Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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筆頭閣僚が叫ぶ

 午後8時半の「カンティプル・テレビ」で筆頭閣僚のDr.トゥルシ・ギリが演説するシーンが放送された。右手に憲法の冊子を持ち、それを手荒に振り回しながら、「この憲法のせいで、2月1日に国王が宣言をした目的が達成できずにいる」などと話す。余程、この“民主化憲法”が憎いのだろう。政変後、情報局で最初に開かれた記者会見でも、憲法を手にしながら、「この憲法が何年に制定されたのかも知らない」とうそぶいていたのを思い出す。Dr.ギリは今日、ビラトナガル市で開かれた、国王が任命した郡開発委員会の議長らを歓迎する集会で演説したのだが、さらに「現憲法を作成したネパール会議派が党綱領から“王制”を除き、UMLが共和制を党方針にしたからには、政府だけがなぜこの憲法に従わなければいけないのだ」と話した。そして、現在、政府が目の敵にしている「カンティプル」について、「この憲法のせいで、彼らが書きたいことを書いても罰することができずにいる」と話し、「報道の自由は制限しなければならない」と話した。Dr.ギリは要するに、政府が憲法を無視していることを、“敵”のせいにして正当化しようとしているのだろうか。そもそも、国王は「2月1日」以降に行っているすべての行為を「憲法127条にもとづくもの」と正当化している。法律家でなくとも、国王が憲法で与えられた権利を超えたことをしていることは明白だ。それを棚に上げたDr.ギリの論調は、開き直りとしか言いようがない。しかし、筆頭閣僚が、こうした滅茶苦茶な発言を公の場でする理由が、何かあるのだろうか。国王は自ら作成した新憲法を発布する用意をしているのではないかと疑う人もいる。さらに、Dr.ギリは「世界のどの国でも、insurgency(武装闘争)が対話を通じて解決された例がない」と話し、政府がマオイストの停戦に応えて対話に入る可能性を否定した。彼の発言は、いつも聞いていて背筋が寒くなるほどの、国民を馬鹿にした発言だ。

 ダイレク郡の「カンティプル」紙記者ハリハル・シン・ラタウルが、今日、正午ごろ、郡庁所在地ダイレクにある自宅から警察により逮捕された。先ほど、彼の自宅に電話して家族から聞いた話しでは、自宅でE−メールを書いている最中に、私服警官が来て連行していったという。ラタウルは現在、郡警察署に拘置されており、人権団体INSECの地元スタッフが面会に行ったところ、会見は許可されなかったという。ラタウルは昨日も、私服警官により郡行政局に連行されたが、「郡を離れるのを禁じる」ことを言い渡されて、夕方釈放されていた。家族の話によると、郡警察に逮捕命令を出したのは、ダイレクに駐屯する軍の中佐だという。一方、昨日、ダイレクを離れたジャーナリスト8人は現在、スルケットに避難しているという。今日もさらに3人のジャーナリストがダイレクを離れてネパールガンジに行った。すでに今日、カトマンズから、「カンティプル」の編集長ナラヤン・ワグレと「The Kathmandu Post」の編集長プラテク・プラダン、ネパール・ジャーナリスト連合の幹事長ら5人のチームが現地に向かっており、ラタウルの家族によると、チームは明日午前中にもダイレクに到着することになっているという。

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