Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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危険なゲーム

 先日開かれた中央委員会議で、プラチャンダは“急進派”のキランことモハン・バイデャのラインを取り入れた方針案を、バッタライ派の合意をとることなしに採択した。どうやら、この人は保身のために、再び危険なゲームをやろうとしているようだ。キランのラインとは、“ジャナビドロヒ(人民反乱)”の開始、つまり、革命継続の方針である。マオイストがこの方針案を採択したことは、つまり、来年5月28日までに憲法はできないことととっていい。何としても和平プロセスと憲法制定を完了させるという方針を主張していた“現実派”のバブラム・バッタライは、中央委員会できちんとした議論をすることなしに、あわてて採択したことに対して強い反発の意を表している。
 
 プラチャンダがキランのラインを採用したのは、キラン派と接近し、バッタライ派を孤立化させることが目的であると見られる。現実を十分理解しているプラチャンダは、今はジャナビドロヒを開始してもうまくはいかないことを知っている。現在の政治状況のなかで、ジャナビドロヒを起こすことは、バッタライが言っているように、マオイストに対する反対分子を増やすだけである。それでも、急進派のキランのラインを採ったのは、バッタライに対する個人的な脅威があったのだろう。
 
 とはいえ、キラン派はプラチャンダを信用はしていないようだ。今日の日刊紙Nagarikに掲載されていたキラン派のリーダー、ビプラプこと、ネトラ・ビクラム・チャンダのインタビューを読むとそれがよくわかる。ビプラブはむしろ、バッタライとキランを接近させようと図っているという噂もある。これまでのように、表面を繕っただけのやり方ではキラン派のリーダーは納得しないだろう。キラン派は、「もはや憲法はできない。和平プロセスも失敗した」という前提のもとに方針を立てている。それを実行することは、つまり、本当に和平プロセスを失敗に導くことになるだろう。

元皇太子が釈放される

 パラス元皇太子の発砲事件は、どうも日本の“海老蔵事件”のようになってきた。元皇太子は今日1万ルピーの保釈金を払って釈放されたのだが、メディアで報道されているニュースを見ると、被害者の側も加害者の側も、官憲に対する態度がどうもすっきりしないのである。日刊紙Nagarikによると、チタワン警察署での事情聴取のさい、元皇太子は「銃をもっていないのだから、発砲できるわけがない」と発砲したことを否定したそうだ。彼は12日の夜、同紙にファックスで発砲を自ら認める声明文を送っているが、これも自分が送ったのではないと証言したそうである。しかし、同紙はファックスを送ってきた電話番号が、ギャネンドラ元国王の私邸のもの(実際には旧王家の秘書室)であることを確認している。そのため、Nagarkの姉妹英字紙であるRepublicaは、元皇太子が「虚偽の証言をした」と断言している。
 
 官憲側も当初はルベル・チャウダリに対する殺人未遂罪で訴状を登録したが、最終的にこれを取り消して、ずっと軽い罪であるPublic Offence(公的侮辱罪)で元皇太子を起訴した。この背後には“被害者”であるバングラデシュ人のチャウダリの奇妙な態度が関係しているのかもしれない。チャウダリは警察署への出頭を拒否。警官が自宅に出向いて聴取をとっている。メディアに話したこととは異なる証言をしたという報道もある。
 
 日刊紙Kantipurを含むメディアは、チャウダリ自身が疑わしい人物であることを暴露する記事を記載しだした。今日の同紙によると、チャウダリはネパール警察がスーダンでの国連PKOに派遣されたとき、防弾車両などの装備の購買に関連して多額の不正に関係している。議会内に設置された委員会でこの疑惑が持ち上がり、公権濫用調査委員会で調査が行われていたが、チャウダリの義理の母親であるスジャータ・コイララがネパール首相の圧力をかけて、もみ消したのだそうだ。そのほかにも、海外からかかってきた電話を違法につなげるビジネスにもチャウダリが背後にいることを昨日、ネパール語ブログのMySansarが書いていた。
 
 警察の手が元皇太子に伸びると、チャウダリの腰が引けたのは、やましいことに関わっている自身に火の粉がかかるのを恐れたせいかもしれない。

元皇太子が逮捕される

 今日、ポカラにあるフルバリ・リゾートホテルで、パラス元皇太子が逮捕された。数時間におよぶ事情聴取のあと、パラスは自身がチャーターしたヘリコプターで事件があったチタワン郡の警察署に連行された。元皇太子は現在、チタワンの警察の訓練施設で“VIP扱い”を受けて拘置されている。官憲は公の場で銃を発砲して治安を乱したという件と、違法に銃を所持していたという件でパラスを起訴したそうである。前者に関しては保釈金を払って釈放可能、後者は3年から7年の刑か、6万から14万ルピーの罰金となるそうだ。その程度の“罰”ということである。
 
