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昨夜、ネパールガンジからの最終便の飛行機でカトマンズに戻ってまもなく、カトマンズへの主要な入り口であるタンコットのチェック・ポストと、バクタプルにあるダディコットのチェック・ポストをマオイストが襲撃したというニュースが入った。マオイストはさらに、ラリトプル市内にあるチャサルやカトマンズにあるバウダの市役所地区事務所を爆破している。今日午前中までに確認された警官の死者数は12人。そのうち、11人がタンコットで、1人がダディコットで殺害されたものだ。一方、マオイストは襲撃直後に「Krishnasenonline」のE−メールを通じて、彼らの側に犠牲者がいなかったことを明らかにした。マオイストは昨年10月の中央委員総会のあと、首都圏をターゲットにする新戦略を明らかにしてきたが、昨日の連続襲撃はその戦略に基づく最初の襲撃である。
今朝8時すぎ、現場のタンコット・チェック・ポストに行ってきた。カトマンズの中心から10キロほどしか離れておらず、こんなところで襲撃が起こったことにまず驚く。ここはカトマンズ盆地に入る入り口の中でも、最も交通量が多いチェック・ポストだ。ポストの周囲に住む人たちや、襲撃時、ポストの敷地内にいたにもかかわらず、ベッドの下に隠れて助かったという警官の証言によると、マオイストのなかの一つのグループは、昨日午後5時半ごろ、ビルガンジから来た一般のバスに乗り、乗客に混じってやってきた。バスに乗ってきたマオイストの人数は30人から40人だったと1人の目撃者が話していた。(「Kantipur」紙に警官の目撃者が語った証言によると、バスに乗っていたのは15人くらいの迷彩服を着たマオイストだったという。)同時に同じくらいの人数のマオイストがポストの後ろの塀にはしごをかけて、敷地内に侵入した。襲撃時、ポストには約40人の警官がおり、敷地の外3箇所にある見張り所にいる警官3人以外は、敷地内の庭に集まって任務交替の指示を受けていた。つまり、彼らの手には武器がなかった。マオイストはまず、見張り所にいる3人の警官を射殺。さらに、ポストの近くにある交番に1人でいた交通警察官を射殺した。敷地内に入ったマオイストは、警官を手当たり次第に撃ち、ポストの責任者である警部1人を含む7人が敷地内で死亡した。他の警官は隠れたり、逃げたりして助かった。助かった警官によると、警官側は不意を衝かれて武器をとりにいく暇もないうちにマオイストに襲われたと言う。マオイスト側に人的被害がなかったのは、そのためだったのだろう。マオイストは30分で襲撃を終えると、スローガンをあげながら、南のマクワンプルの山岳地帯につながる道を逃げていったという。
まず、驚いたのは、マオイストが停戦を破棄して「カトマンズ襲撃」の可能性を何度も示唆し、市選挙の妨害を宣言しているにもかかわらず、少なくとも、タンコットのポストの警官たちには、そのための用意を真剣にしていたような気配が見えないことだ。タンコットへの襲撃のスタイルを見ると、小人数による、しかも先鋭されたマオイストからなる短時間の急襲である。周辺のジャングルで他の部隊が包囲していた可能性は高いが、現場に行ったマオイストは100人前後だったと思われる。武器もすべてを奪わずに現場を去っている。つまり、今回の襲撃の主な目的は、ポストを占拠したり、武器を奪うことではなくて、選挙を前にして、首都圏に住む人たちに心理的な衝撃を与えることだったと考えられる。その意味では、カトマンズ市民は十分な衝撃を受けている。今後も似たような襲撃が可能か否かは不明だが、政府側にとっては大きなチャレンジを突きつけられたことになる。
写真上は、現場のタンコット・チェック・ポスト
下は、ポストの近くでマオイストが爆発させた爆弾のために、窓のガラスが壊れた家。
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