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毎度、似たようなことばかり書くことに少々うんざりしているが、それがネパールの政治の現実である。明日は4度目の首相選挙。しかし、今日の段階ではまだ、新首相が決まるかどうか確定していない。月曜日の選挙では、マデシ・ジャナアディカール・フォーラムの議員11人がマデシ戦線の協定に反して、プラチャンダに票を入れた。フォーラムのナンバー2であるJPグプタは、プラチャンダが現金で彼らを買ったと批判している。フォーラムのウペンドラ・ヤダヴ党首はこの投票では、whip(議員に対する指示)を出さなかったことを公にしている。つまり、11人の議員の行動の背後にはヤダヴがいたということを間接的に認めたことになる。
マデシ戦線は明日の投票は棄権をしないことを決めているが、では誰を支持するかは今のところ決定していない。昨日、インドの元外務大臣で元ネパール駐在インド大使を務めたことのあるシャム・サランが、新首相の“特使”としてネパールを訪れた。サランは昨夜、早速、マデシ政党の党首を夕食に招待し、彼らと話し合いをもっている。マデシ政党の決定にサランの、つまりインド政府の指示が影響することは明らかである。サランは「合意の政府樹立を助けるために来た」と昨日、記者団に対してコメントしているが、その真意は結果をみないとわからない。「合意」といっても、ネパール会議派と統一共産党のオリ・ネパール派が現状でマオイストが政権を主導することを認めず、プラチャンダが「自身が首相になる以外に合意はありえない」という姿勢を変えないかぎり、3党合意はありえない。さて、統一共産党は明日も棄権が確実。マデシ政党の動向が再び注目の的となる。
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午後4時の予定だった投票は、午後8時半ごろに始まり、先ほど終わった。予測されたように、2人の候補者とも過半数におよばず、今日も首相は決まらなかった。前から棄権を決めていた統一共産党だけでなく、マデシ政党も最後の最後で棄権を決めた。統一民主マデシ戦線の4党のうち、ウペンドラ・ヤダヴの“フォーラム”はマオイスト支持を主張したが、他の3党は棄権を主張した。議会は現在、次の投票の日程を決めるために30分間の休憩となっている。暫定憲法にしたがうと、新首相が決まるまで投票を行うことになる。しかし、3回やって決まらなかったものが、1週間や2週間の話し合いで合意に至るとも思えない。とんでもない事態になったものである。
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明日は3度目の首相選挙である。統一共産党の棄権が確実になったため、ネパール会議派の候補者ラム・チャンドラ・パウデルが当選する可能性はなくなった。プラチャンダが過半数を取れるか否かの鍵を握っているマデシ4政党は、今日会合を開いたものの、どちらかを支持するか、あるいは棄権するかを決めることができなかった。
マオイストとネパール会議派はマデシ政党がだしている条件に対する返答を提出したが、条件のなかで主なものの1つである「タライ一帯にマデシ自治州を樹立する」という要求を、マオイストは明確に拒絶。一方、ネパール会議派はこの要求に関してだけ“沈黙”を保つという返答を提出した。最も重要な条件をマオイストが拒絶した以上、マデシ政党がプラチャンダに投票する可能性は低い。パウデルに投票をしたところで、過半数には足りないので、マデシ政党は明日も棄権する可能性が高い。
ネパール首相が辞任してから1月がたった。実質的に政府が存在しない状況で、官僚はやりたい放題に人事異動をしたり、政府予算を使ったりしているというニュースがあった。明日も決まらなかったら、一体どうなるのだろう。国がほとんど機能していない状況で、野菜などの食料の値段が急騰している。今朝、FMラジオのニュースを聞いていたら、業者が物資を隠して、不当に値段を上げていないかどうかを調べるという役人のインタビューを流していた。このニュースを聞いて、大半の業者は倉庫を封鎖してしまうか、倉庫を空にしてしまい、抜き打ち検査ができなかったと、夕方のニュースで言っていた。わざとニュースで情報を流したとしか思えない。大変な物価高で苦しむ一般の人たちを救うどころか、役人も政府も国民を苦しめる当本人を保護しているだけである。
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モンスーンが始まったと思ったら、もう明後日は8月。今年も5ヶ月しか残っていないと思うと、焦りの気持ちが沸いてくる。二つ締め切りを抱えてばたばたしている。加えて、カトマンズの政界は目を背けたくなる状況で、どうもブログを書く気が起こらないでいる。8月2日に再び首相選挙が開かれるが、統一共産党が棄権をすることがほぼ確実となっており、ネパール会議派が当選する可能性は低い。マオイストもマデシ政党の票を得ることができなければ過半数はとれない。しかし、今日聞いた情報によると、マデシ4政党のうち、少なくとも2つの政党は2日の選挙を棄権する可能性が高いという。つまり、2日にも首相は決まらない可能性が高いということである。
万が一、プラチャンダが当選しても、マオイストとマデシ政党だけの連立政権はあまりにも脆弱すぎる。すぐにも崩壊することになるだろう。もちろん憲法もできないし、和平プロセスも進まない。やはり、合意の政府樹立以外に道はない。2日に決まらなかったら、今度こそ、合意の政府樹立を試みるべきである。
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統一共産党のJNカナルとKPオリ・MKネパールは“復讐合戦”に勤しんでいるようだ。ネパール首相には、カナル議長とその一派のために辞任に追い込まれたという恨みがある。一方、カナルには、首相に選ばれる一歩手前まで行っていながら、オリとネパールのせいで、立候補を取りやめることになったという思いがある。ネパール首相がカナルの立候補取りやめを宣言した演説をしているときに、首相の顔には勝ち誇ったような表情が見て取れた。カナルへの復讐に成功したことを「して、やったり」と喜んでいるような演説だった。両者は互いへの深い憎悪、そして、互いを蹴落とそうとする企みをもはや党外に隠そうともしていない。党が分裂しないことが不思議なほどである。あるいは、分裂できないほどに、この政党は腐っているともいえる。
カナル議長派は「合意の政府樹立」を求めて、首相選挙は棄権する方針にこだわっている。一方で、オリとネパールは中央委員会議を開いて、この決定を覆し、ネパール会議派のラム・チャンドラ・パウデルに投票すべきと主張している。中央委員会議を召集する権利はカナル議長にあるが、オリ派は召集を求める署名集めを始めたという報道もある。
党内に深い亀裂が入っているのは、マオイストも同じである。首相の立候補者を決める政治局会議で、プラチャンダが一方的に自身が立候補することを決めたことに、バブラム・バッタライとその一派は強い不満を感じている。それを反映する形で、バッタライは先日、Kantipur紙のインタビューのなかで、「合意の政府の樹立を試みるべき」と発言した。この発言にプラチャンダは激怒したそうである。
その意図がどうあれ、「合意の政府樹立を試みるべき」というカナルとバッタライの主張は正しい。このまま議会で投票を行い、プラチャンダが首相になったところで、あるいはパウデルが首相になったところで、政府運営は早期に失敗するだろう。新憲法ができないことは言うまでもない。これら2党のリーダー間の対立は、ネパール語で「ギド・ラグド(気持ちが悪い)」と言うほどに醜いものだ。そこにはイデオロギーも主義主張も何もない。個人的な権力への野心とライバルへの憎悪があるのみである。ネパールの政治には、もはや見るところが何もなくなったと結論したくなるほどの落胆を感じる。
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