 今回の事件では、罰の重さよりも、元王室メンバーに対するイメージに大きな悪影響を与えたことが重要だろう。このところ、ギャネンドラ元国王やパラス元皇太子は宗教行事に積極的に出席して、旧王室のイメージアップに努めていた。とくに、良いイメージを保っているパラスの妻のヒマニ元王妃にNGOを設立させて、社会奉仕の分野で礎を築こうと試みていた。こうした動きの背後にいると予測される元国王は、おそらく王室メンバーを、あるいは自身が政界に進出することまで考えているのかもしれない。しかし、今回の事件は、こうした旧王室の意図にある程度のダメージを与えることになるだろう。

元皇太子の発砲事件

 パラス元皇太子が、しばらくぶりに新聞の一面を飾った。日刊紙Kantipurの一面トップ記事のタイトルは「パラスが銃を発砲した」というもの。11日夜に、チタワン国立公園内にあるリゾートホテル、タイガートップスで元皇太子がピストルを取り出して発砲したという記事である。負傷者も出ていないのに大きな記事になったのは、元皇太子が発砲した相手がスジャータ・コイララ外務大臣・副首相の娘婿ルベル・チャウダリだったからである。つまり、パラスは故ギリジャ・プラサド・コイララの孫の婿に対して発砲したのである。
 
 パラスとチャウダリはそれぞれの家族を連れて、タイガートップスに滞在していたのだそうだ。2人は口論になり、パラスは「コイララ家のせいで王制がなくなったのだ」と言って、ピストルを撃ったと報道されている。ネパールが共和制になったときに首相を務めていたギリジャ・プラサド・コイララに恨みがあるのだろうか。日ごろから酒を飲むと、元皇太子はコイララのことを責めていたという記事もある。
 
 スジャータ・コイララ外務大臣は事件のことを耳にして、外遊中のバンコクからラワル内務大臣に電話をして、元皇太子に対する処罰を求めた。ネパール会議派のスシル・コイララ党首も、パラスの逮捕を求めている。
 
 新聞メディアの大半は、元皇太子が「また、悪事を働いた」というニュアンスの報道の仕方だが、この事件に関する一般国民の反応が面白い。ネパール語の人気ブログ「My Sansar」のコメント欄を読むと、実にクールなコメントが多いのだ。最も大勢の支持を受けているコメントは、この事件は「元皇太子(パラス)と新皇太子(コイララ家の婿)の喧嘩にすぎない」というもの。「支配階級である2人とも昼も夜も喧嘩をして、やりたい放題。一方、貧困層に属する一般国民は物価高に苦しんで、食べることにも困っている。真の民主主義であるならば、2人の資産を没収して、ネパールから追い出してしまうべき」と、2人とも厳しく非難されている。「パラスはよくやった」というコメントも結構ある。「どうせなら、使い物にならない政党リーダーに発砲すればよかった」とまで書いている人も複数いる。
 
 今のネパールの政党政治家を見ていると、さんざん悪者にされたギャネンドラ元国王と彼らのあいだで、一体、どれだけの違いがあるのだろうと思う。政党リーダーも国と国民を食い物にしているという意味では、何の変わりもないと思う。

いまだ外遊中の首相

 ネパール首相はいまだにどこか遠くの国にいる。党内外からの批判を無視して外遊にでかけた理由については、「自分がいても、大勢に影響はないから」と言ってのけたそうである。国政に影響を与えることのできない首相など、そもそも必要ない。首相留守中の動きは、マオイストが特別国会の召集を要請することを決めたことくらい。マオイストは今日も、小政党からの支持をとりつけるために話し合いをしたが、特別国会を召集するには、明確な議題がなければならない。新首相の選出が議題となることになるが、この問題をどうするのか、政党間の合意なしに特別国会を召集しても、議論が進まなかったら、議会はふたたび解散となる。
 
 ネパール会議派も党幹部の任命をめぐって、コイララ派とデウバ派の争いが表面化している。マオイストは先日の拡大会議後、すぐに中央委員会議を開くことになっていたが、3人のリーダーのあいだで調整がつかず、会議はいまだに開かれていない。マオイストも統一共産党も中央委員会議を14日に開く予定になっている。この日からUNMINの任期終了まで残すところ一月。軍統合特別委員会のコーディネーターであるネパール首相が不在であるために、統合の問題の話し合いは何も進んでいない。
 
 一方、新憲法に関する政党間の意見の違いを調整するために発足したハイレベル作業部会は、このところ毎日会合を開いて、少しずつ前進しているようだ。今日までに政党間で対立していた47の問題のうち、43の問題について合意が成立している。自治権、多元主義、人民戦争の言葉を入れるかどうかについては、調整がついていない。制憲議会は開かれていなくとも、政党間の調整が進めば、今後のプロセスは容易になる。しかし、現暫定政権は、ずるずると来年5月の制憲議会任期切れまで政権交代に応じない可能性がある。

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