Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 本日もロルパの話題。今日、あるプログラムに呼ばれて行ってきた。アターラ・マガラート・マガル・アカデミーの設立8周年記念のプログラムで、同アカデミーが製作したフィルムの公開プログラムでもあった。覚えていらっしゃる方もいるかもしれないが、今年の7月にブログでも紹介した、ロルパのマガルの女性たちが踊る伝統的な「ジョラ・シャイ」という踊りのフィルムである。実はこの踊りはロルパではすでに踊られることはなく、記録と保存することを目的にアカデミーを主宰するバムクマリ・ブラ・マガルさんが中心となってフィルムに記録したものである。

 踊りは一種の歌劇とも言ってよいもので、歌にはちゃんとストーリーがある。山に住むダンフェ(ニジキジ)とタライに住むマジュル(孔雀)が互いに一目ぼれをするが、最後にダンフェが死んでしまうという悲恋の物語である。老女が歌うカーム語の歌に合わせて、女性たちがゆっくりと踊る。たくさんいた踊り手はやがて2人となり、最後には1人だけで踊る。ダンフェが死ぬ場面では、歌う女性も踊る女性も泣きながら感情を出して演じなければならない。

 ロルパのマガルの人たち、そして、アターラ・マガラートの文化は、私が今最も興味がある調査の対象であるとともに、近しく感じている人たちなのだが、なかでも、私は彼らの音楽と踊りに興味がある。マガルの人たちは1年をウデリ(7月半ばから1月半ば)とウベリ(1月半ばから7月半ば)の2つの季節にわけ、蛙が地面の中に入ってしまうウベリのあいだには、蛙を脅かさないように、音楽を鳴らしたり踊ったりすることが禁じられる。

 さて、今日のプログラムにはロルパに関係したさまざまな人が来ていた。メインのゲストはマオイストの2人の大臣であるクリシュナ・バハドゥル・マハラ情報通信大臣とラム・バハドゥル・タパ国防大臣だった。ロルパの高校の教師でだったマハラは、ロルパでは知らない人のいない超有名人。タパはマオイストが人民戦争を始める前後、ロルパを中心に活動したリーダーで、ロルパには彼を知る人が多い。彼もロルパには特別な思いがあるリーダーの1人である。

 ロルパに関連したプログラムにはよく招かれるのだが、著名人はマオイストが多く、ゲストはどうしてもマオイスト中心になってしまう。しかし、マハラは党外の人からも幅広く尊敬を受けた教師だったこともあり、今日のようなプログラムでもまったく違和感がない。マハラは党(政府も)のスポークスマンでもあるが、決して愛想がいいとはいえない。しかし、彼の暖かい人格は誰もが認めるもので、ロルパでは他党の人からもマハラの悪口を聞いたことがない。実は、35人いるマオイストの中央委員のうち、ロルパ出身の4人(パサン、アナンタ、ビプラヴ、ソナム)全員がマハラの教え子である。制憲議会議員や人民解放軍のコマンダーまで入れると、おそらく数十人がマハラの影響でマオイストになっている。彼の人格を知ると、それもうなづける。私にとっても、今のネパールで最も尊敬する政治家の1人といっていい。

 今日は、どうも気になるニュースがKantipur紙に掲載されていた。ロルパのガム村に、反マオイストの新武装集団が出現して村人を脅しているというものだ。実は、これに関しては、先週ロルパから来た知り合いに聞いていたのだが、このグループはどうもまだガム村にいるらしい。ガムの村人から知らせを受けて、警官が村に行ったところ、このグループは警官隊に発砲をしたという。ガム村のマオイストは身の危険を感じて、村を離れたという情報もある。

 ガム村では、今年3月、制憲議会選挙のキャンペーン中に、村でトップのマオイストが3人組の武装グループに殺害されるという事件があった。同じ日に、隣にジャマイカサラでもマオイストが1人殺害されている。記事からは、今、ガム村にいる武装グループが、この2人のマオイストの殺人事件と関連があるのかどうかは不明である。しかし、2つとも武器に関連した出来事であり、まったく関係がないと考えるほうがむしろ難しい。3月の事件のときには、3人の犯人グループの背後に何らかの勢力がいると、マオイスト側は主張していた。現在、ガム村にいるグループも、個人的な理由で武装をしているとは考えにくい。やはり、何らかの勢力がかかわっていると考えるほうが自然ではないかと思う。

 こうした事態が生じるのも、政府が治安改善に真剣に取り組んでいないからだ。たとえば、ガム村は選挙運動中に事件が起こったにもかかわらず、またロルパ郡内で最大の村であるにもかかわらず、いまだに村内に警察詰め所を置いていない。ロルパにはマオイスト軍の第五師団の駐屯地がある。ガム村は駐屯地とは反対側の東ロルパに位置するが、マオイストの武装勢力が駐屯地のなかにとどまっている状況で、まるで彼らを煽るような反マオイストの武装勢力の出現のニュース。現在、私が調査を続けているテーマでもあるが、ロルパではマオイストが人民戦争を始める前から、あちこちの村で村人同士の争いがあった。こうした紛争の“種”が、その後、大きく育って、ロルパをマオイストの武装闘争の中心にするのだが、“紛争後”の今になって、新しい種が現れたのか、あるいは古い種が生き返ったのだろうか。事実を知りたいと思う。

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