国民民主党や、唯一の「王制派」である国民民主党ネパールがプラチャンダを支持したことだ。デウバを支持したのはネパール会議派だけだった。

 首相が決まって、すぐにも組閣の作業が始まることになる。3党のポートフォリオの分担はほぼ決まっており、マオイストが国防、財務、土地改良、平和・再構築、法務、建設など9閣僚を、統一共産党が内務、外務、水源など6閣僚を、マデシ・ジャナアディカール・フォーラムが4閣僚を、そのほかの小政党が1閣僚ずつとることになる。

 今日の首相の投票では3分の2以上の賛同を得ることができたが、3政党だけでは憲法のあらゆる条項を決めるのに必要な3分の2に足りない。第5政党のタライ・マデシ民主党(TMDP)は入閣せずに、野党にとどまることを決めているが、入閣が予測される4つの小政党(人民戦線ネパール、ネパール・サドバワナ党、ネパール共産党ML、ネパール共産党United)を加えても、わずかに3分の2に届かない。TMDP、つまり、マデシ政党の支持が新政府の安定化に重要な役割を果たしそうだ。

 首相に決まってから、プラチャンダは人民解放軍の最高指揮官のポストを辞したことを宣言した。制憲議会議員であるアナンタとプラバカールの二人の人民解放軍副指揮官も副指揮官を辞した。さて、とりあえず、政権についたものの、国家の状況は決して楽観できる状態ではない。プラチャンダがどんな舵取りをするか、じっくりと見物させてもらおうと思う。

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 やっと共和国体制が正式に船出できる運びになったことを、心から祝福したい気持ちです。
 それにしても、この間の協議、とりわけ終盤におけるギリジャ・プラサド・コイララと会議派の強欲剥き出しの行動ぶりには、心底呆れました。選挙で大敗し第2党に転落した立場でありながら、軍最高司令官である大統領の確保に飽き足らず、なお国防相までよこせと要求するなど、身の程をわきまえていないとしか言いようがありません。その本心が、(これまでこのブログでも紹介されてきたように)国民から第1党の信託を得たマオイストを排除した政権の樹立と、コイララの政権維持にあったこともあまりに見え見えでした。他党が最終的に見切りをつけたのも当然だと思います。これで、ようやくコイララ一族も終わりでしょうか。
 MJFは最終的にプラチャンダ支持に回りましたが、副大統領の宣誓問題に対する批判で同党は勢いが削がれたようにも見えます。実際のところはどうなのでしょうか?
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2008/8/16(土) 午前 11:14 [ 高林敏之 ] 返信する

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 (長くなって申し訳ありません。)制憲議会選挙から政権発足まで4ヶ月を要したことを、どう評価すべきなのでしょう?確かにこの迷走はネパール国民に大きな忍耐と犠牲を強いたに違いありません。大統領選挙の時に見られたような、各政党や政治家個人の名誉や私利私欲、ボタンのかけ違いによる離合集散の激しさも異常に見えるものでした。しかし、時間がかかっても「コンセンサスの政府」を追求したことは、長期的に見ればネパールの民主主義の定着にとってプラスの意味を持つのではないでしょうか。もし、早々に多数決の力で政権を決定したなら、会議派のような反対勢力の妨害やインドの政治干渉により多くの余地を与え、歴史の浅いネパールの議会政治や平和構築プロセスはより大きな困難に直面する可能性が高かったように思います。粘り強い交渉過程でコイララと会議派が最終的に孤立し「自滅」したことは、会議派やインドによるマヌーヴァーの余地を制約するプラス効果を持ちうるのではないでしょうか。各党や政治家たちが、この4ヶ月間の「混乱」から得た「教訓」を今後の政治に生かすことができるなら、それは無駄な時間にはならないと思います。 削除

2008/8/16(土) 午前 11:26 [ 高林敏之 ] 返信する

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いつも詳細な情報をありがとうございます。ネパールのニュースが少ない中こちらのブログは貴重な情報源です。また来年頭ぐらいにそちらを訪問するかもしれません。今後もがんばってください。 削除

2008/8/16(土) 午後 2:02 [ ナカム ] 返信する

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ネパール会議派(GP・コイララ)は、党内最大の保守派の一人、ラムサラン・マハト財務大臣を国防大臣にするつもりでいたと聞きました。NCが今回、国防にこだわったのは、カトゥワル参謀長やインドからの後押しがあったためかもしれません。これから、軍併合に関する話し合いが始まりますが、逆にマオイストが国防にこだわったのは、これとかかわりがあります。これまで国防はたいてい首相が兼任してきたことからもわかるように、ネパール政界での常識からすると、マオイストが国防を主張したことはきわめて自然であったわけです。

2008/8/16(土) 午後 2:17 [ nep*l*jo*rnal ] 返信する

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