Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 どうやら風邪を引いたようだ。年末から来年1月にかけては、ほとんどの時間をフィールドで過ごす予定であるため、体調を整えておかないといけないのだが、このところ、午後遅くに、寒空をあちこちと歩き回ったのがいけなかったかのもしれない。昨夜も、あまり調子が良くなかったのだが、海外から知り合いが来ており、どうしても付き合わなければならず、夜まで外出してしまった。今日も何か所か外出の予定があったのだが、すべて取りやめて、自宅で休養することにした。

 さて、先ほどのニュースによると、マオイスト系のホテル・レストラン労働組合のメンバーが、ハッティバンにあるヒマール・メディアの社屋を襲撃した。約50人の労働組合員がヒマール・メディアの建物に押し入り、Nepali Timesの編集長Kunda Dixit氏や雑誌Himalの編集長代理Kiran Nepal氏、女性スタッフや記者らに次々と殴りかかったという。Rupublicaのオンライン・ニュース(http://www.myrepublica.com/portal/)によると、12人が暴行を受けたという。

 ヒマール・メディアは今年の夏ごろから、マーケティング・スタッフ内部でマオイスト系労働組合員と経営者側との紛争が持ち上がり、これが原因で編集スタッフを含めた大勢が社を辞めるという経緯があった。その後、マオイストの同メディアに対する嫌がらせが続き、先日は、刷り上ったばかりの雑誌Himalが焼却されるという事件もあった。そして、今月17日に発売された最新号では、「“組合”の名で蛮行」というタイトルで、マオイスト系労働組合を批判する記事を掲載したばかりだった。この記事が今日の襲撃の直接の原因となったのであろうことは想像がつく。あるいは、同じ号に掲載された、ダハル首相らマオイスト・リーダーの“私生活”暴露記事も襲撃の理由の一部かもしれない。

 主要メディアに対するマオイストによる攻撃は、日刊紙アンナプルナ・ポスト、カンテイプル・メディアに次いで3度目である。確かに最近のマオイスト系労働組合の動きには度を越えたところがある。それを批判する記事を書いたからとメディアを襲撃する行為は、傲慢で、そして愚かとしかいいようがないものだ。今日のヒマール・メディアに対する襲撃は、ホテル・レストラン労働組合の会長が直に指揮をして行ったものらしい。彼らの明らかな蛮行を、マオイスト指導層はどう説明するのだろうか。YCLと同様に、党内のコントロールのたががすっかり緩んでしまったのだろうか。

 昨日公表されたOHCHRのレポートに対する、ネパール・メディアの無関心がとても気になる。昨日の記者会見に出席したネパール人記者の数が非常に少なかったことを見たときにも驚いたのだが、カトマンズのメディアにとって、行方不明者の問題はすでに過去のこととなってしまったのだろうか。とくに、Kantipur紙の扱いが非常に小さいことが気になる。あるいは、バルディヤ郡のタルーの人たちが被害者のほとんどを占めるからだろうか。この国のメディアは、どうやらすっかり鈍ってしまったようだ。

 http://www2.ohchr.org/SPdocs/Countries/OHCHRReportBardiyaDistrict.doc

 上記でレポートを見ることができるので、ご興味のある方はご一見願いたい。レポートを読んでいて思うのは、今年9月に訪ねたカンチャンプール郡のタルーの村のケースとの共通点である。私たちが訪ねた村では、31人の村人が2002年の国家非常事態宣言が発令されていた9月から10月の約2ヶ月のあいだに、拘束されたあとに行方不明となっていることは、以前のブログでも書いたことがある。

 バルディヤもカンチャンプールも、国立公園に駐屯する王室ネパール軍が関わったものだ。ほとんどの被害者がタルーであることにも共通点がある。治安部隊は早朝あるいは夜、村に来て、目的とする家々に突然押し入り、「マオイストと疑わしき者」を連行し、その後行方がわからなくなるというのが、両者に共通する典型的なケースである。

 バルディヤ国立公園内にあるチサパニ兵舎内で行われた組織的な拷問。母娘で拘束され、兵舎に拘束されているあいだに、娘が軍士官により強姦されたことを知り、泣き暮らす母親。自宅で寝ているところを酔った治安部隊に連行されて、自宅近くで射殺された11歳の少女。23歳のNGOワーカーであもあったタルーの女性は、夜中に治安部隊により自宅から拘束された。この女性と思われる被害者が、自宅から500メートルのところで拷問を受けて叫び続ける声を、近くの何人もの村人が耳にしている。突然、声が止み、遺体はトラックに乗せて運ばれた。翌日、現場には被害者の血だらけの服が残されていた。

 これはレポートにある事例のごく一部である。当時、西ネパールを歩いていて、治安部隊の蛮行を私自身が目撃したことが何度かあったが、これほどひどいことが組織的に行われたことを知って背筋が寒くなる思いである。このレポートに出てくるチサパニ兵舎のチェックポイントでは、実は、私自身、兵士の傲慢な物言いと態度にかなり怒りを感じた経験がある。この兵舎のなかで、これほどひどいことが行われているとは、当時はもちろん知らなかった。これだけの人権侵害に関心を寄せることのないメディアとカトマンズの知識人層。その事実にも、背筋が寒くなる。

 

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