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気がついてみたら、もう5月がすぐそこにきている。前にブログを更新してから3週間たってしまった。毎度のことながら、毎日、訪れて下さっている方には本当に申し訳ありません。とはいえ、政治にはそれほど大きな変化があったわけではない。カナル首相は相変わらず自党内からの圧力で、身動きができない状態にある。明日から始まる予定だった中央委員会議で、KPオリとMKネパールの一派は、カナル首相に辞任を迫ることを決めていたが、昨日、カナル首相は突然中央委員会議の延期を決めた。
一方、マオイストのダハル議長は昨年11月の拡大会議で決定したPeople's Revoltの方針を捨てて、「和平と憲法制定に焦点を当てる」新方針を打ち出した。People's Revoltの方針を提唱したバイデャ副議長とその一派は、議長の突然の180度方向転換に強い反発をしている。先週末から始まった中央委員会議で、新方針に関する議論がされているが、バッタライ派がダハル議長を支持することが明らかなため、この新方針が認可されることは確実である。ゴルカで開かれた拡大会議のときには、バブラム・バッタライを孤立化するために、バイデャに接近して、バイデャの方針案を取り入れたが、ここにきてダハルがバッタライに急接近した理由については、さまざまな憶測がされている。
制憲議会の任期が切れる5月28日まで、残すところ1月あまり。カナル首相とダハル議長は任期を延長する意向だが、統一共産党のオリとネパール、そしてマデシ政党は任期延長に反対している。ネパール会議派は条件付きの任期延長を受け入れる可能性が高い。これまでの動きを見ると、再度、任期を延長することを受け入れざるを得ない状況になりそうだ。
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カトマンズのこの季節は長時間停電と渇水で、不便さが増す時期である。一昨年までは水に困ったことがなかったわが家も、昨年の夏から水があまり来なくなった。それでも、親切な隣家から余った水を分けてもらったりして、どうにかやってきたのだが、昨日は数年ぶりで家の下水道の清掃をしたさい、思ったよりも水を使ったために、地下タンクの水がほとんどなくなってしまった。そのため、夜、トラックの水を買った。8000リットルで1500ルピーである。高いのか安いのか、私にはわからない。地下タンクが久しぶりに満杯になるのを見て、これで1月間は心配をせずにすむと安心した。日本の被災者の方たちの不便な生活のことを思うと、住む家があるだけでもありがたいと思う。
「5月28日」まで、あと2ヵ月を切った。もちろん、新憲法は完成には程遠い。今の状況が続けば、期限までに憲法はできないことが確実だ。インドが望めば制憲議会の任期が再び延長されることは可能だが、ネパール会議派とマオイストのバイデャ派はすでに「延長には反対」の意を明らかにしている。最近ニューデリーから戻った“インドのスポークス・パースン”スールヤ・バハドゥル・タパ元首相は「制憲議会の任期延長もあり」という発言をしていた。マオイストのバブラム・バッタライは「任期を延長しても憲法を制定すべき」という見解を明らかにしている。カナル首相もおそらく同じ考えだろう。
ぎりぎりまで危機感が沸いてこないのは、この国の政治家に共通した性格といえるが、与党のマオイストと統一共産党は党内分裂に翻弄されて、組閣もできない状態にある。土曜、日曜とマオイストはシンドゥパルチョーク郡にあるリゾート・ホテルで常備会議を開いた。会議の最大の目的は、最近顕著になってきた3派の対立、とくにダハル派とバッタライ派の対立を解決することだったが、何も結論が出ずに終わっている。
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さて、またネパールの政治のことなどを、ぼちぼちと書き綴っていきたいと思う。ブログの更新がとどこおるようになって、ずいぶん時間がたったように思うが、この間、ネパール政治から離れていたわけではなく、以前と同様に、ずっと近くから見守っていた。マオイストにかぎって言えば、ここ数ヶ月の動きのなかで、最も際立っているのは、党内3派(ダハル議長派、バイデャ副議長派、バッタライ副議長派)のあいだの対立の深まりである。とくに、ダハル派とバッタライ派の対立は、はたして修復可能だろうかと疑問をもつほどに深刻である。党幹部のあいだだけでなく、党の下部組織から労働組合、さまざまな階級組織、そして党のメディアまで、もはや隠すことができないほどに対立が深まっている。一言でいえば、マオイストはいまやダハル議長のコントロール下にはない。
