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いつのまにか、8月も後半になってしまった。政治がつまらないことと、さまざまなことが重なって、なかなかブログを更新できないでいる。今日は5度目の首相選挙がある。しかし、前回と同様、統一共産党とマデシ政党が棄権を表明しているために、今日も首相が決まる可能性はない。昨日開かれた主要3政党とマデシ政党の会合で、今日決まらなかった場合、合意の試みに時間をかけるために、次の選挙の日程は決めないことで合意が成立している。
「合意の政府樹立」を理由に棄権を続けてきた統一共産党は、マオイストが4ヵ月で人民解放軍の統合・リハビリを完了させることに合意すれば、マオイストが政府を主導することを受け入れるとする提案を作成した。統一共産党は今日の選挙後、この提案内容を他党に提示することになっている。マオイストとネパール会議派がこの提案を受け入れなかった場合、ネパール会議派の党総会が9月半ばに開催されることから、新政府樹立はその後に引き伸ばされることになる可能性が高い。暫定政府はまったく機能していない。官僚機構がかつてないほどに腐りきっているという話しをあちこちで耳にする。すべて、政府が決まらないためである。
小学生の子供1人ために、月に3万ルピーを超える授業料を払う親もいれば、村にいけばノートや鉛筆さえ買えない子供がたくさんいる。「平等」を最大のスローガンにしてきたはずのマオイストが、月に1万ルピー近い授業料を払って、自分の子供を有名私立校にやっている。10年間のマオイストの紛争がもたらしたものは、これだったのかと、何ともやりきれない思いにかられる今日このごろである。
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今日予定されていた首相選挙は23日に延期となった。ガス・コンロの事故で亡くなったマオイストの女性議員ラム・クマリ・ヤダヴの追悼動議を可決して、今日の議会は閉会となった。議員が亡くなったときの慣習に従ったものだが、奇しくも、統一共産党のカナル議長が提案していたとうりになったものだ。23日に延期となったものの、今の段階では解決の道は見えていない。統一共産党は2人の候補者に立候補を取り下げて、合意の政府樹立のために議会法を改正することを提案している。マオイストはネパール会議派が立候補取り下げに応じればという条件つきで、この提案を受け入れる用意があることを明らかにした。しかし、ネパール会議派は断固として立候補取り下げに応じない姿勢を崩していない。
ここにきて、マオイストとUMLのカナル派が接近していることから、主要3政党内の二極化がさらに進んでいるように見える。ネパール会議派はUMLとマオイストが連立を組むならば、自分は野党にとどまることをよしとする一方で、マオイストの幹部の1人(デブ・グルン)は昨日、UMLのカナルを首相として受け入れる用意があるが、ネパール会議派とUMLのKPオリ、MKネパールは受け入れられないと明言した。マオイストはUMLと2党で、ローテーションで首相を務めることを提案したという報道まである。
ここまでねじれると、もはや投票で決めることも、主要3政党が合意のうえで首相を決めることも不可能だろう。バブラム・バッタライが提案しているように、主要3政党以外の小政党かマデシ政党、あるいは党外の知識人から新首相をというのが、あるいは最善の解決法ではないかとまで思ってしまう。
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1週間ほど前に突然“掃除熱”におそわれ、今日は居間、次は仕事部屋という具合に、毎日、ほぼ半日を整理整頓と掃除に費やしていた。たまっていた新聞を昨日、たまたま自宅の前を通りかかったマデシの“カーリ・シシ(空き瓶)”の人に売ったところ、全部で約150キロあり、1000ルピー以上のお金になった。いらない本や雑誌もなるべく処分した。家の中の整理が終わったら、今度は庭が気になり、昨日はゴダワリまで花や植木を買いに行った。それにしても、ゴダワリは実に緑がきれいだった。毎週、息抜きに行きたいところである。
今日はNEFIN(Nepal Federation of Indeginous Nationalities)の交通ストだった。久しぶりのバンダだったが、午前中外出したところ、いつものバンダより車がたくさん走っているようだった。ほぼ2ヵ月ぶりのバンダだが、空気がきれいになるので、歩く者にとっては気持ちがいい。
18日に5度目の首相選挙があるが、いまだどうなるか不明である。マオイストはネパール会議派が立候補を取り下げれば、自党も取り下げて合意の政府樹立のための話し合いに応じるとしている。しかし、ネパール会議派はマオイストの申し出を信用できないとして、立候補取り下げはしないという方針を変えていない。統一共産党は2党が立候補を撤回しなければ、18日の投票も棄権するとしている。マデシ政党もいまだ決定できずにいる。ネパール会議派が立候補取り下げに応じなければ、18日も首相が決まらない可能性が高い。
