Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 ダサイン祭が近づいている。マオイストが「一方的停戦」を宣言したせいか、今年は、地方の実家に帰ることを決めた人が多いようだ。政党の人たちもダサイン、ティハール祭を機に、民主化運動を全国に拡大するために、今年は地元に戻るという人が多い。9月4日にマオイストが3ヶ月間の「一方的停戦」を宣言してから、治安部隊との交戦や殺害のニュースは格段に少なくなった。しかし、一昨日、パルパ郡で‘交戦’があり、マオイスト6人が死亡したというニュースが昨日になって報道された。政府側は「マオイストがパトロール中の治安部隊に攻撃をしかけてきたために、交戦となった」と公表したが、「カンティプル・オンライン」によると、「マオイストが食事を準備しているときに、治安部隊が包囲して発砲した」と地元の村人が話しているという。犠牲者のうち1人は19歳の一般人だった。5歳と7歳の子供が交戦に巻き込まれて負傷している。死者のなかには12歳の子供も含まれているが、軍側は「マオイストが見張りに使っていたのだろう」という見解を明らかにしている。この見解も信用はできない。もし、政府側が攻撃を仕掛けたのだとしたら、「政府は停戦を望んでおらず、マオイストに停戦を破棄させようと企んでいる」というマオイスト側の言い分は正しいことになる。

 もともと国王派であるべきの、パンチャヤト派政治家からなる2つの政党が少しずつ、民主化勢力寄りになっている。2月1日以後、いまだに国王支持を正式に表明していないパシュパティ・シャムシェル・ラナ党首率いる国民民主党の幹部ケム・ラジ・パンディットが今日、「われわれもダサイン後、街頭に出てくるだろう」と、同党が7政党の民主化運動に加わる可能性を明らかにした。ラナ党首は、2001年に当時のビレンドラ国王一家を含む10人の王族が死亡したナラヤンヒティ王宮事件で、調査委員会が「9人を殺害後に自殺した」と結論づけた当時の皇太子ディペンドラのガールフレンド、デビヤニ・ラナの父親だ。一方、国民民主党から分裂して新党を結成したスールヤ・バハドゥル・タパがこのところ、激しい政府批判を繰り返している。今日も、筆頭閣僚のDr.トゥルシ・ギリが現憲法を攻撃した事に触れて、「現憲法はネパールの大事な‘歴史の産物’。これを廃止したら、とんでもないことになる」と憲法擁護の発言をした。両党とも「王制支持」を捨てたわけではないが、絶対王政に対しては反対の姿勢を示している。

 週刊誌「サマヤ」に対するインタビューのなかで、筆頭閣僚のDr.ギリが、ギャネンドラ国王が国連総会への出席を直前でキャンセルした理由について明らかにしている。その理由とは、ブッシュ大統領が総会に出席する各国の代表を招待したレセプションに、ギャネンドラ国王が招待されなかったからだという。ブッシュ大統領が招待しなかったのは北朝鮮、ネパールを含む11カ国の代表だけだという。こうした‘差別’に抗議するために出席をキャンセルしたというわけだ。米政府のネパール政府に対する見方を反映する出来事と言える。

 ダサイン祭の最中に、ギャネンドラ国王が新憲法を発布するのではないかという噂が広まっている。先日、筆頭閣僚のDr.トゥルシ・ギリが「現憲法があるかぎり、国王の独裁体制は成功しない」という発言が噂のきっかけとなったものだが、どうやら、これは根拠のない噂ではないようだ。某政党の幹部の話しによると、王室はすでに新憲法を作成しており、ネパール駐在のいくつかの大使を王宮に呼んで、これを発布したい旨を話したという。しかし、会見した大使全員が「新憲法を発布すべきではない」という意見を伝えたそうだ。外国勢力の干渉に強い反発を示している王室・現政府が、外交官の意見に従うとも思えないが、国王が実際に新憲法を発布したら、現政府はますます国際的に孤立することとなる。そこまでのリスクを覚悟してでも新憲法を発布するとしたら、験をかつぐ王室のことである、縁起の良いダサイン祭のあいだに宣言する可能性はある。

 民主化運動を進める7政党とマオイストのあいだの対話も進んでいるようだ。各政党はすでに、個々にマオイストのトップ・リーダーと何度か会って、話し合いをもっている。両者のあいだで、ある程度の合意も成立している。9月4日のマオイストによる一方的停戦宣言も、マオイスト側が政党側の信頼を勝ち取る目的で自発的に行ったものだと聞いた。マオイスト側は、国連、EU、インド、米英政府が7政党とマオイストの運動を正式に支持すれば、国連とこれらの外国政府の代表を含めて対話を始めること、さらに、国連に武器を渡すことに関しても合意したと聞いた。マオイストは武装闘争が長引くほど、彼らにとって不利であることを実感しているようだ。ネパールのマオイストは非常に現実的なところがある。今が好機と見たら、政党側とある程度妥協をしてでも対話に来るはずである。

 先日、再び党首に選ばれたばかりのネパール会議派のギリザ・プラサド・コイララ党首の具合が良くないらしい。コイララ党首は先日から、ビラトナガルの実家に戻っているが、しばらくのあいだ完全休養が必要な状態だという。83歳という年齢である。いつ何があってもおかしくない。しかし、健康状態が良くないのは、先日の党総会よりも大分前からわかっていたことだ。コイララ党首の健康状態のために、7政党の民主化運動の進行にも影響が出ていると聞いた。いさぎよく、党首の席を若手に譲るのもリーダーシップの責任だと思うのだが、コイララは先日の党総会でそれをしなかった。次期党首には、何が何でもコイララ・ファミリーのなかから出したいというのがコイララの思惑だという。先日幹事長の任命を辞退したスシル・コイララとシャイラジャ・アチャルヤ女史の名前があがっているが、両者ともリーダーとしては弱すぎる。コイララ党首は一応、7政党の民主化運動の「最高指導者」ということになっている。しかし、彼の健康状態が改善しなければ、ネパール共産党統一マルキスト・レーニニストのマダフ・クマール・ネパール総書記が運動を率いるということになる。最近、ネパール総書記は、「共和制になるべき」という姿勢を明確に打ち出している。いまだに「王制」にこだわるコイララ党首に代わって、ネパール総書記が運動の前面に立てば、運動ははっきりと「共和制実現」を目標とすることになる可能性が高い。

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