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昨夜から雨である。ようやく本格的な雨季が始まったことを思わせる雲行きだった。田植えが遅れていたところも、ほっとしていることだろう。さて、マオイストは軍の統合・リハビリに関する案を作成して今日、これを公表した。マオイスト軍をすぐに特別委員会の指揮下に置き、2ヵ月のあいだにマオイスト兵士から統合を望むかリハビリを望むかの意思を聞き、その後1ヶ月で二つのグループが別々のキャンプに分かれて、治安部隊に統合されるというのもである。現在のネパール軍などの資格には従わず、部隊ごとに統合して、マオイストからなる別の治安部隊を結成するというものである。
ネパール会議派はすでに、この案は受け入れられないと結論している。マオイストは今日開かれる予定だった3党会議でこの案を提出することになっていたが、統一共産党のカナル党首がキャンセルしたために会合は中止となった。“合意の政府”を唱える統一共産党が、ドタキャンで会合をキャンセルしてきた理由は、オカルドゥンガで同党の党員が殺害されたためである。UMLはマオイストの犯行であると主張している。そうだとすると、実にバッド・タイミングで起こった事件と言える。(ちなみに、先月、チタワンにある病院の院長が誘拐され、身代金を支払って解放された事件では、日刊紙Nagarikとネパール首相までもが、「マオイストの犯行である」とキャンペーンをしたが、結局、警察はプロの誘拐犯の犯行で、マオイストは関わっていないという調査結果を明らかにしている。)
ヤダヴ大統領が与えた合意の政府樹立のための期限は12日に終わるが、今のところ、NCとUMLがマオイスト主導政権を認める可能性はない。議会で首相選出の投票となった場合、(NCとマデシ政党)対(統一共産党とマオイスト)という構図になるのだろうか。もっとも、UML内部は今も、NCを支持するか、それとも自党から候補者を出すかで、カナル派とオリ派が対立している。いずれにしても、この政権交代は和平プロセスの問題解決にはつながりそうにない。
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大統領は合意の政府樹立のために12日まで期限を延長したが、主要3政党、とくにマオイストと統一共産党は「過半数の政府」樹立に重点を置いたロビー活動を続けている。他党からの批判を受け入れる形で、マオイストは軍統合・リハビリに関するプロセス案の詰めに入っている。今日にもこれを党決定して、他党に示すことになる。ところが、UMLのカナル党首はあくまでも自分が首相になる意図で、マデシ政党を初めとする他党からの支持とりつけに必死である。「マオイストが軍統合案を示しても、マオイストが政権を主導することを認めない」(今朝のKantipur FMへのUMLのプラディプ・ギャワリのコメント)という発言からも明らかなように、マオイストが新政権を主導することに関して、NCとUMLが容易に合意をする可能性はない。
マオイストの軍統合案のコアとなっているのは、メンバー全員に統合あるいはリハビリの意思を聞くこと。ネパール軍の現在の資格には従わず、軍統合の国際的なモデルに従うこと。そして、部隊ごと統合するか、あるいはマオイストからなる別の部隊を結成することである。今日の幹部会議でどんな結論がでるか、まだ不明だが、これまでのNCとUMLの態度からすると、彼らがこれを受け入れる可能性は低い。
それにしても、とくにUMLの態度は理解しがたい。最大政党としてマオイストが首相の席を主張すること、あるいは、まだ首相を経験していないネパール会議派が「次は自党の番だ」と主張することは理解できる。しかし、政権取りに失敗をし、自党の首相が「合意の政府樹立のために道を開ける」と言って辞任したあとに、恥ずかしげもなく「過半数の政府樹立」のために動くとは。UMLは“最低の政党”に落ちつつある。
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合意の政府樹立の期限が12日まで延長された。もっとも、あと5日で合意が成立する可能性はほとんどない。わずかな可能性があるとしたら、それはマオイストが軍統合・リハビリ問題に関して、明確なプロセスとスケジュールを提案し、これを他党が受け入れた場合である。しかし、数日のあいだに、それが可能になるとは思えない。