党内の対立が“見えるほどに”明確に現れているのが、マオイストの出版局の資金で発行されている日刊紙Janadishaと週刊紙Janadeshである。出版局のチーフはバブラム・バッタライだが、これらの新聞がバッタライの影響下にあると考えるダハル議長が資金の供給をストップしたために、Janadishaは2週間前から休刊となり、Janadeshはページ数を4ページにして白黒で発行している。
労働組合も今年に入って3派の対立が激化し、組合の中央委員会がすでに3つに分裂している。ダハル議長の有力な“資金源”として知られるジャマルカッテル会長が、組織を独裁的に運営しているとして、バイデャ派の副会長が組合を離れて別の組合を結成。その後、バッタライ派の組合員も組合を離れて別の組織を結成した。一方、今月に入って、People's Volunteer Deployment Bureauという新組織が結成されたが、この組織のトップがバイデャ派を率いるビプラブこと、ネトラ・ビクラム・チャンダであることを不満とするダハル派のYCL幹部が、新組織の組織化を阻止する動きにでている。
さらに、党員のあいだで「バッタライが党を分裂させる」というSMSが携帯電話を通じて広まったために、バッタライは昨日、自派の党員を自宅に集めて、党を分裂させる意向はないことを明らかにしている。ダハルは、国民的な人気のあるバッタライに党首の席をのっとられることをおそれているのだろうか。この党内対立がさらに進むと、「それでも党は分裂しない」と言う言葉を信じることは難しくなる。
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生徒を避難させたあと、海に近いプールにいた水泳部員を助けに行き、そのまま津波にのみ込まれた高校教師。研修にきていた中国人を助けたあとに行方がわからなくなった工場主。命綱となる衛星電話を取りに行き、電話を渡したあとに津波にのまれた病院事務局長。地震でサイレンが鳴らないために、避難を警告するために半鐘を鳴らし続けて津波にのまれた消防団員の方。被爆の恐れをものともせずに、自ら志願して福島第一原発の放水活動に参加した消防隊員の方々。
毎日、オンラインで東北関東大震災と、その後に起こった福島第一原発の事故に関するニュースを追っている。自らの命を捧げて、人を助けようとする人たちが、日本にもまだまだたくさんいることを知り、同じ日本人として誇りに感じるとともに、こうした方たちが犠牲になったこと、そして、2万人を超える方たちが命をなくされたことに深い深い悼みを感じる。これ以上被害が広がらないことを、そして、被災者の方たちが早く平穏な生活に戻れることを祈っている。
日本で起こっていることに比べたら、ネパールの政治家の“我欲”に基づく行動がいかにもちっぽけなものに見えて、正直、何ともばかばかしく思えてくる。このギャップを埋めることができるのだろうか。その答えをだすためにも、このブログをもう少し頻繁に更新してみようと思っている。
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一昨日正午すぎ、オンラインのニュースを通じて地震のことを知りました。すぐに栃木に住む母親の携帯電話に連絡をとり、無事を確認してから、ずっと今まで、電気のあるときにはテレビでBBCかCNNのニュースを見(わが家ではNHKを見ることができません)、停電のあいだはインターネットにくぎづけでニュースを追っています。1923年の関東大震災の45倍、1995年の阪神大震災の1450倍のエネルギーをもつ地震。母国日本で、想像を絶する災害が起こったことを、さまざなまメディアから入る映像で思い知らされています。すぐにも帰国して、何でもできることをしたいという思いにかられながら、何もできない無念さは、4年前に友人が倒れて意識不明に陥ったときと同じ思いです。被災された方々に、世界中の祈りが届きますよう、これ以上被害が広がらないよう、ネパールからも祈りたいと思います。
ラリトプル、ネパールより
小倉清子 |




