Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 ‘ひょうたんから駒’の記者会見だった。最大政党の一つネパール統一共産党(UML)の幹部で、ネパール農民連合のバムデブ・ガウタム会長の記者会見の知らせを昨日、ファックスで受けたのだが、内容が農民連合の総会に関するものだったために、興味を覚えなかった。しかし、ガウタムが先週、ロルパ郡に行って、マガラト自治共和国のサントス・ブラ・マガル議長らと会ったと聞いていたため、マオイストに関する質問をしようと、やはり行く事に決めた。行って損はしなかたった。重要な情報を得ることができたからだ。午後3時から同連合の事務所で開かれた記者会見には、もちろん外国人は私一人。真っ先に「ロルパで誰と会ったのか、どんな話をしたのか」と私が質問をすると、記者会見では連合の総会に関する質問は出ずに、マオイストに関するものばかりで終始した。

 ガウタムは私がロルパを離れた2日後の今月20日から23日までロルパ南部に滞在して、「ロクタントラ・ジャガラン・アビヤーン(民主主義意識向上キャンペーン)」プログラムを複数の村で開いた。ガウタムは私の最初の質問に対して、「最初の日、ホレリでプログラムを終えて、ヌワガウンからトリベニまで歩いているときに、‘突然’マガラト自治共和国政府のサントス・ブラ・マガル議長とロルパ郡のマオイストの党セクレタリー‘ドゥルバ’に会った。その後、われわれUMLの約200人は、マオイストの人民解放軍やジャナミリシアの約200人の部隊に前後を守られながら歩いた」と話した。歩きながら、長時間、サントス・ブラと話した際、彼が「政府はわれわれが停戦をしたことを悪利用して、マオイストを拘束したり殺害したりする活動を続けている。したがって、(12月第一週に終わる)停戦を延長する可能性はない。それどころか、3ヶ月の期限が終わる前に停戦を破棄する可能性もある」と話したことを明らかにした。さらに、ガウタムはUMLとマオイストの幹部が、「6日前」に、UMLがマオイストの地域で活動をするのを、マオイストが邪魔しないことで合意に達したことも明らかにした。この合意がどこで、誰とだれのあいだでなされたかについては明らかにしなかった。

 UMLのマダフ・クマール・ネパール総書記は23日からニューデリーを訪問中だが、総書記がすでにマオイストの幹部と会ったことも話した。ちなみに、ネパール総書記の留守中、ガウタムは総書記代理の役を務めている。記者会見のあと、別室でガウタムと単独会見をした。このときに、記者会見では聞かなかった、一番気になっていたことを聞いた。それは、カトマンズで噂になっていた中央委員会議のことだった。ロルパ取材のあいだに、明確な情報を得ることができなかったのだが、ガウタムによると、マオイストはつい最近、ネパールのどこかで、幹部会議を開催して重大決定を下したらしい。決定内容すべてをここに書くことはできないが、大きな方針転換があったことは明らかだ。これは噂されていたような‘中央委員会議’ではなく、新しく結成したcore committeeの会議だったらしい。どうやら、95人の中央委員会と27人の政治局は解体されたらしい。これを聞いて、ロルパにいたときから抱いていた疑問が解けた。ロルパを歩いているとき、武装マオイストにほとんど会わず、不思議に思っていたのだが、おそらくこの会議のセキュリティーのために、他の郡に行っていたのだろう。この会議が開かれたのはロルパに近い郡である可能性が高い。

 ガウタムのロルパ行きそのものが、あるいはマオイストと会見するためだった可能性もある。それにしても、1週間長くロルパに滞在していたら、もっといろいろな情報を得ることができたのにと、少々悔やまれた。

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 民主化運動を進める7政党は、まだ、のんびりと「ダサイン・ティハール休み」の最中だが、21日深夜の政府による「カンティプルFM襲撃」以来、首都圏では特に報道関係者が熱くなっている。今日も午後3時からマイティデビで8つの学生組織が問題の「メディア法」を燃やすプログラムを、午後4時半からはプルチョークにあるカンティプルFMで口にブラック・バンドをする抗議プログラムがあった。二つとも知らせを受けたのだが、21日夜にデジタル・カメラをなくした後、次のカメラを買っておらず、結局現場には行かなかった。カンティプルFMには今日、ネパール駐在のモリアティ米大使も視察に訪れた。米政府は、国務省スポークスマンの名前で、カンティプルFMの事件について「深く失望するとともに、懸念する」という声明も出している。一方、中国を公式訪問していた王室ネパール軍のタパ参謀長は、今日、帰国直後に記者団に対して、中国政府がネパールに対して7200万ルピーの軍事資金を援助することを約したことを明らかにした。2月1日の政変後、インド・米・英の軍事援助国がそろって軍事援助凍結を続けるなか、こうした中国の態度は興味深い。額を見ると、大した金額ではないが、あるいは「形だけのもの」であれ、軍事援助を約したことに変わりはない。

 ロルパだけでなく、フィールド取材からカトマンズに戻るといつも感じることだが、カトマンズの政治(メディア界などの動きも含めて)がどうも衆愚政治のように見えて、なかなか興味がひきつけられない。私はマオイストの武装闘争を支持はしないが、とくにロルパなどのbase areaで会うマオイストたち(もちろんすべてではないが)には、政治に命をかけているという緊張感が感じられる。明日の命さえわからないという彼らの生活を身近で見、彼らと話していると、取材するこちら側も半端な姿勢ではだめだ、彼らと同じだけのリスクを負わないといい仕事はできないと心が引き締まる。ところが、カトマンズに戻って、見慣れた政党リーダーの顔を見たとたんに、この緊張感がしぼんでしまうのだ。どんなに愚かでも、この国の将来を決めるのは議会政党のリーダーである彼らであり、また、彼らでなくてはいけないと心ではわかっているのだが、どうしても信用できない。私でさえこうなのだから、一般国民の政党リーダーに対する不信の心情を拭い去ることがどんなに困難なことか、推して知るべしである。

 写真は昨年12月、ダイレク郡とアチャム郡の境界にある村で会った、人民解放軍の女性兵士。 

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