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統一共産党のジャラナス・カナル党首は、良い言葉で言えば、慎重な、悪い言葉で言えば、何とも臆病な政治家だなと思う。マオイスト政権が倒れたあとに、党の中央委員会で、制憲議会選挙のときに2つの選挙区で落選したマダヴ・クマール・ネパールを首相に推薦したのはカナル党首である。マオイストを野党にしたネパール首相の政権が失敗することは、最初から明白であったが、その政権発足に貢献したカナル党首は今になって、ネパール首相に辞任を求める署名運動を始めた。ところが、党内反主流派のK.P.オリに、署名運動を主導したリーダーは処罰の対象とすると脅されたとたん、署名運動を中止し、「憲法ができるまで、現政府が政権を執る」などという発言を始めた。
カナル党首がどこかからの圧力により、態度を一転させたのは、これが初めてではない。プラチャンダが首相を辞任するきっかけとなったネパール軍のカタワル参謀長罷免の件でも、「ゴー・サイン」をプラチャンダに出しておきながら、他党や自党内のオリ派から強い反発が起きると、態度を一変させて「合意はしなかった」と虚偽の発言をした。
ネパール首相を支えるオリ派は党中央委員会の過半数を占めているために、中央委員会における決定を覆さないかぎり、ネパール首相の辞任要求はできない。オリが「処分をするぞ」と脅したはそのためである。おそらく、インドからの圧力もあったのだろう。インドの「ネパール首相支持」方針は変わっていない。ネパール首相はとりあえず、首をつないだことになる。現政権の評判悪化に最も貢献し、政権維持に固執する「3B」(ビジャヤ・ガッチャダール副首相、ビデャヤ・バンダリ国防大臣、ビム・ラワル内務大臣)。これほどたちの悪い政権は、ネパールの歴史上存在したであろうか。
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