Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 今日、カトマンズやパタンのあちこちに、プラチャンダの顔写真入りのポスターが張られていた。6月2日に予定されているカトマンズのクラマンツでの“マオイスト大集会”の宣伝ポスターだった。ナラヤンヒティ王宮事件の5周年にあたるこの日に(ネパール暦のJesth月1日)、マオイストは首都で大集会を開くことをすでに公にしている。2日の集会には、先日の中央委員会で決まった、対話準備のための対話団メンバー3人が公の前に姿を現して演説をすると聞いたが、3人(クリシュナ・バハドゥル・マハラ、ディナナス・シャルマ、デブ・グルン)とも、それほど魅力のある演説をするリーダーではない。他に演説のうまいリーダーが来るのだろうか。私はむしろ、29日にポカラである集会のほうに興味がある。何しろ、人民解放軍の4つの師団を率いる“プラバカル”が演説をすることになっている。プラバカルとは、昨年12月にロルパ・ルクムを取材したときに3,4日、行動を共にしたことがある。

 午前中、市民や職業人の運動を率いてきたグループ、「ロクタントラ(民主主義)と平和のための運動」が、「4月革命」のあいだに亡くなった犠牲者の家族を一同に集める内輪の会があった。政府は昨日、全国21人の犠牲者の家族を呼んで、“実費”として一人あたり2万ルピーを手渡した。政府がすでに決定している犠牲者1人あたり、100万ルピーの補償金は、各郡の郡行政長官を通じて渡されることになっている。今日の会の主旨は、運動の主催者であるDr.ディベンドラ・ラジ・パンデや、シャム・シュレスタらが、家族の心情や政府への不満を聞くことにあった。息子を亡くした父親や、夫を亡くした妻など、ほとんどの家族が話すうちに涙声になり、あちこちからすすり泣きの声が聞こえていた。4月5日に、ラジビラジのデモで死亡した元村長の息子は、マオイストの人民解放軍のメンバーだった兄も2年前に亡くしており、この兄が原因で、治安部隊は頻繁に父親に嫌がらせをしていたことを話していた。ポカラに近いパルバト郡のデモで亡くなった男性の家族が、「この政府も信用できない。市民グループのリーダーであるあなたたちが、政党リーダーを十分に監視してほしい」と話していた。ほとんどの人たちが、残された子どもたちの教育と仕事の援助を求めていた。彼らの声を聞きながら、私はまたしても、ロルパの人たちのことを思い出した。今回の運動で犠牲となった人たちの家族には、補償金も出るし、こうして、苦情を聞いてくれるグループもある。しかし、マオイストの人民戦争で亡くなった13,000人を超える犠牲者の家族の声は、一体、だれが聞いてくれるのだろう。

写真上;運動の犠牲者の家族たち

写真下;マオイストの6月2日の集会を宣伝するポスター

 昨日、今日とシンドゥパルチョーク郡の村に行ってきた。帰ってきて、「国会宣言2063」が国会で全員一致で採択されたニュースを聞いた。この宣言は新憲法が制定されるまでの間、国会(下院)に国家の最高決定権限を与えるためのものだが、この宣言のなかで7政党は国王の特権をほぼすべて廃止している。まず、ネパール王室軍をネパール軍に、HMG(His Majesty’s Government)をネパール政府に名称変更。Royal Council(王室評議会)を廃止して、王位継承者の決定など、これまで王室評議会が行ってきたことを国会が行うことになった。王室予算も国会が決定。国王の資産にも課税されることになった。また、国王が違法なことをした場合、国王も裁判にかけられることになった。ヒンドゥー教を国教とすることも廃止されて、secular stateとなった。国王が保持していた軍の「最高司令官」のポジションも廃止され、軍チーフは内閣が決めることとなった。軍の発動の決定権をもっていたSecurity Councilも廃止され、内閣が軍を発動することになった。これにより、250年におよぶ国王と軍の関係は公式に切れたことになる。直前まで、内容について合意が得られていないという噂があったが、内容を見ると、最大限に国王特権を削減し、軍改革の糸口をつけた、まさに「歴史的な宣言」と言える。ただ、宣言文全体から匂ってくるのは、これはセレモニアル王制のための礎として作成されたのではないだろうかということだ。マオイストもその匂いを嗅ぎ取ったのか、先ほど送ってきたプラチャンダは声明のなかで、「運動のなかで国民が求めていた王制廃止、共和制要求に触れていない」と、宣言を完全に信用できないことを示唆している。しかし、私も正直言って、ここまで大胆な宣言内容になるとは信じていなかった。完全ではなくとも、7政党もようやく本当の一歩を踏み出したと言える。 

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