Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 全国でキャンペーンを展開しているネパール統一共産党(UML)が、12月2日にカトマンズで大規模なデモを計画している。偶然、この日はギャネンドラ国王が帰国する日、そして、マオイストの一方的停戦の最後の日と重なる。UMLがこのデモにつぎ込む意気込みはかなりのもので、今日は、このプログラムを成功させるために、各紙編集長や外国メディアのジャーナリストを集めて、同党のマダフ・クマール・ネパール総書記が“懇親会”を開いた。この日のデモは、まさにカトマンズ盆地を挙げてのプログラムで、当日はポタリサラク、コテスワル、カリカスタン、ディリバザール、ガッテクロ、ガウサラ、マンガルバザールなど、10箇所近いところに集まってナヤバネスワルの集会場までデモをすることになっている。今回のデモは「(当局側との)対立は避けて、規模を見せる」(ネパール総書記)のが目的のため、カトマンズ市内の「デモ集会禁止域」には入らないそうだ。

 今、一番熱心に活動をしているのがUMLである。おそらく、彼らは次の選挙(彼らの目的が達成されたら、制憲議会選挙ということになる)までも視野に入れて、党基盤強化をねらっているのだろう。その辺が組織力のないネパール会議派とは圧倒的に異なるところだ。党としての“意図”の強さが動員力に現れる。UMLは党員を最も大勢マオイストに“奪われた”政党でもある。UMLが分裂してバムデブ・ガウタム率いるグループがCPN(ML)を結成し、その後再び、UMLとMLが合併したとき、特にMLから大勢の党員がマオイストになった。2003年に次々にカトマンズで逮捕されたマオイストの学生リーダー、クリシュナ・K.C.も、ギャネンドラ・トリパティも、ヒマール・シャルマも全員がMLの出身である。UMLが最初にマオイストとの“合意”を成立させたのも、実は、マオイスト側にいった自党の勢力を再度、呼び戻す意図があったことは間違いない。2日のデモにどれくらい人が集まるのか注目される。

 一方、オンライン・ニュースによると、一方的停戦の期限切れまで3日を残して、西ネパールのサリヤン郡でマオイストが王室ネパール軍のヘリコプターを銃撃したというニュースが流れた。ニュースの情報源は軍側だけらしいので、真実のほどは不明である。

 またしても読者の方に謝らなければいけない。“ニューデリー円卓会議”に関して、「プラチャンダが参加していなかった」「円卓会議ではなかった」と前の記事で書いたが、この情報も不確かであることが今日わかった。一人ではなく、複数の当事者に直接取材して聞いた情報であったため、ブログに書いても大丈夫だろうと判断したのだが、相手が政治家であるということを念頭に入れることを忘れていた。早まってブログに書いたことは私の過ちだ。簡単に証言を信用するということは、ネパールで取材活動をする者として、絶対にしてはいけないことなのだが、なかなかこの癖から抜け出ることができずにいる。この情報に関しては、さらなる確認取材をしてからのみ書かせていただきたい。

 私自身が“狂騒曲”に踊らされていたわけで、本当に恥かしいかぎりである。第三者の判断の入らないブログの運営の難しさを改めて実感した。間違いを犯すたびに謝罪をして終わりというのも、読者の方に公正ではないと考え、これを機会に「コメント」をオープンすることにした。何分、時間が不足していることから、いただいたコメントに対する答えは、なかなかできないと思うが、読者の方からのご意見はありがたく受け入れたい。

 マオイストが昨日、ようやく中央委員拡大会議の決定事項を公表した。プラチャンダ党首がE-メール声明を通じて公表した内容によると、拡大会議はコミュニストの共通歌「インターナショナル」の合唱で始まったとある。会議の初めにプラチャンダの提案書が読み上げられ、出席者“全員一致”でこれが可決されたとある。マオイストは、各レベルの人民政府議長を決めるときも、提案書を可決するときも、私の知るかぎり、ほとんどが“全員一致”である。意見の相違は本当にないのかと不思議に思うほどだ。それはともかく、政策に関する主な決定事項は以下のとおりである。
・独裁王政打倒のために、議会政党との協力が必要であること。
・暫定内閣、制憲議会、民主的共和制を目標とすること。
・複数政党制度、基本的人権に対する党のコミットメント。
 さらに、今年春に暴露されたプラチャンダ派とバブラム・バッタライ派の間の党内闘争に関しては、自己粛清などを通じて解決されたとある。そして、人民戦争の最終段階であるStrategical Counter-offensive(戦略的攻撃)の第一段階は“成功り”に終了して、次の段階の計画をしていること。政治戦略としては、議会政党との相互関係の改善に特に力を入れること。軍事戦略としては、人民解放軍の師団を3つから7つに増加することが決定されたとある。党組織に関しては、95人いた中央委員会を解体して、党総会を開催するまで、33人のメンバーからなるコーディネーション委員会を発足させたこと。プラチャンダを除いて、常備委員会、政治局、中央委員会の全メンバーをワンランク降格したこと。中央政府にあたる統一戦線も解散して、国民総会を開催するために、バブラム・バッタライをコーディネーターとする委員会を設置したことが決定事項に記されている。
 
 決定事項のほとんどはすでに党外にも漏れ出ていたが、政策に関する党決定の公表は、7政党とのあいだの同意を裏付けることにもなる。

 さて、メディアで散々騒がれた17日の“ニューデリー円卓会議”についてだが、これが真の意味での“円卓会議”ではなかったことは昨日、書いた。しかし、7政党(実際にはネパール統一共産党、ネパール会議派、人民戦線ネパールの3党)のトップが、マオイストの“トップ”と長い話し合いをするために、わざわざニューデリーに行ったことは真実だ。私が会った関係者は、「ネパールでは電話が盗聴されている恐れがあるために、電話で詳細を話すことはできなかった」と、インドに行った理由を話していた。もちろん、すべての話し合いが電話で行われたわけでもない。12ポイントの“了解あるいは同意(understanding)”(これは“合意(agreement)”ではないと、某政党リーダーがはっきりと言っていた)のなかで、明確でなかった点のうち、武装解除に関してだが、マオイストは制憲議会を通じて新憲法が制定されて、主権が完全に国民の手にわたったあと、議会に対して国軍、人民解放軍ともに武器を引き渡すと言っているという。これは、最終的に国軍の兵士と人民解放軍の兵士が混合した、新しい国軍が結成されるということだ。王室ネパール軍の士官が果たしてこうした方法に簡単に従うか否かは、大いに疑問が残ることだが、制憲議会後の新体制下で議会のもとで武装解除をすることにマオイストは合意している。

 いずれにしても、今回の“同意”はプロセスのごく最初にすぎない。正式合意に至るには、7政党内だけでも、調整が必要な事項がたくさんある。

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