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今のところ、41議席当選が決まったが、このうち、26議席をマオイストが、ネパール会議派と統一共産党がそれぞれ6議席ずつ、ネパール労働者農民党が2議席を、マデシ・ジャナ・アディカール・フォーラムが1議席をとっている。このまま行けば、マオイストは過半数をとりそうだ。
プラチャンダ党首はカトマンズ10区で当選を決めたが、統一共産党のトップ・リーダーたち、ネパール総書記、イシュワル・ポカレル、バムデブ・ガウタムらは落選。ネパール会議派の汚職政治家でるクム・バハドゥル・カドカやゴビンダ・ラジ・ジョシ、チランジビ・ワグレらは落選が確実となっている。統一共産党のネパール総書記は責任をとって辞任を申し出たが、当然の行動だろう。統一共産党が今回大敗を喫したのは、リーダーたちのあいだに浸透していた“驕り”のせいである。彼らは、マオイストが10年間命をかけて闘ってきた勢力であるということを理解しようとせず、ときにマオイストを見下したような態度さえ見せてきた。今回の選挙でも、統一共産党は「自党だけで勝てる。他党(マオイスト)からの協力は必要なし」という態度をとったが、国民が彼らに対して抱いてきた強い不満を汲み取ることができなかった。
今回の選挙では、誰に聞いても「マオイストは第三政党になるだろう」と予測し、マオイストが結果を受け入れるかどうか心配していた。おそらく、マオイスト自身、これほど大勝するとは予測していなかったに違いない。これは、すでに大勢の人が分析しているように、ネパール国民の「変化」に対する強い要求の現われである。統一共産党やネパール会議派の政治家たちは、はっきりとした変化をもたらすことはできないという国民の判断である。どんな事前サーベイも、この結果を予測できなかった。
日本メディアの報道の仕方を見ていても、マオイストが率いる政府の前にある道が容易なものでないことは明らかだ。国際社会がもつマオイストに対する“印象”はそう簡単に変わるものではない。“茨の道”になることが今から予測できる。プラチャンダ党首は当選直後の演説で、単独政府でなく、他党との協力体制を保つことを明らかにした。複数政党制を受け入れることも繰り返した。
マオイストが第一政党になることになって、まず確実にいえることは、制憲議会の初日で、共和制が実現されることである。この選挙の結果を一番、驚きをもって見ているのは、統一共産党とそして王室だろう。もはや、国王が何らかの動きをとることができるとも思えないが、国王がこれを黙って見過ごすだろうかということには疑問が残る。
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