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統一共産党内部では、相変わらず「首相は辞任すべきだ」「いや、やめるべきでない」などと、結論が出ない不毛な議論が続いているが、昨日、議会である極秘文書が暴露され、政府は四面楚歌の状況に立たされている。機械読み取りパスポート(MRP)の印刷の発注に関して、議会内に設置された公的会計委員会は入札を行って決めるよう政府に指示をだした。しかし、政府はこれに従わず、入札することなしに、インドの印刷会社に発注することを決めた。当初、ネパール首相は反対をしていたにもかかわらず、スジャータ・コイララ外務大臣からの強い圧力により、インドに発注することになったのだが、インド政府、とくにネパール駐在のスード・インド大使がコイララ外務大臣に圧力をかけていたことは外交サークルのあいだでは衆知の事実だった。
重要な個人情報を含むパスポートの印刷を隣国インドに発注することは、国家の治安に重大な影響を及ぼすとして、与党内部からも批判が出ていたが、昨日、マオイストのナラヤン・カジ・シュレスタ副党首が“極秘文書”を議会で暴露したことにより、政府がなぜ公的会計委員会の指示を無視してまで、インドへの発注にこだわったかの理由が明らかになった。この文書は昨年12月、外務省がMRP印刷の入札を公にした3日後に、スード・インド大使によりコイララ外務大臣にあてて出されたものである。このなかで、インド大使はインドに印刷の発注を行うことは、インドとの国境における治安問題に関係していると書いている。これは、つまり、インドに発注しなかった場合、国境における治安に影響するぞ、とインド大使がネパール政府に脅しをかけたことになる。
ネパール首相はMRPの印刷をインドに発注しても、治安には関係がないと発言してきたが、首相がこの文書の内容を知って発言していたのだとしたら、首相は嘘の発言をしていたことになる。政府はこの文書が暴露された直後に開かれた閣僚会議で、インドへの発注を取り消す決定をしたが、自党内からの辞任要求が強まるなか、首相は何らかの責任をとるのであろうか。
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