Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 マオイストのばく進は相変わらず続いている。統一共産党(UML)の“王制派”K.P.オリも落選が決まった。現在のところ、小選挙区240議席のうち111議席で当選が確定しているが、マオイストが59、ネパール会議派が19、統一共産党が18、マデシ・ジャナ・アディカール・フォーラムが9議席を獲得している。UMLは今回の選挙での大敗を認めて、今日開かれた常備委員会議で政府から脱退することを決めた。

 今回の結果について、これを「マオイストの快挙」と見る見方と、ただただ「衝撃的な出来事」と見る人がいるようだ。カトマンズのある階級以上の人たちのなかには、後者の反応を示している人が多いようだ。そもそも、マオイストがなぜこれだけ全国に勢力を広げることができたのか、彼らがどういう人たちなのかということを、まったく理解していない人たちが、こうした反応を示すのだと思う。私自身、何度もこのブログに書いてきたことだが、マオイストはごく普通のネパール人なのである。「普通の」という意味は、カトマンズに住んで快適な生活を送っているネパール人ではなく、山岳地帯やタライの村で、ようやく食べることができるというぎりぎりの経済状態にある農民家庭に育った、人口の大半を占めるネパール人という意味だ。今回の結果は、こうした生活を知るネパール人が、自身と似たような家庭に育ったネパール人に投票をしたということなのだ。決して、驚くべきことではなく、ある意味で、国民の心情を最も直接に反映した選挙だったとも言える。かつては、自分たちと同じ生活をしていたが、議員や大臣になったあとは、国民のことは何も考えず、豪邸を建てたり、子息を海外に送るためだけに私腹を肥やしてきたNCやUMLの政治家に、これ以上国を任せたくないと思っただけのことだ。

 マオイストには、今回の選挙のあと、彼らが想像する以上の巨大な責任が任されることになる。彼らがこれを背負いきれるか。もちろん、大きな疑問(心配といってもいい)が残る。彼らの将来が、NCやUMLの政治家の現在と同じにならないよう、ひたすら祈るだけである。

 大きな心配と疑問は残るが、しかし、私は今回の結果をマオイストの“快挙”であると思いたい。彼らの前に広がる道は茨の道であると、今から予測できるが、本当の新しいネパールのために、頑張ってもらいたい。

王制派が軒並み落選

 まだ結論を出すのは早いが、このまま行くと、マオイストが圧倒的多数の議席をとって第一政党に、統一共産党(UML)とネパール会議派(NC)が第二政党と第三政党を分けることになりそうだ。マデシ政党のなかでは、マデシ・ジャナ・アディカール・フォーラムが最多の議席をとって第4政党になる可能性が出てきた。

 政治学者らのなかには、「マオイストと統一共産党のあいだで選挙協力ができなかった場合、ネパール会議派に有利となりNCが第一政党になるだろう」と予測する人が多かったが、開けてみたら、こんな予測を吹き飛ばしてしまうほどにマオイスト旋風が吹き荒れたことになる。比例代表のほうでは、マオイストがさらに多くの票をとる可能性が高いため、“過半数”の夢の実現も近くなってきた。

 開票が進むほどに明らかになってきたことは、“王制維持”を主張してきた政治家が軒並み敗北していることである。NCのスジャータ・コイララ、ゴビンダ・ラジ・ジョシ、クム・バハドゥル・カドカばかりでなく、元パンチャヤト政治家のスールヤ・バハドゥル・タパ元首相や国民民主党ネパールのカマル・タパ、国民民主党のパシュパティ・シャムシェル・ラナら全員がすでに落選確実となっている。事前サーベイで「国民の半数近くが王制を支持する」などという結果が出たことを喜んで報道するメディア(日本も含めて)もあったが、こうしたサーベイがいかに信用できないか証明したことになる。

 マオイストが第一政党になることが確実になったことから、すでに最初の大統領はプラチャンダになる可能性がささやかれている。マオイストは制憲議会の初日に大統領を選出することを主張しているが、NCとUMLは行政権を持たない大統領を主張しており、まず、この件で議論が沸騰しそうだ。選挙後は引退すると宣言していたコイララ首相は、選挙後も政界を離れない意向を最近明らかにしだした。あるいは、最初の大統領としてコイララをという主張がNCやUMLから出る可能性もある。

 

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