統一共産党内の派閥バランスに変化が出てきたという報道もある。ここにきて、イシュワル・ポカレルら中立派が、ネパール首相とカナル議長のあいだをとりもとうという動きがあり、オリ派の勢力が弱まりつつあるようだ。確かに、オリ派として知られる党スポークスマンのプラディプ・ギャワリや、ネパール首相自身の発言には変化が見られる。ただし、マダヴ・クマール・ネパールには、彼の政権をKPオリが影から支えたために、これだけもったという恩がある。首相職を解かれたネパールが党内でどんなスタンスをとるか、興味のあるところだ。
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マオイスト党内で新たな対立の種が取りざたされている。先週、インドの元外務次官シャム・サランがカトマンズを訪れたとき、プラチャンダらマオイスト幹部と会ったあと、サランがバブラム・バッタライと2時間にわたり個別に会見したことを、アナンタことバルサマン・プンがBBCでおおっぴらに非難した。バッタライはサランが宿泊していたホテルにまで出向いて会っている。しばらく前から、マオイスト指導層を分裂させる戦略をとっているインド側のパフォーマンスともとれる。
サランが首相選挙の直前に、ネパール外務省にも知らせずに突然やってきた最大の理由は、中国のネパール政治に対する強まる干渉を脅威に感じたからだという記事が一昨日発売の週刊誌Nepalに掲載されていた。記事によると、強い反マオイストの姿勢を貫いてきたネパール労働者農民党の党首ロヒットが今回の首相選挙で、突然、プラチャンダ支持にまわったこと。マデシ政党のなかで中国寄りと見られるウペンドラ・ヤダヴの“フォーラム”の11人の議員がマデシ戦線の決定に逆らってプラチャンダ支持の投票をしたこと。そして、元国王ギャネンドラの婿であるラジ・バハドゥル・シンがマオイスト寄りと見られるネパール・ジャナタ党に入党したことなどは、すべて中国の影響によるものだという。
これによると、プラチャンダは中国寄り、バブラム・バッタライはインド寄り。統一共産党のKPオリはインド寄り、ジャラナス・カナルとバムデヴ・ガウタムは中国寄りということになる。記事にあるように、上記の3つの出来事すべてが中国の干渉のせいとは思えない。ロヒットが外国勢力の指示にしたがって、マオイストに対する態度を変えるだろうか?マオイストと統一共産党の2極対立を、「インドVS中国」という構図で見るのはまだ早計だろう。しかし、今回のサランのネパール訪問のように、インドがあからさまな干渉を強めた場合、中国の動きももっと表面化してくるだろう。
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昨日の首相選挙でも、もちろん首相が決まらなかった。前回と同様、統一共産党とマデシ政党が棄権をしたためである。投票は形式だけのものになると早くからわかっていたためか、遅れて議場にきた議員が大勢おり、「プラチャンダを首相に」の動議に対する投票のときには、何と133人の議員が欠席となった。「なんとも、たるみきった議会」としかいいようがないが、マオイストもネパール会議派も、8月18日の「5回目の投票」で立候補を取り下げないそうである。
インドの元外務次官シャム・サランが選挙の直前にネパールを訪れた理由は、「プラチャンダに投票をするな」とマデシ政党に伝えるためだったのだろう。マデシ政治家の何人かは、マオイストは今回、金をばらまいてマデシ議員を買収しようとしていると批判している。真実のほどは不明だが、今回、プラチャンダがどんな手段を使っても首相になりたいと思っていることは事実だと聞く。こうしたプラチャンダのやり方に対して、バブラム・バッタライは公の場でも強い批判をしている。プラチャンダはなぜにここまでしても首相に返り咲きたいのか、理解しがたいが、背後に立候補を強く勧めている人物がいるという噂もある。おそらく、その人物の意図はバブラム・バッタライとプラチャンダの対立を深めて、できれば党分裂を、少なくとも、党指導部の弱体化を図ろうということなのだろう。
サランは、「民主的政党が新政権を率いるべきだ」というインドの方針を、マオイスト以外の政党リーダーに伝えて帰国した。興味深いのは、サランがバブラム・バッタライと別個で会見していること。ヤダヴ大統領とネパール軍のグルン参謀長、そして、スールヤ・バハドゥル・タパにも会っている。サランが来たことにより、マデシ政党がプラチャンダを支持する可能性はほとんどなくなったと見ていい。マオイストは来週開かれる中央委員会議で、最終的な決定をすることになっているが、バッタライ派の動向に注目したい。
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