Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 前の記事を書いた直後、ダイレク郡の「カンティプル」紙記者が別のE−メールを送ってきた。警察が彼に対して、明日出頭するよう命令する書類を送ってきたという。ネパールガンジにある某人権NGOがすでに、同郡のジャーナリスト17人を迎えにネパールガンジからダイレクに向かっており、17人は明日にはダイレクを離れる予定だという。

 昨日、ネパール会議派は党総会後初めての中央委員会を開いた。この席で、コイララ党首は党ナンバー2にあたる幹事長にスシル・コイララ前幹事長とラム・チャンドラ・パウデル元国会議長を任命した。コイララ党首としては「コイララ・ファミリー」のメンバーで、自分に忠実なスシル・コイララだけを再び幹事長にしたかたのだろうが、党内外からの自派に対する批判をかわすためにも、2月1日以降、党内“ラディカル派”のリーダーとして頭角を現したパウデルを無視できなかったのだろう。しかし、今日になって、スシル・コイララが幹事長の任命を辞退した。昨日の中央委員会では、スシル・コイララは党内ステータスの順位で、自分よりもサイラジャ・アチャルヤ女史を上に持ってきたことに関して、「自分の方が年長で、最大票を得て中央委員になったにもかかわらず、なぜ自分のステータスが下なのだ」と、不満の意をコイララ党首に対して表しており、これが拒絶の理由だと伝えられている。アチャルヤ女史も同じコイララ・ファミリーのメンバーだが、2人は前から仲が悪い。些細なことに見えるが、近親者だからこそ、プライドを傷つけられたのだろうか。理解できない。パウデルが幹事長になったことで、少しは党は変わるのだろうか。いろいろな意味でクリーンなイメージのあるリーダーであるとはいえ、彼も、党内支持基盤はそれほど強くはない。コイララ党首の健康がこのところすぐれないとも聞いている。彼に何かあったさい、パウデルに党をまとめることはできるのだろうか。

 日刊紙「カンティプル」によると、西ネパールのダイレク郡で郡庁所在地に住むジャーナリスト17人が、政府側治安部隊からの脅威のせいで、郡内で取材活動をすることが極めて困難になったたため、郡を離れてカトマンズに来ることを決めた。17人は全員がネパール・ジャーナリスト連合のメンバーだ。昨日、同連合のダイレク郡支部が緊急会議を開いて、これを決定したという。彼らは自分たちだけで郡を離れるのが危険であるために、彼らが安全に郡を離れるのを助けてくれるよう、人権活動家やメディアに要請している。実は、一昨日、「カンティプル」紙のダイレク郡記者で、ネパール・ジャーナリスト連合の同郡支部長であるハリハル・シン・ラタウルからE−メールが届いていた。ラタウルには昨年12月にダイレクに取材に行ったさいに会ったほか、彼がカトマンズに来た際に何度か会っている。一昨日送ってきたE−メールのなかで、ラタウルは国営新聞「ゴルカパトラ」のダイレク郡記者が、「ラタウルがマオイストから毎月6000ルピーの‘給料’をもらっている」とする、彼に関する誤まった記事を書いて、彼を陥れようとしていると書いていた。「ゴルカパトラ」の記者は、国王の絶対王政に反対して運動を始めたネパール・ジャーナリスト連合に対抗して、国王派のジャーナリストが最近結成した「Rashtriya Patrakar Maha−sang」のメンバーだという。ラタウルはE−メールのなかで、この記者がダイレクに駐屯する王室ネパール軍の仕官と組んで、彼に対する陰謀を働いていると主張している。ラタウルは先月、ダイレク郡ドゥッル村で治安部隊が子供にお金を渡して、“スパイ”として使っているという記事を書き、「カンティプル」に掲載した。このあと、彼は郡庁所在地の軍兵舎に呼ばれ、注意をされた。同紙にはこのあと、「ダイレクのジャーナリストが軍からハラスメントを受けている」という小さな記事が何度か掲載された。

 ダイレクでは、昨年、ジャーナリスト1人がマオイストにより拉致されたあと殺害されて、国内外で注目された。マオイストは殺害の理由について、この記者が「ダイレクで開かれた国王の歓迎式典で司会をしたため」であることを明らかにしたが、後に、「殺害は誤りだった」とことを認めている。同郡ドゥッル村では、昨年11月に、マオイストの蛮行に我慢ができなくなった村人が、女性を中心に立ち上がり、「反マオイスト」の運動が始まったと大きく報道された。その後、この運動は郡の東部にあるナウムレ村とサッレリ村にも広がり、マオイストの報復を恐れて、大勢の村人が郡庁所在地に逃れてくる事態となった(この事件に関する取材記事は、アジアプレス・ネットワークのオンライン・ジャーナルに掲載した)。ラタウルのメールによると、治安部隊は難民のなかの9人に武器を与えて、マオイストに対する報復グループを結成し、彼らを村に帰したという。マオイストが9月4日に一方的停戦宣言をしたあとに、この報復グループは郡庁所在地の近くで金を集めていたマオイストを殺害。この事件を知ったジャーナリストが記事にするのを阻止したという。

 一体、地方では何が起こっているのだろうか。カトマンズでメディアを見ているかぎり、主要日刊紙は自由に政府批判の記事を掲載しているし、FMラジオも番組の名前を変えてニュースの放送を再開したりで、報道の自由が戻ったかのように見える。しかし、地方でこんなことが起こっているのだとしたら、とても自由が戻ったといえる状況にはない。

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