正直言って、次期首相が誰になるかという、このあまりにも醜い政党内・政党間の争いについて書くことが、あまりにもばかばかしく思う。いっそのこと、主要3政党以外の小政党から新首相をだしたらどうかと思う。あるいは、統一共産党の若手リーダーが提案しているように、主要3政党が期限を決めて、代わる代わる首相を務めたらどうか。こんなことに時間を費やしていたら、いつまでたっても新憲法はできない。
各省庁で、かつてないほどオープンに汚職がはびこっていると聞く。すべて中央政府の混乱とアナーキーな状況の反映である。この国はいったいどうなるのだろうと、本当に心配になる。
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これから秋にかけて、修士論文を仕上げなければならない。書きたいテーマが複数ある。手持ちの材料はかなりたくさんあり、どれを書いたら良いのか迷うというのは、とてもありがたい状況なのだと思う。これまで、英語と日本語、ネパール語で、そして、書籍やジャーナル、雑誌など、さまざまな形で仕事を発表する機会をいただいてきた。しかし、実は、どれもまだ、自分としては完全に満足のいく仕事だったとは思っていない。これからは、これまでの仕事を、テーマをしぼって、さらに深く詰めていくことになる。これまでに集めてきた情報をどういう形で体系づけたらよいのか、このところずっと考えている。それはそれで、大変面白い作業である。もっと長くフィールドにいる時間をとりたいと思う。
政治のほうは、マオイスト軍の統合・リハビリ問題が交渉の中心課題となってきた。マオイスト側が武装勢力をいつまでに、どんな形で解体するかについて合意が成立すれば、他党はマオイストが新政権を主導することを認めると言っている。しかし、合意の政府樹立の期限は明日に迫っている。明日までにこの問題について解決する可能性はほとんどない。一方で、統一共産党は議会で投票により首相を選出することになった場合、どの政党の首相候補も支持しないなどという無責任なことを言い出した。マオイストとネパール会議派の候補者のあいだで票が割れた場合、どの候補者も過半数はとれないだろう。これでは永遠に首相が決まらないことになる。UMLは現在、この問題に決着をつけるために中央委員会議を開いているが、さて、どんな方針を決めるのだろうか。
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首相が辞任してから4日がたった。ヤダヴ大統領が与えた期限まで、4日残っているが、合意の政府ができる可能性はまったく見えていない。今のところ、新首相候補は5人いる。マオイストのプラチャンダとバブラム・バッタライ、ネパール会議派のラム・チャンドラ・パウデルとシェル・バハドゥル・デウバ、そして、統一共産党のジャラナス・カナルである。ネパール会議派とマオイストは互いの政党から首相を出すことを認める可能性が低いため、合意の政府ができるとしたら、UMLのカナル党首の可能性が最も高いということになる。
プラチャンダが再び首相として受け入れられる可能性はほとんどないが、プラチャンダは自身が首相にならなかった場合、バブラムを首相にするよりは、むしろUMLのカナル党首を首相にする意向だと聞く。その場合、UML主導政権にマオイストが入閣する可能性はあるが、ネパール会議派は野党にとどまることになるだろう。マオイスト党内のバッタライ派も、UML主導の政権を認めない可能性が高い。また、UML内部にも、カナル党首の野心を牽制する動きがある。
今の状況を見ると、前政権と同様に、議会で投票により過半数の政府をつくることになるだろう。その場合、統一共産党の動きで決まることになる。カナル党首派はマオイストと組むことを主張する可能性が高いが、KPオリ派とMKネパールはネパール会議派と組むほうを選択することになるだろう。つまり、現在の暫定政権と同じ組み合わせということになる。いずれしても、主要3政党は全党が党内に対立を抱えており、それはあとあとまで影響することになるだろう。
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